朝が来るのレビュー・感想・評価
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アサトヒカリ
原作未読。
素晴らしい映画でした。
なかなか見るのに、重い腰を上げられない映画でした。
重そうなテーマだし、川瀬監督だったから。
体調のいいときに見ないと引きづっちゃうかも。
と、思って。
以前、親の国籍が違う子を「ハーフ」と呼んでいましたが、
今は「ダブル」と呼ぶようになってきています。
なるほど。
生みの親と育ての親が違うことを、
隠すべき後ろめたい存在という発想自体が悪いのである。
不変と思われていた人間の愛情や感情は、
あるきっかけで脆くも崩れ落ちる。
それを普遍的に持ち続ける方がよっぽど
難しく努力が必要なのかもしれない。
変わらないのは、夜があったら必ず朝は来るということ。
そして朝には光が差し込むということ。
そう考えると愛情や感情を持ち続ける努力なんて
とても簡単なものに思えてくるのかもしれない。
長い
ベビーバトンに共感できない。
子供を待つ親の数に比しあの島の施設は小さすぎ。
個人的には子供は簡単に授かれないと思っているから、私がひかりの母だったら自分で育てるけど。ひかりがどうしたいのか聞いてあげないと。
少なくとも都心ではいきなり赤ちゃん一人増えても大丈夫そうだけれど地域の結びつきが強いエリアだと難しいのかしら。
この日はミステリーが観たくて作品を選んだのでなんだか肩すかし。
ちょっと盛り上がりに欠けるか
ストーリーもいいし、話の進行具合も良く飽きさせない構成ですね。あっという間。テーマも不妊からの養子縁組とホットな話題。
中盤以降は転落していく産みの親を見ていて居た堪れなくなりました。
それが育ての親と実の子(エンドロール後に子供のセリフあり!注意!)の言葉に最後の最後に救われる。
私は中学生の性交渉には知識があれば肯定派なだけに、そこの部分は掘り下げておらず旧態依然とした日本社会、親戚、学校対応などを描くのみなところがドキュメンタリーに近いと感じてしまうのか。
そこに少しでも救いが欲しいです。
男子生徒を父としての苦悩を描くなど。
重いテーマだけにもう少しハッピーエンドくらいがバランス取れてるんじゃないかと思いました。
あ、原作があるからそうもいかないのかな。。
朝が来る。
このタイトルを観たとき、
このタイトルが意味すること、
いわんとしている事はなんだろうと思った。
それぞれに背負った運命。
満ち足りた幸せを
突然、まるで地球が逆回転したかのような運命を背負った人々。
だけど、それぞれに「朝が来る」
そんな事を想う、作品でした。
ゆったりと紡がれるお話
ずっと気になってて鑑賞
なんというか、ものすごく文学的に感じた。
キャストも相待って、ものすごくゆったりと話が進行していく感じ。
時間も飛びまくるし、場所も飛びまくるけどついていけたなー。
個人的にひかり役の女優さんが良かった。
安産なんて誰にも言われなかったの件が胸に響いた。
男子は出したら終わりか、、、
社会的サイクルに入れない人っていうのが題材の映画って考えさせられるよね。
72/100
若い母、ひかるに《朝が来る》そう信じたい。
河瀬直美監督は最近、パワハラ、暴力沙汰などの証言で
信用が失墜してるようです。
決して好きな方ではありませんが、「あん」とこの映画は良作だと思います。
作品とご本人は分けて考えることにします。
望まぬ妊娠・出産で人生を狂わせる14歳の女の子の人生とその後。
やはり傷つくのは女の子だと、悲しくて慟哭でした。
この映画は不妊のため「特別養子縁組」で、母となった佐都子(永作博美)と、
14歳で子供を産んで養子に出したひかり(蒔田彩珠)、
この2人を並行して描いて行きます。
前半。
佐都子と夫の清和(井浦新)が不妊治療を諦めて、ベビーバトンの
「特別養子縁組」により、ひかりの子供・朝斗を迎えて幸せな日々を過ごしています。
6年後、朝斗はすくすくと育ってます。
そんなある日、生みの母・片倉ひかりと名乗る女性から電話が来ます。
「子供を返して下さい、駄目ならお金を下さい」
そして中盤から映画は、片倉ひかりの14歳の出産とその後が、
ドキュメンタリータッチで細やかに描かれます。
14歳で素敵な男の子に告白されて、「大好き」と思い、
好きの延長で彼を受け入れる。
妊娠が分かった時には中絶期を過ぎて、島流しのように「ベビーバトン」の施設で出産。
そして数日で子供は取り上げられて、見知らぬ夫婦に養子縁組されてしまう。
ひかりの心に納得なんてあっただろうか?
