Winnyのレビュー・感想・評価
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もっと面白くなりそうなのに
記憶に新しいWinnyを巡る裁判劇の映画化。
なんとなく事件の内容は知っていたけれど、本作で描かれた金子さんの想いやこの事件が無罪になったことの意義は初めて知り、エンドロールのご本人のメッセージには胸を打たれました。
東出さん演じる金子さんの再現度も素晴らしく、天才が巻き込まれた不運に対しても前向きに向き合う強さや純粋さ、プログラマーへの想いが伝わります。
テーマや俳優陣は素晴らしかったのですが、同時進行で描かれる警察の汚職事件との関連性の分かりにくさ、ぶつ切りに感じる演出など、映画作品としては不満も多く
、事実を伝えるだけでなくエンタメとしても楽しめるものにしてほしかったなと思いました。
もっと闇ありそう
天才プログラマーのドキュメンタリータッチ作品
出る杭が打たれても負けない時代となるために
はたして彼は英雄か?
同時代にネットをやっていたけど、2chに始まる、チョイアングラ系の文化の軽いのりは、なんとなく合わなかった。
そんな中で、2chに端を発したWinnyが世の中で喧伝され、日本のインターネット空間をみるみる蔽っていった。ネットを普段使わない人達がどんどんWinnyを使うためにネットを始めているのをみていると、やはり違和感を感じざるを得なかった。
この映画では、47氏(金子勇氏)の一途な技術的な興味に駆られてWinnyを開発してしまった様子が描かれていた。技術屋の悲しい性とでも言うような描かれ方だった。映画としては面白かったし、雑に扱われている印象もなかった。その点では映画として面白かった。法廷論争の流れも興味深いものだった。
Winny事件のウィキペディアでも書かれているが当時の空気として、47氏(金子勇氏)の開発動機は面白半分的な意図があったと私は感じていた。だから、天才・英雄として祭り上げることは少し違和感がある。(映画では、決して煽っているように描かれていない)
ただ、彼が立派だったことは、最高裁まできちんと争い無罪を勝ち取ったこと。もしこれがなければ、将来の技術者に禍根を残す事になってしまっただろう。
久しぶりに、2000年頃のPC、WindowsXPかな?を見ることが出来た。随分と遠くまで来てしまった感が否めない。
この戦いが無ければもっと日本は落ちぶれていたかもしれない
真摯で誠実な作風
魔女裁判とパンドラの箱
警察の悪いところ
2002年、データのやりとりが簡単にできるファイル共有ソフトWinnyを開発した金子勇は、インターネットの2ちゃんねるにソフトを公開した。公開後、シェアを伸ばし大量の映画やゲーム、音楽などが違法アップロードされ、社会問題となった。違法コピーした者たちが逮捕される中、開発者の金子も著作権法違反ほう助の容疑で2004年に逮捕された。金子の弁護を引き受けた弁護士・壇俊光は、金子と共に逮捕の不当性を裁判で主張したが、第一審では有罪判決を下されてしまった。そして、上告し、7年後最高裁で無罪を勝ち取った、という、事実に基づく話。
この例に限らず、日本の裁判は誰のためにやっているのか疑問に思う事が多い。国民の為じゃなく政府、官僚、公務員のためなのか、って感じる人も多いのではないだろうか。
