劇場公開日 2020年12月11日

「三国志 (歴史書)や三国志演義や三國無双、SWEET三国志も知らない人たちが酷評してもねぇ」新解釈・三國志 Katucov Mikhailさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0三国志 (歴史書)や三国志演義や三國無双、SWEET三国志も知らない人たちが酷評してもねぇ

2022年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、TV地上波

 ネットで酷評されると聞いて映画館でも見て、金曜ロードショーでも改めて見ました。
とっても楽しめました。

 三国志はファミコンのKOEI版三国志(初代)から入り
小説は吉川英治、陳舜臣、漫画は寺島 優、王欣太、片山まさゆき
横山版はつまみ食い程度でしか読んで無い、所謂三国志ガチ勢です。
そんなワイは楽しめた映画なのに、世間一般では楽しめず酷評という不思議。

 そもそも酷評している人たちの殆どが三国志について知っていないと思われ。
歴史書の三国志や三国志演義からして神仙、雲に乗る道士、自然を操る妖術使い、2mを超える大男に、鐘を一人で持ち上げる怪力、一度見た書物を全部暗記できる小僧とか超人たちののオンパレードなのに。
ゲーム三國無双においては、軍師は扇からビームが出る、火や氷を剣から出すとまでの改変っぷり
現地中国人だって、現代のコメディー歴史映画になぜ目くじら立てようか?

 そもそも福田監督作品なんだから、福田監督が楽しいと思える作品になっているのが常識。
そんな前知識もなく、大河ドラマ目線で見に来てる人ばかりなの?
心に余裕がないの?おこなの?

 大泉洋が演じる劉備は、横山漫画しか知らない人からしたらひどい改変にみえるんでしょうが
色んな作品を見てきた私からすると、大泉洋の軽い演技とムロツヨシの諸葛孔明も合わせてSweet三国志を思い出させる名演技。普段そのままのフリートークといえばそれまでですが、それをちゃんと演じながら映画のワクに収めているのがこの俳優さんたちと監督の凄いところ。

 佐藤二郎の董卓はどこまで行っても佐藤二朗だし、イケメンの周瑜や超雲は福田映画いつものイケメンの無駄使い。
密かに感心したのが、呂布に配役された城田優さん。
歴史書にも赤髪、青眼の美丈夫とあり、ロシア系か中東系と言われてた呂布に
イケメンハーフの城田さんを配役するとは中々わかってらっしゃる。
流石に2mの大男とはいきませんでしたが、殺陣も含めいい演技でした。

 レッドクリフなど、長い三国志の話の中で赤壁の戦いだけクリップしても3部作になる代物。
日本で撮影となれば安っぽいCGと大げさ演出で盛り上げるしかあるまいと。
小さなお子さんがいる家庭で、みんなでワイワイ言いながら見るか、映画館で福田ワールドをニヨニヨしながら楽しんでみるか。

 私からすれば、古代中国の映画なのに、綺麗な顔した戦災孤児の少年少女や、ホストみたいなイケメンの若いにーちゃんたちがキレイな鎧着て走り回って、棒立ち、棒演技、香港映画以下のワイヤーアクションで歴史超大作とか言ってるほうがコメディだと思う。

Katucov Mikhail