両親は大事な子を取り上げた憎い親。
傷ついた心と身体で、学校で勉強なんか出来るわけがない。
河瀬直美監督はこれでもか!と思うほど、情景描写を入れて来ます。
佐都子の高層マンションからの高層ビル群。
川面を渡る水鳥。せせらぎ。
そしてひかりが出産する島に渡るフェリー船。
かったるいくらい風景描写が多い。
一度ドロップアウトしたら、本線に戻るのは至難の技です。
親や家族の後ろ盾を拒否したひかりは、転落の道をかろうじてとどまりそうだけど、
本当に危うい。
永作博美の佐都子の優しさと強さ。
佐都子と清和はきっとひかるのチカラになってくれると思う!!
「ベビーバトン」の精神指針。
《養子の子の就学前に実の母親を告知する》
それにしても、アメリカやイギリスの映画では、未成年の女子が
妊娠した場合、施設で出産して直ぐに養子縁組して実母の手を離れる。
そのテーマの映画は数多いと思います。
日本では内緒でホテルの浴槽やトイレで出産して、
「赤ちゃんポスト」に届けるならまだしも、
殺してしまう事件を多く聞きます。
(ひかりの実の両親の冷淡さにも驚きました)
(孫として迎える気持ちはさらさら無くて、世間体だけを優先する)
(人の親のする行為とはとても信じられない)
映画はラストを観たあなたに委ねる形です。
なにより題名が、希望を明確に語っています。
面白かったけどサスペンスではない。
ヤンキー風になってから、ひかりの顔隠してたのって視聴者にサスペンス風に見せる為だったんだ。話のあらすじは全然ミステリじゃないけど。
永作さんよりもっと若い女優さんの方がよかった。(40代前半くらいの)
カメラワークはドキュメンタリー風にするのか、映画風にするのかはっきりして欲しい。
あと、彼氏が高校生になった時一瞬出てきたけど、その後全く触れずで消化不良な感じだった。
あらすじや予告とは違う印象
ミステリーではない。あらすじや予告のお話に至るまでの産みの母と育ての母になるまでの経緯がドキュメンタリー風に描かれているという印象。前半はコーヒーを入れながら、スマホを触りながらという「ながら観」をしてしまいました。何かが始まるというよりは、どうしてこんなことになったのかという話。年頃の子どもさん達に是非みせてあげてほしい。どの子も愛され幸せになって欲しい。
特別養子縁組がテーマ。 とても重いテーマだけど、映像が綺麗で、重さ...
特別養子縁組がテーマ。
とても重いテーマだけど、映像が綺麗で、重さだけを感じない、最後は希望があるような印象。時折ドキュメンタリーを観てるようなリアリティ。キャストの演技もリアリティを感じて、すごいなと思った。
様々な立場の人々の想い。伝わってきた。
良い作品でした。
考えさせれる
テーマは本当に大事なことだけど、途中までドキュメンタリーかと思わせるくらいリアルな作りなのに、なぜいきなり家にあげる?警察はどうやって栗原家に辿り着いたの?最後どうやってひかりの居場所のアテをつけたの?とか野暮なこと考えてしまうくらい、リアルと虚構がマッチしてなくて違和感がすごい。エンドロール後のあの演出ためだけにそれまでの苦しみの描写がされたのかと邪推してしまう。映画としての美しさがない気がするので、うーん。
エンドロールの最後の最後までみて!
