「50回目の“おでこにキス”」静かな雨 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
50回目の“おでこにキス”
いきなりの4:3のスタンダードサイズに驚いてしまった。まさか大林監督作品を意識した?と、気になったので調べてみたら、監督曰く、左足を引きずる主人公の行助の希望もない生きづらい世の中をイメージしたとのことで、なるほど!と膝をたたいてみる。で、その希望が見えるラストでドローンを使った壮大な住宅街を描いていたわけですね~
ストーリー的には『50回目のファースト・キス』(2004、2018)や『ガチ☆ボーイ』(2007)辺りで似たような記憶障害を扱っているので、またか・・・と感じるものの、描き方が上手い。また、80分しか記憶できない『博士の愛した数式』(2006)や『50回目』に出てくる「10秒のトム」に比べればマシな方だ。とにかく日記をつけるなどして、自分の存在を証明するような方法でしか生きられないのだ。
せっかく恋人になれるかと思った矢先、こよみは事故に遭い、新しい記憶ができなくなったという展開。自分も障がい者である行助であったが、入院先でこよみの母親(なんと河瀨直美ですよ!あん繋がりか?)にも頼まれ、退院後は彼女を自分の家に引っ越しさせるのだ。この選択は大正解だった。でなきゃ、毎日こよみの住むアパートまで行き、日課となる説明も面倒だったろう。この思い切った行動も徐々に辛いものとなっていくのだ。
たい焼き、ブロッコリー、リスボン、ザリガニ、教授(でんでん)の父親の日記など、小ネタがいい伏線となっていて、特にリスボンのエピソードはペットを飼ってる人には泣ける内容。ブロッコリーに関しては、食べられるようになれよ!と、子供じみたところにイラっとくるかもしれません。
それよりも気になったのが、かつての恋人(萩原聖人)の存在。行助のことは恋人と認識できないのに、過去の恋人のことはしっかり覚えていることだ。これは克服しなければならないのだろうけど、嫉妬心は常に湧き出てくるものだ。
また、描かれてはいないけど、こよみは相当なパチンカーだったに違いない。それがどうしてパチンコ屋の駐車場の片隅で営業することになったのだろう?パチプロなんて不安定だろうけど、たい焼き屋も収入は少なそう。『あん』(2015)の店くらいに流行ってればいいんだろうけど、営業時間も短そうだし、難しいでしょうね。
独特な雰囲気の映画でした。演出が納得いかないと思っていましたが、確かにいいストーリーだったなと、思い返してしまい、再評価しました。淡々と、、、切ないですね。
1個150円でしたね。
1日100個売って月25日稼働で375000円の売り上げ。
材料費30円として、75000円。
場所は国立市のパチンコ屋の駐車場。
国立は繁華街にパチンコ屋は作れないのでちょっと駅から離れた場所として、車2台分のスペースなので家賃30000円ぐらい?に、プロパンガス20㎏8000円と油や洗剤等の雑費と焦がしちゃった廃棄分で2000円ぐらいを計上して、260000円の利益…100個ぐらい売れれば何とかなりそうです。
とか、ざっくりだけど計算してしまいましたw
かなり年季が入ったアパートに住んでましたしね。