最高裁で無罪になったのは良いことだけど、そのため彼のような天才クリエーターが能力を発揮する機会を奪ったことの保証は何もない。何とも虚しい感じを受けた。
東出昌大はこういうオタオタした役が上手い。
吹越満はさすがだった。良かった。
木竜麻生が紅一点で存在感有って良かった。
吉岡秀隆が演じた警察官について、実際の人に興味が湧いて調べたら、定年まで警察に勤め出世の芽を摘まれ、あの後も苦労されたのがわかった。
赤信号、みんなで渡れば怖くない、なのかなぁ、警察の悪いところが多少でも改善されるきっかけになれば良いと思う。
近過去から眺める、今
めちゃくちゃリアルタイムなはずだが、Winny騒動のことはあまり記憶にない。ちょうど組んだばかりのバンドで日本全国を毎晩のようにライブして回っていた頃のことだからだろう。インターネットとは対局のフィジカルな現場に、自分はいた。2004年。この映画の中心人物であるWinny開発者・金子勇氏が逮捕された年。
作品は実名で描かれるその金子氏と、彼を擁護する弁護士・壇俊光の友情ギリギリ手前の関係、そして冤罪に近い形で彼を有罪にしようとする警察との攻防を中心に描く。
シチュエーションは警察署、弁護士事務所、裁判所など、古びた屋内が多く、全体をどんよりと暗い閉塞感が支配している。見方によっては、この抜けの悪さが、隆盛を誇ったはずのソフト産業がデータ交換に取って代わられる時代の沈痛さを反映しているようにも思える。
そんななか、主人公・金子が見つめるのは自由で明るい未来。彼が腐心するのは開かれた社会へ向けてのソフト開発であり、犯罪的なことではなく未来へのまっすぐな眼差しから来るのだということが強調される。
オタク的な没入タイプの性格だが、より良い世界を見つめるやさしいソフト開発の天才という難しい役をバッチリ演じ切った東出昌大は見事と言うしかない。
三浦貴大演じる、熱い正義感を抱える弁護士。彼の現実と理想との狭間での葛藤もエモーショナルでよかった。
脇を固める、渡辺いっけい、吉岡秀隆、吹越満、渋川清彦ら名優陣がドラマの説得力を裏付けた。
気を衒わず、オーセンティックな作りの中に、じんわりとした緊張感がみなぎる演出が施されている点にも好感が持てた。
事件から二十年近くが経ち、金子氏が夢見た自由なファイルの交換によって著作物がやり取りされる時代に、我々はいる。劇中触れられる『1984年』のディストピアではなく、望む情報をだれもが手に入れられる社会だ。
映画や音楽のサブスプリクション・サービスの原点のひとつはこのWinnyにもあるのかもしれない。そう思うと、この近過去をもう一度見つめ直す重要性にも気づく。
良かった
金子勇に興味があったので観ました
冒頭の47氏の投稿シーンは
なんか鳥肌立ちました
歴史に立ち会えたような感覚なんですかね笑笑
私はPCは好きだけどプログラミングはさっぱりなので、尊敬しております
友人に彼のような少年時代を過ごしていたのがいるので、笑ってしまった
開店と同時に電器屋のマイコンにプログラムして動作確認をするのが全く同じ
この映画は事実を忠実に再現していると伺ってます
本当であるなら、警察の変なプライドのために
才能ある、一般常識に欠ける人を騙して
日本の技術開発を遅らせた方が罪だったのでは?
Winnyの脆弱性の改良くらいさせた方が良かったんじゃなかろうか?
