劇場公開日 2020年10月23日

  • 予告編を見る

朝が来るのレビュー・感想・評価

全211件中、61~80件目を表示

0.5免罪符系ホラー

2021年5月31日
PCから投稿

河瀬直美には、なんかがあるような気がしていた。
寡作な印象があるが、wikiページを見ると1992年から年一ペースで、映画をつくっている。すごいキャリア、かつ多作だと思う。
ただ、作風が地味なので、公開規模は狭かったと思われる。
カンヌをとった殯の森(2007)以降は注目されたが、おそらく大衆認知に至ったのはあん(2015)だと思われる。

あんにもその次の光(2017)にもお涙臭があった。
確実に「可哀想な主人公」で釣る作風だった。
あんや光は一杯のかけそばの「貧困」が、ハンセン病や盲目に変換されただけの話だった──と思う。
で、河瀬直美はなんかがあるひとではなく、たんにメロドラマの作家だと、個人的には認識した。

ただし、かつてはメロドラマが顕著ではなかった。
憶測に過ぎないが、アーティスティック(げいじゅつてき)な作風だったけど、大衆に下野する必要が生じて、──つまり、プロデューサーに「なんかもっと売れるもんつくってくれませんかねえ」と言われて、本来の姿「メロドラマ」が顕現した──のであろう。と思われる。

メロドラマの作家ならば、ザ日本映画の系譜にすんなり収まる。あんを見たとき「なあんだ、ふつうのザ日本映画の監督なのか」と思って、ある種ホッとした。

日本映画を見ていて思うのは、なぜエクスキューズするのかなってこと。
われわれ、大人は、現実世界で、同情を誘うような姿(人様から気の毒に思われてしまうような様子)を不特定多数に見せない。お恵みを乞う──意図がなければ。

ところが日本映画には、「わたしはかわいそうなんだぞ!」と絶叫しているような人たちばかりが出てくる。
お恵みを乞うているわけ。
たんじゅんに、同情を誘っているのですよ。
わかんないのかなあ。

にもまして、映画向きの、まことに好都合な不幸。小説(原作)ならば、暴れない筋書きが、映像になったことで突飛な話になっている──気がした。
登場人物は「むしろそんなところに嵌まる方がむずかしいんじゃね」──と言わざるを得ないような、トクベツに特殊でトクベツにお誂え(おあつらえ)でやたら強引な「可哀想さ」のある状況に陥っています。その(逆)御都合主義。不幸がなけりゃ、わざわざ探し出して、自らそこに入りこんじゃう人たちです。
また、なかったことにしないでって字があらわれる部分が社会派から探偵小説に飛んじゃったみたいで、ムリ感が半端なかった。

さらに大仰。シンプルに客観視するなら、たんに子供ができないってだけの夫婦だよね。そりゃ当人にしてみれば、悲しいことだろうさ。だけどな~んか仰々しい悲嘆が鼻につく。にんげん、四六時中、シリアスな局面で生きてるわけじゃない。適当に気を抜いたり笑ったりもするさ。絵にリアルはあるけど、人物像はリアルじゃない。

また永作さんの見た目が、やつれ感を強調しているのだろうけれど、あまりにも野暮。この人、演技がうまいのか、わたしには解らないが、おばさん(にしか見えないひと)を、これでもかというほど近接でとらえていて、ひたすら辟易した。これは容姿ではなく、絵のもんだい。

たとえば、是枝監督はリアリティに寄せるけれど、役者選定はかなり面食いをする。海街も他の映画もリアリティも追及するけれど前提にきれいな役者を使うわけ。つまりリアルなのはいいけれど、見にくい絵は、やはり見にくい──という話。

(ホラー映画で人物の表情を近接にとらえて皺や陰影を強調して醜悪に見せる手法(HereditaryのトニコレットやMilly Shapiroみたいな)があるけれど、この映画は、ほとんどそれに近かった。それが誤算度きわまりなく、案外ホラー映画と言っても差し支えない。──とわりとまじで思った。)

不憫・哀れっぽい・痛々しい、ひたすら気が滅入る話。田舎者の感性。いつもながら空間のリアリティだけは、ある。が、ありえねえって思えるコテコテの不幸をムリムリに設定して、しれっと免罪符にしちゃってる映画。ださい作風です。0点。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
津次郎

3.5自分には合わなかったのかも

2021年5月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

題材には興味があり、キャストも素晴らしい。
ただ、作風が自分には合わなかった。
ドキュメンタリー風というか、半分くらいかアドリブなのではないかと感じる作風で、リアリティーがありこれはこれで素晴らしい作品に仕上がっているとは思うが、自分の場合はこれが合わなかった。
リアルに寄せてはいるがやはりそれはリアルではなく、少し無理を感じてしまう。どこかで演じているという意識がノイズとして入ってしまう。そうであるならば、自分としては物語として割り切って制作された作品の方が変なノイズを感じることもなく、話に没入することができると感じた。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
take

3.5会いたかった😭

2021年5月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

会いたかった😭

コメントする (0件)
共感した! 1件)
J417

3.5起きることは決してTVのニュースにはならない事件。出てくる人は全員...

