マー サイコパスの狂気の地下室のレビュー・感想・評価
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確かな魅力はありつつも、所詮は低予算といった仕上がり
【イントロダクション】
ブラムハウス・プロダクション発、テイト・テイラー監督・脚本によるスリラー。
高校生達にパーティー会場として自宅の地下室を開放してくれる女性の隠された姿の恐怖を描く。謎の女性スー・アンを、アカデミー賞助演女優賞受賞のオクタヴィア・スペンサーが熱演。
その他脚本にスコッティ・ランデス。日本では劇場未公開。
【ストーリー】
離婚により、故郷であるオハイオ州に越してきたエリカ・トンプソン(ジュリエット・ルイス)と娘のマギー(ダイアナ・シルヴァーズ)。マギーは新しい学校生活に馴染み、不良仲間のハーレイ(マッケイリー・ミラー)、チャズ、ダレル、そしてマギーに想いを寄せるアンディ・ホーキンスと親しくなる。
ある日、アンディ達はパーティーを楽しむ為に酒を求めていたが、未成年である彼らは酒を購入する事が出来ず、酒屋に入っていく人々に声を掛けて代理購入してもらおうとするが、悉く失敗に終わっていた。マギーの番となり、やはり失敗に終わるかと思われたが、偶然通り掛かったスー・アン(オクタヴィア・スペンサー)の協力を得られ、無事に酒を購入する事が出来た。スー・アンはアンディの運転していた車に“ホーキンス警備社”のロゴを確認し、ネットで彼らのアカウントを探し当て、彼らが酒を飲んでいる事実をアンディの父ベン(ルーク・エヴァンス)に密告した。
後日、スー・アンはマギー達を自宅の地下室に招き、酒と食事を振る舞った。気さくで心優しいスーの振る舞いは評判となり、スーは高校生の間で“ママ”と呼ばれ人気者となった。しかし、スー・アンは次第にマギー達にしつこく付き纏うようになり、鬱陶しく感じるようになったハーレイは、インスタライブで仲間達に「ママをブロックして。クレイジーな女だから」と呼び掛ける。スー・アンは新しいアカウントを開設し、マギー達を呼び出して「実は、私は癌なの」と告げる。
後日、スー・アンの勤務先である動物病院にベンがやって来て、彼女をディナーに誘う。だが、それはベンが社用車に仕掛けていたGPSによって、スー・アンがアンディに酒を飲ませていた事実を把握しての警告が目的だったのだ。
何故、スー・アンは高校生達を自宅の地下室に招くのか。そこには、彼女が高校生時代に受けたイジメが関係していた。
【感想】
先日、Xにて偶然本作の続編製作の情報を目撃し、邦題のインパクトやあらすじの面白さから興味を持ち鑑賞。
主演にオスカー女優のオクタヴィア・スペンサー、脇を固める出演者にジュリエット・ルイスやルーク・エヴァンスと、出演者は割と豪華であるが、製作費はたったの500万ドルだというから驚いた。製作費がたったの500万ドルと超低予算だった為、世界興収6,000万ドル強でも十分大成功と言え、だからこその続編製作決定なのだろう。
しかし、内容自体はサイコパスというより、トラウマのフラッシュバックによる突発的な殺人という印象が強く、また高校生時代のイジメという、娘・息子達の年齢を考えると軽く20年は経っているであろうトラウマの復讐としては、肝心の加害者達ではなく、その子供達の方が割りを食っており、イマイチ納得が行かない。また、復讐内容としてもインパクトが弱い。
てっきり、積年の恨みを募らせたスーが、自宅の地下室に様々な仕掛けを施し、子供達をはじめ加害者達を次々と誘き寄せては葬り去っていく、又は捉えられた子供達が脱出を試みるといった作品を期待していただけに、物語のエンジンが掛かるのが残り上映時間30分辺りという物語後半からという点含め、色々と肩透かしを食らった。
だが、主演のオクタヴィア・スペンサーの演技は素晴らしく、彼女が普段演じる気のいい女性キャラ(本人としては、そうしたキャラばかりのキャリアに変化が欲しかったのだそう)が、次第に狂気を滲ませていく姿が印象的だった。特に、目の演技が素晴らしく、マギーを見つめる際の目に光の無い虚無の表情や、ベンに対する愛憎入り混じった歪んだ表情を浮かべる姿は恐ろしい。
しかし、本作最大の収穫は、マギー役のダイアナ・シルヴァーズと、ハーレイ役のマッケイリー・ミラーという、若手美人女優の存在を知る事が出来た点だ。正直、彼女達のおかげで画面が持っていた部分も多く、それが本作をギリギリの所で成立させてくれていたように思う。
