劇場公開日 2019年9月6日

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「生きていてこそわかること」ラスト・ムービースター カルヴェロ1952llさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0生きていてこそわかること

2021年5月11日
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笑える

知的

難しい

私も55歳になった、もう若くないと自分に言い聞かせなければならない歳になっている
ただ、まだまだ諦めたくはないので悪あがきは今もこの先もできる限り続けていくつもりでいる
この作品の主役ヴィックを見ていると私の父の姿とダブってしまう
まだ元気だがいろいろと諦めていて家から外に出ることも殆どないのだ
今の私はそんなの嫌だ、まだまだ諦めないぞと思うが父の歳になり身体が不自由になった時、はたして同じ気持ちでいられるか疑問だ

この作品でヴィックは若き自分と話しているシーンがある
若きヴィックは生き生きとして自由奔放で怖いもの知らず
年老いたヴィックはその先の事まで全て知っている
自分が今まで間違いだらけだったことを知っている
若きヴィックに何を言っても言うことを聞かないことも知っている

私の父も若い頃はそうだった、誰の意見も聞かず一人で商売を始めてそこそこ忙しく毎日羽振りよく事業は上手くいっていた時もあった

ヴィックはレイノルズであり私の父でありいずれ来る私の姿でもあるのだ
その時私は若き私と話せたとしたら何を言ってやれるだろうか
いや、まだ遅くない「今」この気持ちになっていることを大切に忘れずにこの先を進んでいこう

『この先からはラストシーンについての感想になります
見てない方はご注意下さい』

バート・レイノルズは最後の最後に笑ったのです
彼はまだ諦めていなかったのだと、まだ明日を見ているのだと思うのです

カルヴェロ