「カイジとしても×、カイジじゃなくても×」カイジ ファイナルゲーム ・ ・さんの映画レビュー(感想・評価)
カイジとしても×、カイジじゃなくても×
不満点
①カイジは底辺が一発逆転する物語です、当然そういったところで今まで楽しんできました
しかし今回は国民がみんな底辺になったせいでカイジの底辺さらに逆転というキャラクター性が非常に薄まっています。
②超インフレやら国民の金で借金返済やら無駄に壮大な戦いにしているせいで今までのような一発逆転という物語ではなくヒロインもいて日本の権力者を倒そうぜ的な英雄談みたいなものになっています。それなのにカイジとその周りだけが最終的に万々歳でカイジ側についた権力者もそれに含まれるのがカタルシスも無くしており、カイジという設定無しでも微妙な作品になっています。鼻からそういう風に描くなら分かりますが。
(ファイナルとついていなかったら続編でも作りたいのかなと思うような終わり方です)
③超インフレや国民の借金返済という設定がカイジが権力者と戦う理由としての意味合いしかなくどうしてそうなったのか等の理由があっさりしており、カイジが戦う理由以外で物語ではさして影響を与えない設定なので、余計にアホが無理に作った社会派映画みたいになっています。無茶苦茶な内容でもそういったとこをしっかり描けばそういうファンタジー作品なのかと納得出来ます。それが出来ないならもう少し現実的な政府の不正、例えば帝愛と政府の癒着とかならまだ社会派映画としての色も強めたのかなくらいに思って楽しめるのですが。
「色んなサイトの否定意見で日本は低インフレで苦しんでるんだよとか国内債務と対外債務の違い、そもそも金をすれよ、千云兆程度で凄いインフレになるわけないだろ」等マジレスされてる理由はこういったとこが理由だと思います。
④今回のトリックやゲーム内容はかなり稚拙なものになっています。それどころか下手に壮大な物語にしたせいで俗に言う悪いなろう作品の見本みたいになっています。例えばバベルの塔などはこれまでの限定された環境ではなく多くの国民が様々な手段を活用して頑張れるゲームとなっている分、他の挑戦者の知能が冗談ではなく小学生レベルになっています、カイジもさして悪魔的な発想をしていないのに他が馬鹿すぎて勝利するという言葉も出ない展開でした(大規模なゲームを考える能力がないならエスポワールみたいに限定された条件と制限を設けるべきでした)
その他のゲームもかなり劣化していましたがバベルの塔が凄すぎて許容出来ました。
演者を含めて折角の良い素材が台本に潰されている作品でしたね。