シークレット・スーパースターのレビュー・感想・評価
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感動して涙が溢れました🈵
未だにあれだけ酷い男尊女卑のインド社会の実情がよく描かれてます😵
そんな中で、自由を求めて、自分の生き方をしようと奮闘する少女と、自分を犠牲にしてでも娘を必死に支えようとする母親の姿を描いた映画です🙆
夫からあれだけのDVを受けながらも、夫がいなければ生きて行けないと、離婚しようとしない母に、何とか離婚させようと必死に訴える娘。
娘のために大事なものを処分して買ったために、夫から激しい暴力を受け、さらには買ったものを躊躇なく壊させてしまう傲慢な夫。
女性が自由に好きなこともできない中で、何とか思いついた方法が、顔を隠して歌を歌い、それをネットに公開すること。
一躍評判になったものの、それを許さない父がいるので、この先どうしていいかわからない💦
そんな状況で、主人公の少女が好きな歌を歌うために奮闘する姿と、それを必死に支えようとするけなげな母親の姿に心揺さぶられました😊
最後に母親がとった行動には、見事に驚かされましたが、スカッとして感動の涙が溢れました😂
現実を変える勇気を持とうという応援歌
歌手を夢見る少女が、動画サイトに歌を投稿した事から、世界が変わるシンデレラストーリー
なんかこういうの最近見たぞ…。「ハーツ・ビート・ラウド」は、まあ夢見がちな父親を現実に向き合わせる娘の話だったけど、やはり今時のムーブメントはネットから始まるのだなぁ。ほろ苦く終わったあちらに対して、大成功でハッピーエンドらしき本作は、お国柄という所かな。
…などと思っていたら、大分様子が違った。
まあ、少女のサクセスストーリーである事に間違いはないが、本作で強固に描かれているのは、インドに於ける、現代も根強い女性軽視の現実と、諦めず希望を持って、考え、行動し続ければ、その状況を変える事が出来るかも知れないという応援歌。
だから、彼女はサクセスしなければいけなかったのだ。授賞式とか、ご都合主義に思える部分も無くはないけど、この結末で正解。
インド映画は本当に、社会や現実の問題提起を、明るさと希望を持って、しんどくなりすぎないように描くのが上手い。
洋服やカジュアルな時計を身に付け、携帯やパソコンを扱い、アイドル番組に夢中になる。どこの国でも同じなのね、とウンウン頷きたくなる若者の姿。気が強く、小生意気で、でも賢くて、勇気があり、若々しい夢に溢れ、反発しながらも、母と友達のように仲好しな主人公のキャラクターが、現在のインドのリアルを感じさせる。
悪態をつき、ケンカしながらも、深い愛情を抱く家族への想い。構ってくる同級生男子への辛辣な撥ね付け。ままならない現実に、荷物を叩きつけ、壁を殴り蹴りつけて憤る姿。友情と恋の間の甘酸っぱい距離感。不満や不公平を感じながらも、親に従うしかない未成年の無力さ。
思春期のあるあるが間をおかず襲ってきて、思わず、頑張れ、元気出せ!と、拳を握らずにおれない。
プロデューサーに見出される経緯も、スキャンダルで業界に見放された彼の最後の手段という事で、それなりに理屈が通っていた。もっと夢物語かと思っていた。
主人公以外の登場人物のキャラクター付けも良い。気が弱く無学で夫に逆らえないが、最後は娘の夢を守る為毅然と立ち向かう母。ケンカもするけど無邪気に姉を慕い、家族の軋轢に心痛める幼い弟。妻と娘を見下しDVを働く父親の、徹底して悪者としての描かれ方も、諦めるな、立ち上がれ、の主題を際立たせるものなのだろう。
弱く愚かだと思っていた母の、娘を守る為の知られざる闘い。
本当のシークレット・スーパースターは誰だったのか?
涙目でジーンと余韻に浸っていたエンドロール。いい雰囲気をぶった切ってダンスでゴキゲンなオチを付けようとするのが相変わらずのインド映画っぷりで、思わず笑いを声に出してしまった。
あーあー、まったくもう。いや、まあ、そんな所も嫌いじゃないけど。
笑いあり!涙あり!
インド映画は、素晴らしいね。
カースト制が未だ残り
男尊女卑だ!
その中でインシアは、厳しい父親から
バレないよう覆面シンガー、シークレットスーパースターとして歌い出す!
