朝が来るのレビュー・感想・評価
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辻村深月さん本当に好きです
辻村深月さんの小説を日頃愛読させていただいているのですが、ミステリーが多い辻村さんの作品とは一風変わった感じだと思った。原作は読んだことがないが、この作品は映画化してもなお素晴らしい作品なのだと思う。主人公の夫婦2人のキャストさんが良いことはもちろんだが、ひかりちゃん役の子がとにかく素晴らしい。この子たまに見かけますが、すごく心にグッと来る演技をするなぁ、、、素晴らしい
中・高校生にも観て欲しい
永作博美が主演女優賞にノミネートされた作品だから観たけど、だそが主役?って感じ。
始めの方は感じ悪かったから期待しないでいたが、ドキュメント風な描写があったり、子供が自然体過ぎたり、エンドロールが終わったと思ったら、ここでかよという終わり方。斬新だった。この頃の映画はエンドロールを何だと思っているのか、鬼滅の刃しかり糸もだったけど、泣きっぱなしで立てないでしょう!明かりをつけないで!
どの世代にも性別なく観てほしい映画。
昨日観たばかりでまだ咀嚼中。あまりに色々考えさせられる映画でまだまとまらなくて…。レビュー、綺麗じゃないですが思うことを置いておきます。
最初に。どうしても声を大にして言いたい。
" どうして?妊娠させた男の子は?たくみくんは?のうのうと、何事もなかったように生まれた場所で過ごせ、なんの罪も責任も負わないままもしかしたら大学生や社会人となり眩しい青春時代を過ごしてるの?
光ちゃんを探してくれないの?見つけてくれないの?"
こんな時、傷つくのはいつも女だ。
そして抱えている辛さに気付かない、被害者面した家族がいる。
なのに、傷ついた彼女たちを心配して泣く他人がいる。
未熟な女の子達を食い物にする、男達がいる。
特別養子縁組よりも、環境に恵まれない中で唯一保護してくれるシェルターのような安心の中で子供を産んだ女の子達やその背景に心をさらわれた。
朝斗くんの真実を信じてあげられないで情けないと自分を責めた佐都子が最後、光ちゃんの嘘と真実を知り、光ちゃんを探し出してちゃんと朝斗くんを会わせてあげた…後悔だけにさいなまれずに探し出して愛を届けた佐都子に救われた。
たくさんの提示と回収がある映画だった。まだまだあるのかな、もう一度、丁寧に観てみたい。
私、個人的にすごくいやだったのは、正月の集まりで、光ちゃんに近寄ってねぎらいだか慰めだか興味本位だかで近寄ったりおっさんとその時に娘の味方をしなかった母親。本当に後味が悪かった。あれは、完全におっさんの下世話さのせいだしなんならエロい目線だ。気持ち悪くて吐き気がした。
そして、まだ年端のいかない少年少女達よ。プラトニックを大切にしろ。性行為は将来の楽しみにのけておけ。感動はもう少し後にのけておけ。
安易じゃない?自分たちは愛し合ってるんだ?抜かすな、お前達の責任の伴わない言葉や性行為は、絶対に人を不幸にするし輝かしい未来を奪うんだ。
みんなしてるから?アイシテルから?裸の身体を重ねて確かめ合うことが大切?
馬鹿なことを言うな。大切だったらなおのこと、妊娠する可能性があることをするんじゃない。人の未来を奪うな。
未熟な男どもは心して観ろ。未熟な女の子達よ、未熟な男どもに大切な身体を開くな。
演技では、荒んだ生活の中にも綺麗な心のままの彼女を演じた蒔田さんの清廉さに救われた。
ベビーバトンの浅見さん…浅田美代子さんを観ていて、【樹木希林】を受け継ぐ覚悟が見えた。この方はけして好きなタイプではなかったけれど、この映画で希林さんの片鱗が見えた。きっと、彼女ならやってのけることができると感じた。
永作さんはもう…語るのが申し訳ないほどの方なので。
新聞販売店店長…好きだなぁ…。実は【恋あた】ではじめて知ったけれど実はちょこちょこ目にしていたのだなぁと。単なる若い子を構いたいだけのおっさんだろと思ったけれど、心からの心配と涙…演技にはとても思えない…心を丸裸に丸腰で心配なんだよって言える大人がどれだけいるだろう…。
許すこと。・・・違いを受け入れること。
コロナ禍という新作映画公開が困難なタイミングではあるが、公開から2か月を超える本作は、『気になりつつもなかなか手を出せていない作品』であった。
見逃さなくて良かった。。。本当に。。。
ミステリー要素を織り交ぜ、目を離せないストーリー展開
登場人物の心情を目線や動作で巧みに表現する俳優陣
それらを鮮やかにスクリーンへ投影するカメラと照明
時間の経過を忘れるほどとても濃密な139分間だった。
鑑賞後、本作品には、他者への『許し』が多く描かれていると感じた。
無精子症に悩むパートナーへの許し
実子を手放さなければならなかった産みの母たちへの許し