【実は続編向きの作品】
ラスト、スーはベンの遺体と共に、炎に包まれる自宅の寝室で息を引き取ったかのように見える。しかし、死の瞬間を直接描写したわけではないので、なるほど、続編にて如何様にも復活させられるわけだと思った。
というより、実は本作は続編でこそ真価を発揮出来るのではないだろうか。何せ、今ようやく下準備が完了したかのような状態なので。
スーが殺人によって長年せき止めてきた怒り・恨みの箍が外れた以上、この先はいくらでも殺人鬼として振る舞えるはずだ。だからこそ、続編では今回生き残ったメンバーに次々と復讐を果たそうとするサスペンス・スリラーなんかは王道だろう。また、本作のラストとの繋がりから、顔や皮膚に火傷を負っての復活でも面白いだろう。
肩透かしと言いつつ、続編がどのような物語になるのかは、非常に楽しみである。
【総評】
オクタヴィア・スペンサーの演技力、若手女優陣の活躍と、確かな魅力も秘めていた。しかし、いくら低予算にしてももう少し物語に動きや捻りが欲しかったのは間違いない。
とはいえ、続編で果たしてどのように化けるのか(流石に、続編は予算も増える事だろう)。過度な期待はしないまでも、今後の展開に注目したい。
内気だった少女のあまりに悲しい復讐劇。
閉鎖的な田舎町で過去の初恋といじめの記憶に苦しみながら、憎悪が醸成されていったのだろうか。
結婚して築いた家庭も長続きせず、母子家庭でひっそり暮らしていたスー・アンはある時自分をいじめ蔑んだ同級生の子供であるマギーたちと知り合いになる。それをきっかけに過去のいじめに対する復讐心がふつふつと湧き上がってくる。
理解ある大人のふりをして自宅の地下室をパーティーのために提供するスー・アンをみなが親しみを込めてママと呼ぶ。彼女もまるで過去のつらい記憶を上書きするかのように彼らとのパーティーの日々を楽しむ。しかし、情緒不安定な彼女の振る舞いに次第にマギーたちは警戒感を抱く。
本作では彼女が始めから復讐を実行するつもりで計画的にマギーたちと親しくなったのか、あるいはいまだ自分を侮辱するベンの態度をきっかけに復讐を決意し、実行に移したのか。その辺がとても曖昧で、この点は脚本に問題があるともいえるが、オクタビア・スペンサーの存在感と橋本愛似のマギー役の女優さんがとても美しくて最後まで楽しめた。
いまだに彼女を蔑む地元の人間たちは彼女を負け犬呼ばわりするし、子供だったからというベンの言い訳も通用しないだろう。
「サイコパスの狂気の地下室」などと邦題についているがスー・アンの狂気よりも彼女の不憫さが伝わってくる悲しい復讐劇だった。
それにそもそも狂人になりきれてないし。黒人少年の顔をペンキで白く塗るだけって。結局子供たちは殺さなかった。
【”若き日に受けた屈辱は忘れない・・”「ドリーム」で一躍脚光を浴びたオクタヴィア・スペンサーが復讐鬼を演じる衝撃作。】
■孤独に暮らすスー・アン(オクタヴィア・スペンサー)は地元の高校生から代わりに酒を買うことを頼まれ、それをきっかけに自宅の地下室をパーティ会場として彼らに提供するようになる。
彼女は自分のことを「マー」と呼ばせ、高校生たちをもてなすが、やがてマーの態度が変わり始め…。
◆感想
・物語はシンプルで、高校時代に自分を辱めた連中及び子供達に、オクタヴィア・スペンサー演じるスー・アンが苛烈な復讐をする物語。
・だが、私見だがオクタヴィア・スペンサーには、善人もしくは努力の人が似合うと思うのである。
<日本公開が見送られた理由が何となく分かる作品。
決して、今作品を全否定する気はないし、オクタヴィア・スペンサーが従来の役を越えたサイコ・キラーを演じようとした気概は買うが、矢張り彼女には理性ある黒人女性を演じて貰いたいのであるよ。>
復讐
母親として
観なくてもよい
悪いオクタヴィア姐さん
残念ながら劇場公開はなしだったが、とにかく観ることが出来てよかった。オクタヴィア・スペンサーが珍しく悪役で、同じテイラー監督の『ヘルプ』の気分でいると、なかなかにえげつない展開で驚く。人物の配置設定等は細かいところは釈然としないところもあり。
ジュリエット・ルイス久々に見た。あ、この子『ブックスマート』のあの子だ。
詰め込みすぎ感はあるし、単調かもしれないけど、
じわじわくる感じ
微妙かな?と思いきや
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