「エンドロールのための素晴らしきプロローグ」Winny ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)
エンドロールのための素晴らしきプロローグ
著作権法違反幇助の罪で逮捕、起訴された、ファイル共有ソフトWinnyの開発者金子勇氏の裁判闘争を描く作品。PCに詳しくないですが、ナイフで人を刺しても、ナイフを作った職人が裁かれるのではない、との喩えはとても分かり易い。新しい技術を開発する人たちが無用な司法リスクに晒されない済む、この当たり前のようで画期的な判決の意義は大きかったと思います。エンドロールで、今は亡き金子氏本人のインタビューが流れます。最高裁で無罪を勝ち取った直後に撮影されたもののようですが、決して奢らず、飾らないお人柄が滲み出ていました。健気ですらありました。このような開発者の皆さんのおかげで私たちが新しい技術の恩恵に浴することができることに改めて感じ入ると共に、ちょっと変な言い方ですが、正にこのエンドロールのために、この2時間の作品が必要されたのだと感じた次第です。金子氏役の東出昌大さんは安定の好演、それと弁護士壇俊光役の三浦貴大さんは初めて拝見したのですが、表情が豊かで顔芸が何とも良かったです。胸を打たれる作品でした。
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