原作も監督も役者も素晴らしい。
『イイ話』では決してないけれど、色々と考えさせられる良作。娘を持つ親としては中盤からラストシーンまで涙涙で目が腫れた。。
育ての親の目線、生みの親の目線、どちらも丁寧に描かれている。
特に中学生で妊娠し、子をベビーバトンに渡す『ひかり』の感情をとてもよく表現している故、辛く悲しい。若くして妊娠、、というと家庭になんらか問題のある不良の子が想像しやすいかもしれないが、ひかりは何ら普通のむしろ地味なタイプで、両親家族もいたって普通のどこにでもある家庭。(普通の)初恋の相手と恋をして、想い合って体の関係を持ち、結果的に妊娠してしまう。
妊娠さえしなければ、もしかしたら微笑ましいこと(中学生で体の関係を持つことは一般的には早いのでしょうけど)かもしれないのに。妊娠ですべてが一変する。家族との関係、彼との関係、進路、人生。
親は、産んで(気づいたときには既に中絶ができず)里親に出し、高校受験にも間に合うとひかりに言うが、子を宿し10ヶ月の月日をベビーバトンの施設で過ごし、そして出産を経て、子への母性を感じてしまった彼女には、もうそれをなかったことになんてできないのだ。身内との関係も悪化し、家を出て新聞配達するひかり。妊娠がなければ、進学校に進み全く違う人生だったろうに。妊娠させた彼の人生には大きな変化がないのに。
『バカだったから』と一言で言うには辛すぎる現実。
でもひかりには、振り返っても育てることはできなかったのだ。
育ての親(永作博美)は、息子を愛し、また生みの親の愛も子に伝えていく。
けれど、ひかりとの何年越しの対面で、変わり果てた容姿と金銭を要求し脅迫まがいの電話をするひかりに、中学生のときの面影はなく、ひかりではないと断言する。
こうなってしまった背景がまた泣けてくる。
どうして闇金みたいなのに盗んだ金渡しちゃうの(涙)
妊娠騒動を経て、信頼できる大人や周囲との関係が断たれ、また自身で判断できるような経験や知見もなく未成熟。そういった子になってしまったのも、すべてあの初恋の末路からかと思うと本当に心苦しく。
ラストシーンと、エンドロールの最後に、この映画の救いがあるのだけれど。涙がとまらん。
中高生(男女)に見てもらいたい。我が子が中学生になったら見せようかな。
ただし、10ヶ月の妊娠期間にはつわりや苦しいことがたくさんあって、出産は命をかけた壮絶な痛み苦しみが伴うことは、この映画内には含まれていないということ、大好きな相手とセックスをすることが悪ではないということ、そういうこともきちんと伝えていかないとな、と考えさせられた。
『この子が生まれてこなければよかった』と少しでも思う可能性があるうちは、妊娠してはいけない、ということかな。
養子縁組で迎えた子供
永作博美扮する栗原佐都子は、子供のトラブルで幼稚園に呼ばれた。相手の親は治療費を要求してきたが佐都子は取り合わなかった。佐都子の夫は無精子症で実子は無理だったので、苦しんだあげく養子縁組で迎えた子供だった。一方、子供の産みの親が子供を返してくれと脅迫して来た。
なかなか重いテーマだね。子供が欲しくても出来ない夫婦は周りにもいるし、子供を育てられない親もいるだろう。ましてやその子供をネタにされるのは生きた心地もしないくらいじゃないかな。まともな親子関係でも色々あるから子育てだけでなく、進学、就職、結婚と人生問題かかえて生きていくんだからね。人生転落するのも早いよ。加速度的だよね。
希望
途中、ドキュメンタリーのような雰囲気になってちょっと不思議な感覚。ひかりの経験した初恋があまりにも悲しくて胸が締め付けられました。
大好きになった少年との幸せな時間に爆弾が落ちる。
そして盲目に信じていた少年との絆は、不確実なものだっと、永遠ではなかったと徐々にわかってしまう。
悲しくて苦しい…
ひかりの家族も受け入れきれない。どうすれば良いのかわからない。でも愛がないのではないと思う。
一方で、子どものできない夫婦は、悩んで熟考した上で里子を取る。不安を抱えながらもゆっくりと、2人で進んでいる。私には理想の夫婦に見える。
2人の問題も辛いけど、そこにはお互いを信じる絆があるから、本当に大切なものが何なのか経験から知っているから乗り越えて行けるのだと。
最後に、佐都子がひかりの書いた手紙の中に消した言葉を見つけ、彼女を探して会いに行く場面は希望です。号泣です。
どうか、ひかりが自分の生き方を見出せますように。
手を差し伸べる人に気が付きますように。
家族を振り返り、許す事ができますように。
私としては、ひかりの相手の少年を含めて話す場面を見たかった。
だってこれは2人の問題なのだから。
中学生や高校生に見てほしい作品。
永作博美、浅田美代子、蒔田彩珠、井浦新も素晴らしい演技だと思いました!
