「いつまでも余韻の残る素晴らしい映画。」朝が来る M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)
いつまでも余韻の残る素晴らしい映画。
それぞれの置かれた辛い、困難な状況の中でどう対応し、どう声に出して自分を伝えていくのか、思わず声に出してしまうのか。
思いのまま人を傷つける人たちが周りにいる中で、真摯に向き合う主人公役の永作博美。そしてもう一人の若い女性の蒔田彩珠。二人の表現力にはとてつもなく心に残った。
葛藤の中の不安、恐れ、本当に真実の心から言葉が発せられている。声、表情、リアリティさに脱帽した。
自分だったらどうするのか。どう接したらいいのか。問われている感じがした。真実のドキュメンタリー映画を見ているようだった。2時間強の映画だったが、ずっと緊張が続き目が離せなかった。
何が正しい選択になるのか。
最初の頃に出てくる夫役の井浦新の「この家には親になれる人がいる。」「家族をつくりたい。」のセリフは、この映画、また現実の世界に生きる夫婦、家族にとって、心の奥底に持ち続けなければならない言葉だと強く印象に残った。
河瀨直美監督の作品は過去いくつか見たが、今回がベストで、私が近年見た映画の中でもいつまでも余韻の残る素晴らしい映画であった。
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