劇場公開日 2020年10月23日

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「蒔田彩珠に全幅の信頼があるからこその光、ドキュメンタリーのような温度が身に染みる」朝が来る かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5蒔田彩珠に全幅の信頼があるからこその光、ドキュメンタリーのような温度が身に染みる

2020年11月8日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

鑑賞してから一度整理することで、もう一度見えてくるものがあった。ドキュメンタリーのような温度で迫る、試練と過程の末の交錯。容赦ないからこそ映るものがあった。
養子縁組によって育てることができた母と、養子縁組によって子を育てることができなかった母。衝撃の再会までの過程を埋めていく。養子縁組の制度には、「子は親のもとで幸せにする権利がある」一方、親になれなかった母を幸せにする制度は、ない。真面目で純粋だった彼女は、拠り所を失い、さ迷い続ける。ドキュメンタリーのように綴っていくため、救いはない。だからこそ、別人のような彼女が形成されていく。その過程を知るのは、観ている我々だけであり、途方に暮れるほど重い時間が続く。しかし、誰のもとにも太陽の光だけは、降り注ぐ。
朝が来る、その意味を再考してから初めて見えてくるものも多いこの作品。語るべき作品だ。

たいよーさん。