革新者と権力は黎明期には対立するもんなんかなぁ
頭が硬いというか、なんというか
有罪になった後の無罪になるところまでが描かれてなかったのは主張が同じだから端折ったんですかね
そこも観たかったなぁ
エンドロールのインタビューでは
涙出ちゃいました
この後の残された時間を
知ってるからなんだろうけども
東出さんはこの役にハマってましたね
腹もぽってりしててなかなか良かった
出る杭は打たれる
いくつか気になる点はあるものの、当時の状況を真摯に描いた姿勢に好感が持てる一作
2000年代初頭に社会問題にまで発展したファイル共有ソフト、「Winny」とその作者、金子勇氏に対する検察の捜査と公判の推移を描いた物語
。東出昌大扮する金子氏と三浦貴大扮する壇弁護士が物語の主軸となっているんだけど、そこに愛媛県警の仙波敏郎巡査長(吉岡秀隆)の挿話が、絡みそうでなかなか絡まないという微妙な形で差し挟まれてきます。
映像は小道具に至るまで、ノスタルジックさも残しつつ結構現代とも繋がっている、という過去感覚を絶妙なさじ加減で描いています。金子氏の家族も驚いたというほど役作りに励んだ東出昌大の、派手さはないが引き込まれる演技も良いけど、三浦貴大による壇弁護士の演技は、いかにも血気盛んかつ有能な若手弁護士らしい振る舞いで、非常に見事。特に金子氏に要所要所で振り回される時の困惑顔と絶妙な間は素晴らしいです。
雰囲気づくりを重視した映像の調子は全体的に調和がとれているんだけど、特に検察側の描写において、極端に照度を下げているのはやややり過ぎ感もありました。検察を「悪の組織」として強調したいんだろうけれども。
また金子氏はもちろん、多くの登場人物が実名で登場し、不祥事を起こした県警、府警もそのまま登場しているのに、報道機関名だけは架空の社名である点はやや違和感でした。このあたり、どういう意図や必然性があったのか、制作側の事情を知りたいところです。
法律事務所の若手に初歩的な質問をさせて、それにベテランが回答していく、という形でそれとなく当時のインターネット事情や著作権関係の法律知識を持ち合わせない観客に対して基礎情報を示す演出は親切ではあるんだけど、ちょっと若手の、特に女性職員の描き方が定型的で、制作側の認識の旧さを感じました。こうした描き方は現代に通じるように刷新して欲しいところでした。
いくつか気になる点はあったものの、派手な見せ場もないのに物語の推進力を維持する脚本と演出は見事だし、法廷劇としても見応えがある(というか率直に面白い)ので、十分に楽しめました。ただ「Winny」や「ファイル共有ソフト」、「2ちゃんねる」と言った当時のインターネット空間で鍵となる要素について全く前知識がないと、物語の導入部から理解が難しいと思うので、これらのキーワードを検索するなどしておくことをお勧めします。もっともWikiなどの包括的な情報源だと、物語の結末まで知ってしまう可能性が高いので、鑑賞の楽しみを取っておきたい人は、この点注意しましょう!
あくまで劇映画なれど真摯な作品かと─
正直、多少ドラマチックすぎるのではと思うところはあります。でも、そもそもの前提は・・・と強烈に思い起こさせてくれる、真摯で誠実な作品だと感じます。
そういえば、少し話題になっていたなぁこのニュース、なんてぐらいの記憶しかないのですが、こうして振り返ってみると、ドラマの内容云々など関係なく、この事件の前提自体が奇妙に思います。でも、当時はそんなことなど全く思わず、無料で・・・とか著作権侵害で・・・とかウイルスが・・・とか、Winny自体には全く関係のない事柄だけが目立っていたと思うわけで、だから争われている本質を全くつかめていなかったと、改めて思い知らされます。
じっくりと作品を見て違和感に気づく、というのではなく、もう少し見ただけでその理不尽さを見いだしたし、それ故にかなり見入りました。
全然関係のないと思われる事件などもうまい具合に絡ませた展開だったので、なおさら面白味を感じました。
事件のその後など知らなかったことも知ることができたし、見る価値をすごく感じた作品でした。
確か、、携帯はあったけどスマホない時代。
私はPCスキルのない人間です。当時も今もメールとかネット位しか使ってないのですが、このニュースは覚えてます。開発者の人となりを知らなかったし、今は当然になった考え方をいち早く取り入れていたことなど知る由もなく、、お恥ずかしいはなしです。
実話なんで、モヤモヤとした終わり方も仕方ないですが若い開発者達に自由に想像、創作の羽を広げさせる環境って大切だな、、とか色々問題になるネットの匿名性の問題も考えさせられます。兵庫県警の告発話と並走させたのは上手かったと思う。当時はたから見てて、そんな関係性のある話題だとおもえなかった。
東出君の出演作はなかなか面白い物が多いように思います。がっつり山で反省して大作への復帰を期待しています。
もっと期待してた…
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