買い物依存症により(たぶん?)、知らぬ間に保証人へと仕立て上げられた友人への許し
そしてラスト・・・産みの母の真意を見抜けなかった育ての母への許し
こうした“日常では出逢うことがない人”、“常識から外れたモノ”を許すことで、前進していくのが本作だと感じた。
※上記“ ”は作品パンフレットの監督インタビューから引用
※当該パンフレットには『承認』という単語を用いていたが、『許し』のほうが個人的に、しっくりくる。別に、登場人物が悪いことをしているわけではないのだが。。。
規律 文化 常識
こうした要素は、社会をスムーズに動かしていく(前進させる)ために、必要不可欠なのかもしれない。
しかし、その外側に存在する人に目を向けることで、歩める未来もあるのではないか。
もしかしたら、そうした『今まで目を向けられてこなかった人々』を受け入れることで、描く未来のほうが、より幸福度の高い社会を築けるのかもしれない。
こんなことを思いながら、終えた2021年一本目の映画鑑賞でした。
追伸
TBSラジオ 『荻上チキ Session』では本作の監督も参加し、
特別養子縁組について特集されました。
下記リンクにてアーカイブ配信もありますので、併せてご利用されるとよいと思います。
https://www.tbsradio.jp/538077
今年一番響きました
観てると辛くて、苦しくて、辛くて...最後に少しだけ救われる。ドキュメンタリーなところもあり、産みのお母さんについても丁寧に丁寧に描いてます。
これは今年最後にして今年断トツ一位の映画でした。
観るときはエンドロール最後まで席を立たずに観てください。一番最後まで観てこのお話は完結します。
最後はちょっと…ズルい気がする。
原作未読。河瀬監督作品も初鑑賞。
私の中では『ピンポン』で止まっていた井浦新(ARATA)、『志乃ちゃんは自分の名前がいえない』からさらに成長して難しい役をこなした蒔田さん、そしてもはや貫禄さえ漂う永作さんとメイン3人の演技に引き込まれました。
あと浅田美代子さんが、こんなにすてきな役者さんだということに、今更気が付かされました。
顔をちゃんと写さないことでさりげなくミステリとして興味も持たせるのもよかったです。
魂が揺さぶられる名作!
久し振りに魂が揺さぶられるような思いのする映画に出会えた。
特別養子縁組制度について、子どもを差し出す側とその子どもを受け入れ育てる側の双方の心情が丁寧に描かれている。
不妊治療など苦労してようやく子どもを授かった親、子どもが欲しくても様々な事情から断念した夫婦、流産や中絶を経験している女性…そういう人たちにとってかなりセンセーショナルなストーリーだと思う。
俳優陣も永作博美、井浦新ともに期待を裏切らない演技。そもそも「八日目の蝉」で同じように複雑な立場の母親役を好演した永作を観るのが目的だったのだが、実際は蒔田彩珠の演技に釘付けになった。また一人凄い女優が出てきたと思う。さすが尾野真千子を見出した河瀨直美監督!と唸った。
ラストはきれいごとに終わっている感があり、現実はもっと厳しいと批判的な意見もたくさんあるようだが、僕は希望の持てるエンディングに納得し安堵し、そして涙が出た。
人生において子どもを育てるということとは
子育ては本当に大変なことで偉業である。人はなぜそこまでして子どもを生み育てるのか。
娯楽に溢れ、家族を持つことイコール幸せではなくなった現代に、その価値を問う物語。
河瀬直美監督の“役積み”により感情変化をじっくり丁寧に撮った作品。永作博美の悲壮感漂う演技が素晴らしい。
養子縁組など実際の当事者に話をしてもらったかのようなドキュメンタリータッチの演出で、以前の『光』を彷彿とさせる。
幸せのために子どもを生んだのに子育てに疲弊する家族という病のニュースや映画を最近よく見るが、子どもを持てることがどれだけ尊いことか、命の重さを改めて痛感させられる。
森林の描写は、自然は誰の子孫だとか関係なく全体で育んでいく象徴だからだろうか。
あらすじとしては、「子どもができない夫婦が養子をもらい幸せに暮らしていたある日、本当の母親が現れる」と簡単に言い表わせてしまうものだが、お互いの人生をそれぞれの視点から描きながら、それらが交わっていく時間軸を行き来しながら最後まで謎も引っ張る見事な構成。
子を持つ親としては、要所要所で涙腺を持っていかれた。
おやじギャグ
タイトルがおやじギャグ。
ドキュメンタリー風で映画とは言いにくい。
目新しさもなければオチもない。
一部の女性が見れば面白いのか、共感所がない。
良い点
新聞配達屋の主人がやさしい。
悪い点
導入の園での事件が本編とまるで無関係。
内容が無いよう。
肝心な所で甘い。
肝心な所で甘口に成る感。
