「静かな雨でも、地は固まる。」静かな雨 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
静かな雨でも、地は固まる。
無性に落ち着いた邦画を観たい気分になったので、気になっていた本作を急遽鑑賞。
片足が不自由な青年が、たい焼き屋を営む女性の元に通う内に親しくなるものの、その女性が事故に遭い新しい記憶が1日しか持たなくなってしまう物語。
事故に遭う前から、お互いの事を良く思っていたのが幸いし、同じ朝が始まってもパニックになることはない。
それでも、毎朝同じ事をいう彼女と、それに応える彼。喧嘩をしても、どんなに良い話をしても、また明日には全く忘れてしまう。…やりきれないですねぇ。。
劇中に出てくる何気ない良い話が後半になるといろいろ回収されていく様も良かったし、こうなってしまった彼女が、彼のために健気にできることをやろうとしていた姿には感動してしまった。その他、電話を待っているときのピアノのBGMとか、ホント、しんしんと降り続く雨を表現していてとても心地よかった。
終始哀し気なテンションで進行していき、起伏もないのだが、そんななかにあるささやかな幸せだとか暖かさのようなものをじんわりと感じることのできる良作だった。
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