そこへ、落ち目の歌手シャクティが絡み
映画は、進んでいく。
アミールカーンが、製作も兼ねていいね。
2人は、ダンガルでも共演してたね。
涙と笑いのいい作品でした!
単なる"スター誕生"と思いきや、母娘の感動ドラマ
インド映画として歴代世界興収第3位であり、日本でも同日公開の「劇場版 ONE PIECE STAMPEDE」と「ライオン・キング」を抑えて"映画初日満足度ランキング(びあ)"で1位を獲得した。納得の出来栄えである。
こんな素晴らしい作品なのに、たった1週間限定公開のところも多く上映館が少ない。当然、拡大上映・再上映の声は出てくるだろう。
インドの国民的な俳優で、監督でもあるアーミル・カーンのプロデュース作品。本作では出演もしている。
シンガーソングライターを夢見る14歳の少女インシアが、顔を隠して歌った動画を、親にナイショで動画サイトにアップ。その歌のうまさから膨大な視聴アクセスを記録する。ハンドルネームが"シークレット・スーパースター"だったため社会現象となり、やがて有名プロデューサーからアプローチがかかる。
現実でも、動画投稿サイトからメジャーデビューした歌手は("ヤラセ"も含めて)、国内外を問わず存在する。ジャスティン・ビーバーがその代表格だろう。
映画としては、いわゆる"スター誕生"のサクセスストーリー。一見、シンデレラ・ストーリーのように聞こえるが、本作には伏線があって、展開はひと味もふた味も違う。
まず、少女インシアの母親は父親からDV(家庭内暴力)を受けている。そしてインドの庶民的な中流家庭がリアルに描かれていること。同時にインド社会の抱える"貧富の差"も描かれている。
女の子が生まれることを望まない伝統的な考え方と、男尊女卑で家庭内暴力を振るう父親。就学の機会を得られなかった母親は文盲で、インシアのために"これからの女性には学歴が必要"と考えている。
一方でインシアは、勉学への興味よりも音楽的な才能に溢れているという悲劇。
父親に見つからないように"ニカブ"(イスラム圏の女性が頭にかぶる服装)で目だけを出して歌う動画を撮るインシア。どれだけ人気を博しても、歌手になることは両親に告げられない。それどころか厳格な父親は、成績がふるわないインシアのギターの弦を切り、歌うことを禁じてしまう。
またそんなインシアの才能に惚れ込む音楽プロデューサー、シャクティ・クマール(アーミル・カーン)がクセモノ。かつての名声で活動しているものの、いまは音楽業界から疎まれている。さらに女性問題を抱え、元妻との離婚訴訟も進んでいる。世間的にはこちらも”オンナの敵”である。
ところがインシアはプロデューサーのクマールに、レコーディングと引き換えに母親を救ってほしいと依頼する....。ここからが感動的な大展開のはじまり。
単なる"スター誕生"と思いきや、母娘の感動ドラマという意外性がすごい。
少女インシア役には、女子アマレスリングを描いた「ダンガル きっと、つよくなる」(2018)で幼少期の主人公ギータを演じていたザイラー・ワシーム。意外な歌のうまさが光る。「ダンガル」もアーミル・カーンの映画だったが、男女平等の考え方が急速に進む現代インドの女性を応援するという意味で本作と共通するところがある。
(2019/8/11/新宿ピカデリー/シネスコ/字幕:藤井美佳)
歌が自然なシュチュエーション
インド映画って、突然歌がはじまって面食らうんだけど(それが魅力かもしれない)、この作品は、歌手を目指す女の子が主人公なので、挿入歌に必然性があるのだ。すごい!
正直、主役の女の子はどうなの?って感じだったけど、周りの大人達が良かった。
大おばさんとお母さん、インシアと、それぞれの世代の女達。それぞれが苦しんでいる。女に生まれてきた時点で負けなのだ。不平等ですらない。土俵にすら上がれてない。
海外赴任もあるようなインテリな父親でも、ちょっと田舎に行けば こういう価値観が当たり前なんだろうな。横暴な父親と都会のスター、シャクティの優しさの対比がすごい。ユーモアも優しさも、余裕から生まれるのか。それにしても、父親には恐ろしいほど余裕が無い。この人もきっとシンドい人生送ってるんだろうな。
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