既視感ある想定内の物語と演技を時間の切り貼りだけで新味です、では駄目だ。
この物語なら闇金ウシジマくんの書式で徹底的に辛口で撮ったらまだ楽しめたかも。
浅田美代子に漂う樹木希林感は買うか。
尤もらしいが、面白くない。
親と子双方からの血縁への執着を全肯定し結果何となく良い話に落とす甘さと古さ。
血縁への無根拠な執着こそが醜悪な地獄に至らしむるとした重要作、マザーと同年にこれか。
朝が来る
Sessionというラジオ番組で、紹介が有ったので、特別養子縁組制度にも関心が有り観ようと思ってました。映画の中に入り込み、完全に感情移入してました。ラストで涙が溢れて止まりませんでした。素晴らしい映画だったと思います。こんなに深い感動を感じたのは何年ぶりだろう? 原作の本も読んで観ようと思います。上映している映画館が少なく、調整するのが大変かも知れないですが、是非、映画館で観て欲しいです。
現実か、映画か
河瀬監督の作品は今までに何度も拝見しています。
昔は抽象的な作品が多かったですが、「あん」以降は映画の輪郭がはっきりと写し出されるようになり、20代の私が見ても理解できる内容になってきています。
その中でもこの作品はとても印象深く残りました。
役者の方々の演技なのか現実なのか曖昧なくらい自然な演技、それを支えるカメラワークが素晴らしいことは言うまでもありませんが、途中にある木々の映像、広島の牡蠣の養殖の海、その意味を考えさせられる流れに圧倒されました。
身近なこととして考えたことのない、不妊症、養子縁組、思わぬ妊娠、出産、全てが自分のことのようにリアルに感じられ、観賞後には心にずしんと重みが残りました。
何が正解なのだろう、何が彼らの人生にとってベストなのだろう、とまるで映画の中の1人に自分がなったかのような。
前半は夫婦の人生が映し出され、後半にひかりの人生が映し出されるのも、より心をえぐられました。
河瀬監督だからこそ織りなせる、演出のリアリティ。
映画のメッセージがより鮮明に心に響きます。
この作品は色々な人に見て欲しいです。
邦画はこの道をこれ以上追うな。
やりたいことはわかるし、できているのだとも思う。
映像としての品質は間違いないものだと思う。
しかしどうにも分からないし、入っていけない。
そこにある状況を豊かに表現してはいるのだが、状況はいつもただそこにあるものとして、一定の距離をこちらと保ち続ける。最終的にメッセージは届くのだが、結果こちらも一線引いた反応をせざるを得ない。その要因がリアリティの欠如なのか、多すぎる心象表現なのか、構成のディテール不足なのかは分からないのだけど。
まるでドキュメンタリーとも評されているが、ニュースやドキュメンタリーとドラマはまるで違う。
「伝える」という側面において、フィクションとして詰め切れていない感が拭えません。
あくまでスタイルに準拠する話。まぁ個人的な趣向も多分に含んでいます。
ただこのスタイルでいいんだと、邦画界が相変わらずこの道に甘えるのはもう勘弁です。
この監督の力量をもってしてギリです。
「サラリーマン見たことある?」と思ってしまう居酒屋シーンの奇妙さ。
顔に「自然」と書いてあるような永作博美と井浦新の過度に自然な演技。
突然マンガから出てきたように現れる借金取り2人のキャラクター。
ポスト樹木希林を順調に歩みはじめた浅田美代子。
作品を背負うには頼りなさが否めない歌のクオリティ。
意地悪な見方をすれば、こういった見どころもありますが、少し胃もたれしました。
映画館出てから暫し動けなくなった
くらい感動しました。
日比谷シャンテまで行って良かった
クリスマスイルミネーションが
心落ち着かせてくれた😌💭
気持ちの描写ひとつひとつが
とてもゆっくりと丁寧に、
さらに綺麗な景色と共に流れていきます。
長時間ですが、私はこういう河瀬監督が大好きです。
みんな自分の事で精一杯で
ひかりの「その後」を想像してあげられる大人が居なかったね。周りの目だけを気にしてる両親なんてダメの代表だよ。
当事者のひかりにとっては思い出でも何でもない、
しっかりとした事実。それも若すぎて自分の思い通りには行かない現実。最後の手紙で分かった本当に言いたかった事。
どんな気持ちを背負って生きてきたのか·····
不自由なかった家を捨ててまで独りで生きてきたひかり。
好きな人達全員が敵になった時、どんなに絶望しただろう。
考えれば考えるほど、切ない。
ちゃんと見渡せば味方は居るはずなのに信じる事も難しい·····
「ちびたん」だけが拠り所だったんだろうな、
10代の5年間と大人の5年間では全然価値が違うから。
みんなそれなりに一生懸命なんだとおもう。
朝斗だって一生懸命で、
広島のお母さんとしてひかりを受け入れてて
最後のひと言がちゃんと言えて偉い偉い!
