シークレット・スーパースターのレビュー・感想・評価
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面白過ぎる。
シークレット・スーパースター (2017)
本日の映画はこれ!
誰にでもお勧めできる笑えて泣ける名作映画の登場です。
『きっと、うまくいく』のアーミル・カーンが製作・出演したインド特有の社会問題も描いた人間ドラマ。
文句なく今すぐ見るべき映画です。
確かに都内で2館だけの上映は寂しいですが、今公開中の映画の中でもNo1の面白さ。
見て良かったと誰もが言える映画。
予告を見ると少女の歌手へのサクセストーリーに見えますが実はインドの女性差別や社会教育問題も絡めて
家族愛がテーマの真面目な物語。
ボリウッド映画にしては派手な踊りも音楽も控えめなのも初心者向けで楽しめます。
インドの名優アーミル・カーンの出演でこの作品が世界スケールの娯楽作品になってます。
上映時間はやや長めですから水分を控えてじっくり最後までご覧ください。
EDクレジット映像も笑えて必見です。
直球、だからこそ胸に刺さる
インド映画のおもしろいところは、自国の問題を浮き彫りにした作りにあると思います。「きっと、うまくいく」や「PK」、「パッドマン」同様、今回は女性軽視が主軸で、時勢にもあった作品でした。
ハリウッド映画では、不必要なまでに表現されている「女尊」ですが、あちらはただ声が大きいだけで、あまり心に響くことはなく、食傷を禁じ得ません。
しかし今作は、主人公やその母親が、父親に逆らえないという状況をこれでもかと見せつけてくれるため、とても感情移入がしやすかったです。気持ちのいいラストには、しっかりと泣かされました。
女性差別に関しては、ハリウッドよりもボリウッドに軍配といった感じでした。LGBTも、もしかしたら?
感動による号泣率はかなり高め。
そうさせるのも前半の容赦ないDVや学校での体罰。
それに加えギターもパソコンも奪われどうしようも無い状態からのサクセスストーリーには感動しかありません。
軽めなラブストーリーも本作では重要なポイント。
パスワードの胸キュン度はかなり高め!
「シークレット・スーパースター」というタイトルも本作にはとても良いです。
主役インシア役のザイラー・ワシームさん。歌メッチヤ上手いけど15才の設定には無理がありましたが歌のうまさでプラマイゼロに(笑)
場内は前後左右からすすり泣く人が。
タオルハンカチでは間に合わない可能性大( ´∀`)
リアルな現状を映し出し、希望を打ち出す物語
ムスリムの女性がインターネット上に動画をアップする事が現代社会で物議を醸し出している。
イランでダンス動画をアップした女性が逮捕されたというニュースは、日本に伝えられたので記憶に新しいが、もっと他にもこういった例はあると思う。(この例はヒジャブを付けていなかったことも問題視されていたが)
イスラム戒律に厳格な国や地域の場合、家族だけならまだしも、親戚までもが非難されたりする場合もあるくらい大変な問題に発展すると聞いた事がある。
数年前に観た、ソニータというイランのドキュメンタリーでも、対象者のアフガニスタン人の女の子は全てを犠牲にする覚悟でYouTube に自分の歌をアップする。
今回の主人公も同様に、容易で無いこの問題に立ち向かう。
戒律を守る為のエスカレートするハラスメントなど、ムスリムだからこそ考えられる様々な困難が起こるのがリアルで辛いのだが、本当に辛いのは1番現実を知っている母親だろう。
すべてを捨てる覚悟の母子愛は涙無しには直視出来ないもので、腹がすわった母親のあの表情に拍手を贈りたい。
余談だが、ソニータについて、ドキュメンタリーだけにどこまで本当だったのか?あの戒律の厳しい国でその後はどうなったのか?実は気になっていたので調べてみた。
ミュージシャンとしての彼女のSNSは今も日々更新されて、アフガニスタンの映画祭でソニータが上映されるという近況も確認できた。
こんなニュースから、現実にもムスリム女性の選択肢は増えて、一本しかなかった道は枝分かれしはじめたんだろうと嬉しく思う。
心をわしづかみにされた!