2021年5月14日
PCから投稿

起きることは決してTVのニュースにはならない事件。出てくる人は全員が真面目に生きているごく普通の人で、色々な苦悩や幸せの中で生きている。それでも映画として見応えのある内容。関わっていく人の感情が非常に丁寧にリアリティを持って、人生や日常そのものが美しく描かれている。どんな理由であれ母と子が引き離される事は男の自分でも身につまされる思いがする。自分の娘に対してはどんな事が起きても辛い時には寄り添える親でありたいと思う。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
bluecinema

4.0朝が来ることを信じて

2021年5月9日
Androidアプリから投稿

静かに語りかけるストーリーでした✨
母が子を慕う気持ち、親子の確執、
家族の愛情が描かれていました。
子どもを授からない夫婦の切実な思い
社会の実情、命を繋ぐバトンを知ることが
できました✨
エンディングにも、人を大切にしたい気持ち、明るい未来が見えてきました。

コメントする 1件)
共感した! 36件)
美紅

4.0途中まで

2021年5月4日
iPhoneアプリから投稿

妊活中ということもあり、途中で胸が苦しくなって見れなかったです。
もう少し年月が経ってから見たいですね。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
しょう

3.5子供が持てない夫婦の苦しみと

2021年5月1日
iPhoneアプリから投稿

育てる事ができない少女の苦しみが交わり合って、最後を迎える。
このサイトの概要も読まないで純粋に観て欲しい。会いに来たあの人は誰?って。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Miya-n

4.0重いがリセットされる

2021年5月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

産みの親、育ての親、あとでもめるシリーズだが、
人生不公平なことはある、が、生きろ!
みたいな作品。
あん の雰囲気出まくり。
面白かったよ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
れお

4.0山の奈良と海の広島。 産む事が出来なかった母親と育てる事が叶わなか...

2021年4月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

山の奈良と海の広島。
産む事が出来なかった母親と育てる事が叶わなかった母親。
本とは違う比較対象の美しさ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
sakahiro

5.0いつまでも余韻の残る素晴らしい映画。

2021年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

それぞれの置かれた辛い、困難な状況の中でどう対応し、どう声に出して自分を伝えていくのか、思わず声に出してしまうのか。
思いのまま人を傷つける人たちが周りにいる中で、真摯に向き合う主人公役の永作博美。そしてもう一人の若い女性の蒔田彩珠。二人の表現力にはとてつもなく心に残った。
葛藤の中の不安、恐れ、本当に真実の心から言葉が発せられている。声、表情、リアリティさに脱帽した。
自分だったらどうするのか。どう接したらいいのか。問われている感じがした。真実のドキュメンタリー映画を見ているようだった。2時間強の映画だったが、ずっと緊張が続き目が離せなかった。
何が正しい選択になるのか。
最初の頃に出てくる夫役の井浦新の「この家には親になれる人がいる。」「家族をつくりたい。」のセリフは、この映画、また現実の世界に生きる夫婦、家族にとって、心の奥底に持ち続けなければならない言葉だと強く印象に残った。
河瀨直美監督の作品は過去いくつか見たが、今回がベストで、私が近年見た映画の中でもいつまでも余韻の残る素晴らしい映画であった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
M.Joe

4.5答えはない。

2021年4月25日
スマートフォンから投稿

この映画に答えはない。
何が言いたいのか分からないと気がすまない人には向いていない。想像力がない人や、子どもと正面から向き合った経験がない人には伝わりにくいかもしれない。言葉ではなく表情や情景でとても丁寧に登場人物の心境が描かれており、最初から最後まで胸が痛い。
救いはないのかもしれない。ただ、それが現実であり、映画以上に厳しい環境に置かれてしまう若い人も確かに存在する。
親とは何なのか、子どもへの愛情とは何なのか。答えを示すわけではないが、深く深く問いかけてくる。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
ほっぺ

3.0で?その後は?

2021年3月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

美しい自然とドキュメンタリー風の映像に、リアリティを感じる。ストーリーは、サスペンスを引っ張りつつ、各人の視点から問題に切り込む。

予定外の妊娠出産で、親の言うとおり人生狂ってしまった女の子。子供のない裕福な夫婦に引き取られた子供に対する愛情も執着もそれほどあるように思えず。しかし親ではない大人に心の傷や不安を理解してもらえて良かったね。でもこの子が救われる道が見えない。
若いときに躓いたら、やっぱりやり直しがきかなくて、バカだからだまされ続けるの?監督は何を伝えたかったんだろう

