劇場公開日 2020年12月11日

「(ここなどでの)論評を理解した上なら大丈夫。」新解釈・三國志 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5(ここなどでの)論評を理解した上なら大丈夫。

2020年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年58本目(今日、12月19日)。
先週公開ですが、あまりに評価が低かったので、先週は見送ったのですが、それでも気になったし、何より三国志をテーマにする映画そのものが少ないという事情もありましたので、ここの評価などは事前に理解した上で見に行きました。

結果的に言いますと、事情、つまり、「コメディもの」「完全にギャグもの」ということを了解した上で行くのであれば、それはそれで理解して行っているわけですから、それほど減点対象にはならないかな…と思います。逆に「完全ギャグもの」であるのに、一部だけ突然にシリアスになっても困りますし(解釈の線引きができない)、もうここまでぶっちゃけて全部ギャグで押し通すなら、それはそれでありだろう、と思います。

本来的には「真っ向から取り扱うシリアスもの三国志映画」と比較すべきなのだろうと思いますが、少なくとも今年(2020)はないはずですし(?)、三国志である以上、下手に扱うと3時間4時間コースになりかねず、一部の有名な部分(や、有名な戦いとされるもの)を切り取る形になることになろうかと思いますが、ギャグ一辺倒で押し通したうえで、全体を俯瞰することができるという点では、それはそれで「事情を理解している」という「前提条件つきで」問題はないだろうと思います(まさか、ここを見てギャグもの、と多くの方が書いているのに、それを信じずに見に行って駄作だ何だの言われても、多くの方が書いてあるのに見たうえで見に行って文句言ってそどうするの、の世界でしかない)。

評価は下記の2点で0.3点減で4.5としています。

 -------------------------------------------------------------------------------------------------
 減点0.2 おそらく、全編ギャグというストーリーの性質上、当然にギャグだらけであることは当たり前ですが(もちろん、「本当の」三国志に日本人が出るわけもない)、ストーリー上、「明確に史実に反する点」については、もしあるのであれば(世界史履修組ですが、明確にそこまではわからず)、それは書いておいたほうが良かったのではないかと思います。

 反対解釈すれば、全体的にはギャグものとして、日本人が突然出てきたりストーリーがギャグ一辺倒という点は理解しても「史実として支離滅裂ではない」点は観客側はそう理解してしまうので(もちろん、そこに卑弥呼が出てきたり冷戦自体のソ連が出てきたりすれば、明らかにおかしい、ということはわかりうる)、そういうところはないですが、誰しも三国志の全編を読んでいるわけでもないですし、ここまでギャグ一辺倒で押し通すなら、「史実としておおむね正しいか、ある程度曲げてあるか」の点については明示的指示があってよかったのではないか、という点です。

 減点0.1 日本は紛れもなく漢字圏で、愛される三国志も日本では普通、登場人物も日本の漢字に準じて音読みで読んで名前などが知られていますが(もちろん、中国など本場では中国語発音・表記なのでしょう)、中には常用漢字でもなく、「音読みの類推がきかない」登場人物も出てくるので(主要な登場人物には最初に名前が出ます)、そういう登場人物(一部にいます。日本でも、漢字検定1級とかでは習うんでしょうか…)については、漢字の読み方についてはフリガナを振るなどの配慮はあっても良かったのではないか、と思われます。
 -------------------------------------------------------------------------------------------------

 要は「ギャグものとわかった上で見に行った上で採点するかしないか」という点で、これだけ論評があるので(ここに限らない。映画の論評サイトは他にもある)、最低限調べずに見に行ってつまらなかった、というのも、まぁ、わかるのはわかるのですが(確かに、ギャグ一辺倒だし、その「ギャグ」が受ける・受けないは個人の感受性によるところ大きい)、「理解した上で行っているのであれば」、それほどそう、極端に減点要素になるような点はないかな…とは思えました。

yukispica