胸がグググっと苦しい、けどこれは必要な痛み
2022.38本目
構成がすばらしい
時間は長いけど、全然飽きない
前半パート、自分に境遇が似ている、というか今後家族をつくっていくという自分の立場を重ねて激しく感情移入した
前半だけでも十分ドキュメンタリーとして人生ドラマがあるなと思っていたのだけど、
後半、「あ、これはひかりちゃんの物語だ」と思った。衝撃。
役者さんたちがみな好演で、しぐさや言葉が自然で、ドキュメンタリーのような、そこに存在しているかのような質感だった。
「子どもが親を選ぶ場所」気に入った
良い面だけではない、現実的な暗い面を見せるのが、好印象だった
朝の景色から感じ取ったこと
この映画のテーマはたくさんありすぎてまとめられないんだけども、、
中学生で妊娠
体裁ばかりの家族
好きな人との赤ちゃんを手放してしまったこと
ベビーバトン
ひかりちゃんが消えてしまいそうだった。黄色のスカジャンが悲しく目立つ。
何で私がこんな目に?頭が悪いからじゃねーのか。のやりとり。
言わせておけばいい。
ひかりちゃんは素直で優しかっただけ。その正体の一部は母性だと思う。
私は佐都子さんと朝斗君がこの先ひかりに明るい道を作ってくれる人なのだろうなと解釈した。鳥が気持ち良さそうに飛んでいる早朝のシーンが沢山出てきた。フェリーのシーンでも。ひかりちゃん、あなたもいつか元気になって羽ばたいてね。
なんて、自然と応援したくなるような、佐都子さんにありがとうを伝えたくなるような余韻の残る素晴らしい映画でした。
違和感だらけなのに泣いた
映像・音楽・演技 本当に素晴らしかったです。文句なしで最高でした。
特に印象に残ったシーンは養子縁組の説明が終わってカーテンを開けるシーン。
ただカーテンを開けただけですが、それまでの不妊の暗い話から、一気に明るい展開に向かうことが示唆されていて、本当に上手で素晴らしかったです。光の表現にも強いこだわりを感じました。
若者のベッドシーンも、あえて肌をアップで撮影することで、違和感がないどころか、神秘的な初体験を上手に表現していて、流石でした。普通ならば事後までシーンを飛ばすか、布団をもぞもぞさせて終わることも多いと思いますが、それだと一気に事務所NGだったのかなとか、冷めてしまうところを、撮影手法によって見事に昇華したと感じました。
冒頭の、女性のりきむ声から入って、海を見せて、島に進んでいくところも開始数分で監督の力量が凄まじいことを表していました。本当に上手でした。
他にもいっぱいありますが、とにかく監督の力量に魅せられました。
出産のシーンがなかったのですが、今回の話の流れからはその意図が少し分からなかったです。
妊娠期間は長いです。10ヶ月あります。だんだんと人間の形になって、お腹も蹴ってきます。
そして数時間かけて産んだ瞬間、初めて「声」が聞こえて、命を感じて、「顔」を見て、一気にお母さんの感情が爆発しますよね。驚き、嬉しさ、安堵、不安、、、など。ここで今回の女の子は、さらにその子を誰かにあげなければならない、という辛さがあると思いますので、「え、ないんだ」と思ってしまいました。
脚本については違和感が多く、少し感情移入がし辛いところがありました。原作を読んでいませんが、そもそもそういった話なのかもしれません。
・脅迫をしてきた相手を、なぜ家に呼ぶのか?普通喫茶店とかでは?
・14歳の子供に、出産を許可させた上で、さらに高校受験させる親がいるか?
(絶対に堕ろさせようとしていた母はどうして急に許したのか)
・職場に来ないだけで警察が動くのか(犯罪をしているかと思った)
・警察が見つけられなかったのに、なぜ簡単に会えたのか
何よりも永作さん演じる母親が最後あんなにも号泣するのが違和感ありでした。
金目的かもしれませんが、我が子を奪いに来て、あの風態であれば、二度と関わらないで欲しいと思んじゃないでしょうか。
ましてや会いに行かせるなんて信じられなかったです。
そんな違和感があるのに、演技や演出がうますぎて何度も泣いてしまいました。
産みの親育ての親
中学生で妊娠してしまった生徒
生んで里親に預けることに
…子供を望めない夫婦
子供が望めない夫婦にとって
宝物のような赤ちゃん
愛情たっぷりに育てている
そこに産みの母親が現れてお金を
ゆすりに訪れる
新たな人生を送れていなかった
この夫婦に育てられ
…とってもありがたいことなのに
そして生んだ子供と会わせてもらえるなんて感謝しかない
生んだ子に〈あいたかった〉と言われたら…
永作博美の好演で
いい仕上がりになっている
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