あのひと言が聞こえたらこの映画は完結します。
エンドロールの最後まで堪能して頂きたいです。
ちゃんと、もっとハッピーエンドが待ってます。
個人的に今年見た映画の中のNo.1!
近くの映画館はあっという間に上映終わったけど最低あと1回は上映館探して観に行く予定!
監督・脚本・テーマ・演者全てが素晴らしい。
多分日本よりヨーロッパとかで評価される内容かな?主演は永作さんなんだろうけど僕からすると蒔田彩珠さんだわ…是枝監督の秘蔵っ子のイメージだけど末恐ろしい18歳!今後に期待しかない
親とは、子とは、家族とは、問いかけに心揺さぶられる
重い映画だ。
ドキュメンタリーと見紛うような演出。
観賞から2週間以上経っているのに、この映画のことが頭から離れない。間で他の映画も観たのに。
…河瀬直美、恐るべし!
特別養子縁組の制度を紹介すると共に、そこには二つの「対局の事情」が存在することを教えてくれている。
映画のストーリーは、産みの母を名乗る女が突然現れるサスペンスなのだが、養母(永作博美)と実母(蒔田彩珠)の両方の体験が丁寧に描かれていて、「対局の事情」を抱える二人の母親の両方に感情移入できるようになっている。
そして、時間と場所の組み替えが巧みで、上質のサスペンスでもある。
施設で、ある妊婦が取材を模したカメラに向かって、養子を待っている夫婦たちは唯一持てなかった子供を得ることで全てを手にするのだと、自分たちがそのお陰で助けられることは承知しながらも、不公平感を募らせている思いを吐露する。この涙のシーンは、子供を手放さなければならない彼女らにもやりきれない辛さがあることを示していて、胸が痛む。
育てられない親の子供を、産めない親の子供とする制度は合理的だが、人の心は割りきれない。だからこそ、浅田美代子演じる団体の主催者は、可能な限りの配慮をしつつ厳しいルールを課しているのだろう。
井浦新が無精子症と判明した夫の苦しみをにじませる。
特別養子縁組のセミナーで「来て良かった」と小さく呟く彼の表情と口調に、一縷の希望が見えた安堵が感じ取れる。
永作博美は、空港のロビーで泣き崩れる夫を抱き支える姿、赤ん坊を受け取って産みの親と面会したときのその産みの親である少女に向ける眼差し、友達を傷つけたと思い込んで謝る息子にかけるいたわりの言葉などで、深い優しさと包容力をみせる。
そして一転、産みの親を名乗る女に対して真実を見極めようと投げかける涙を浮かべた視線には、家族を守るという強い決意が表れている。
そして何より、蒔田彩珠が光っている。
なす術なく転落の運命を辿っていく少女の危うい姿が切ない。
純粋で、素直で、真面目な少女にはあまりにも過酷で、娘を持つ親である自分はいたたまれなかった。
最も蒔田彩珠に寄り添うべき母親(中島ひろ子)が彼女を責めるのだが、その心理は理解できる。理解はできるが、あの母親次第で少女の運命は全く違ったものになっていただろうと思うと、悲しい。
親とは、子供を信じて励まし支えていかなければならないのだが、思いどおりなならない苛立ち、無視できない世間体などから、いつの間にか親が子供を追い詰めてしまう現実。親である自分に「お前はどうだ?」と突き刺さる。
子供を信じ続けた永作博美と、蒔田彩珠を押さえつけようとした中島ひろ子は、母親像の対として描かれているようだ。
永作博美が蒔田彩珠を探し遂に見つけるラストのシークェンスは、この養母のできすぎなほど天晴れな行動に涙を禁じ得ない。
孤独で過酷な6年間を生きてきた少女に「朝が来る」のかもしれないと祈りに近い思いが込み上げる。
そして、エンドロールの最後、たった一言の台詞がとてつもない救いを示してくれるのだ。
…河瀬直美、恐るべし!
ドキュメンタリーのよう
良い作品でした。
映像の美しさも過不足のないセリフや描写もすごく良いです。
原作は読んでいないのですが、必要な描写の取捨選択が1つの作品としてすんなりまとまりがよく感じました。
ドキュメンタリーのように役者が自然な演技で派手ではない分、葛藤がわかる、感情の揺れが見る側に降ってくる感覚でした。
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