いろんな要素がつまった映画だった。夢、恋愛、親子、夫婦。現代的な要素(動画サービスから火がつくこと)もありながら、今でもそんな感じなの?と思うこと(DV受けても離婚することのない夫婦関係)もあったり…。父親の態度にかなりイラッとしてしてしまうが、それがあるからこそラストの感動につながっていく。
そのいろんな要素が絡まりながら、とても美しい物語に仕上がっていた。やはり美しい曲に美しい歌声が乗っかるとウルウルしてしまう。
こういうインド映画もいい。心をわしづかみされた!
濃くてクサくてハートウォーミングな、実にインド映画らしい作品
“3大カーン”が3枚目役になって、少女を助けるという展開は、「バジュランギおじさん」と共通するので、こういう作品がウケているのだろう。
このタイプの映画が出てくるというのも、インドという社会が、良くも悪くも画一的な日本と異なって、いろんな階級、慣習、文化、宗教を内包しているからではないのか。描き方によってはリスクがあるだろうが、映画の題材の宝庫なのだと思う。
DVを日本で映画にしようすると、かなり真剣で暗いタッチの映画にならざるをえないが、クソ男役のアーミル・カーンが、ど派手に助け船を出すというエナジー溢れる展開は、実にインド映画らしかった。
戦うインド女性の物語
ここのところのインド映画はスゴい。インドの古い因習をどうやったら打ち破れるのか、という戦いに挑む作品が続々と(日本)公開されている。
この映画はインシア(その由来にもグッとくる…)だけの闘いではなく、大おば様、お母さん、そしてそれ以前から続く抑圧との闘いであり、解放の賛歌だ。
「バジュランギおじさん」でも母親役をやっていたメヘル・ヴィジュが素晴らしい。
闘う女性への応援歌
後半まもなくのレコーディングのシーンでインシアの歌声に触れた時、前半描かれた理不尽さや閉塞感のすべてがインシアと共鳴し、思ってた以上に涙が溢れてしまいました。後はアミールのユーモアと怒涛のラストで思う存分‼️、心地良く感極まる状況に身を委ねてればいい、そんな至福の時間を過ごせます。
インドにおける歴史的な因習に囚われた差別、特に女性の人権の軽さや生き辛さは映画を通じてしか知らないのですが、インシアの母親の世代の多くは、自分で選んだわけではない配偶者と一緒になり、そのことについて疑問を抱くことができる程度の教育すらも受けることができなかったのだとしたら(もしかしたら今でも地方ではそうなのでしょうか?)、言葉にできないほど痛ましいことだと思いました。
そんな環境で娘を守ってきた母親であっても、追い詰められて心に余裕のない時のインシアからみれば 旧弊に縛られて発想の転換ができない、弱くて自分の夢の妨げになる存在に見えてしまう。
そんな母親やいつも自分に寄り添ってくれるボーイフレンドに声を荒げてしまった時の自己嫌悪(きっと心の中で私って最低‼️と叫んでいたはず)も上手に描かれていました。
『アラジン』のジャスミンと同様に、男性の作ってきたさまざまなしがらみと闘う女性への力強い応援映画だと思います。
男性は、慣習的な社会システムに依存した根拠の無い権威や暴力的な威圧で女性に対して優位に立とうとすることがいかに惨めで、周囲に害毒を撒き散らすのかをしっかりと認識させられます。
オススメです!
ダンガルが父の愛なら、こちらは母の愛。泣けるストーリー、美しい歌声、クスっと笑えるシーンもあって最高!安心して観れる映画です。主演の女の子はダンガルにも出てましたが歌も上手いのですね(吹替えでなければ)。
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