「何一つつかめない田中ユカにエールを送った」猿楽町で会いましょう エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
何一つつかめない田中ユカにエールを送った
売れていない写真家の小山田修司とモデル未満・俳優未満の田中ユカ。
小山田の視点で語られる第一章。ユカと出会い、惹かれ、翻弄される小山田。
上京した時まで時間を大きく戻し、ユカの視点で語られる第二章。何者でもないユカは目の前のものをつかむのに必死だった。人に対して誠実ではなかった。
どうしても小山田目線で観てしまう。
クソのように身勝手なユカの行動にイラついた。
そして迎える最終章はもう田中ユカ‼︎
必死で、でも失うばかりで何ひとつつかめない田中ユカに、何度も何度も『がんばれ』と叫んだ。ひたすらみっともない自分の若き日を重ねた。
そう、観る我々は田中ユカのすべてを知り、彼女の未来を思うことに。これが映画のマジック。
今年の日本映画のベストの一本だろう。
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