コメントする (0件)
共感した! 2件)
ユウコ

4.0辻村深月さん本当に好きです

2021年3月12日
iPhoneアプリから投稿

辻村深月さんの小説を日頃愛読させていただいているのですが、ミステリーが多い辻村さんの作品とは一風変わった感じだと思った。原作は読んだことがないが、この作品は映画化してもなお素晴らしい作品なのだと思う。主人公の夫婦2人のキャストさんが良いことはもちろんだが、ひかりちゃん役の子がとにかく素晴らしい。この子たまに見かけますが、すごく心にグッと来る演技をするなぁ、、、素晴らしい

コメントする (0件)
共感した! 3件)
ぱん

3.5中・高校生にも観て欲しい

2021年1月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

永作博美が主演女優賞にノミネートされた作品だから観たけど、だそが主役?って感じ。
始めの方は感じ悪かったから期待しないでいたが、ドキュメント風な描写があったり、子供が自然体過ぎたり、エンドロールが終わったと思ったら、ここでかよという終わり方。斬新だった。この頃の映画はエンドロールを何だと思っているのか、鬼滅の刃しかり糸もだったけど、泣きっぱなしで立てないでしょう!明かりをつけないで!

コメントする (0件)
共感した! 2件)
Kama

4.5考えさせられる

2021年1月25日
スマートフォンから投稿

泣ける

悲しい

知的

2020年の邦画で一番良かった。
出演者の演技も素晴らしい。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
tok

4.5今年一番響きました

2020年12月29日
スマートフォンから投稿

観てると辛くて、苦しくて、辛くて...最後に少しだけ救われる。ドキュメンタリーなところもあり、産みのお母さんについても丁寧に丁寧に描いてます。
これは今年最後にして今年断トツ一位の映画でした。
観るときはエンドロール最後まで席を立たずに観てください。一番最後まで観てこのお話は完結します。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
知宏

3.5最後はちょっと…ズルい気がする。

2020年12月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

原作未読。河瀬監督作品も初鑑賞。
私の中では『ピンポン』で止まっていた井浦新(ARATA)、『志乃ちゃんは自分の名前がいえない』からさらに成長して難しい役をこなした蒔田さん、そしてもはや貫禄さえ漂う永作さんとメイン3人の演技に引き込まれました。
あと浅田美代子さんが、こんなにすてきな役者さんだということに、今更気が付かされました。

顔をちゃんと写さないことでさりげなくミステリとして興味も持たせるのもよかったです。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
なお

4.5魂が揺さぶられる名作!

2020年12月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

久し振りに魂が揺さぶられるような思いのする映画に出会えた。
特別養子縁組制度について、子どもを差し出す側とその子どもを受け入れ育てる側の双方の心情が丁寧に描かれている。
不妊治療など苦労してようやく子どもを授かった親、子どもが欲しくても様々な事情から断念した夫婦、流産や中絶を経験している女性…そういう人たちにとってかなりセンセーショナルなストーリーだと思う。

俳優陣も永作博美、井浦新ともに期待を裏切らない演技。そもそも「八日目の蝉」で同じように複雑な立場の母親役を好演した永作を観るのが目的だったのだが、実際は蒔田彩珠の演技に釘付けになった。また一人凄い女優が出てきたと思う。さすが尾野真千子を見出した河瀨直美監督!と唸った。

ラストはきれいごとに終わっている感があり、現実はもっと厳しいと批判的な意見もたくさんあるようだが、僕は希望の持てるエンディングに納得し安堵し、そして涙が出た。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
SHOT

4.0人生において子どもを育てるということとは

2020年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

子育ては本当に大変なことで偉業である。人はなぜそこまでして子どもを生み育てるのか。
娯楽に溢れ、家族を持つことイコール幸せではなくなった現代に、その価値を問う物語。

河瀬直美監督の“役積み”により感情変化をじっくり丁寧に撮った作品。永作博美の悲壮感漂う演技が素晴らしい。
養子縁組など実際の当事者に話をしてもらったかのようなドキュメンタリータッチの演出で、以前の『光』を彷彿とさせる。

幸せのために子どもを生んだのに子育てに疲弊する家族という病のニュースや映画を最近よく見るが、子どもを持てることがどれだけ尊いことか、命の重さを改めて痛感させられる。
森林の描写は、自然は誰の子孫だとか関係なく全体で育んでいく象徴だからだろうか。

あらすじとしては、「子どもができない夫婦が養子をもらい幸せに暮らしていたある日、本当の母親が現れる」と簡単に言い表わせてしまうものだが、お互いの人生をそれぞれの視点から描きながら、それらが交わっていく時間軸を行き来しながら最後まで謎も引っ張る見事な構成。

子を持つ親としては、要所要所で涙腺を持っていかれた。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
もの語りたがり屋

1.0おやじギャグ

2020年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

タイトルがおやじギャグ。
ドキュメンタリー風で映画とは言いにくい。
目新しさもなければオチもない。
一部の女性が見れば面白いのか、共感所がない。

良い点
新聞配達屋の主人がやさしい。

悪い点
導入の園での事件が本編とまるで無関係。
内容が無いよう。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
猪古都