「もっと宣伝すれば良かったのに……!!」フリー・ガイ myuさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと宣伝すれば良かったのに……!!
知人と「映画を観に行こう」となったので、なんとなく面白そうな映画を探してここに辿り着いた。
この映画の存在自体知らなかったし、正直そこまで期待はしていなかった。
……のだが、こんなに面白いなんて!裏切られた!笑
THE 王道ストーリーではあるが、ストーリーへの没入感・矛盾の少なさ・コミカル要素・爽快感 のバランスが最高だった。
脇役にフォーカスを当てた作品は、最近増えてきてる気がしていた。でも、今作はそれだけじゃなかった。
ゲーム世界(ヴァーチャル)と現実世界(リアル)が、うまい具合に交錯している。実在しないモブキャラと現実世界の人間が、本当に恋に落ちてしまう。
そこに「人工知能」という要素が加わって、物語に更に深みを与えている。
個人的にはこの映画の肝は、終盤のガイとバディの会話だと思っている。
『俺たちはリアルじゃなくても、この瞬間はリアルだ』
観ながら、その台詞に思わず何度も頷いてしまった。
ガイには実体はなくても、心がある。
記憶し、成長し、画面の中ではあるが姿がある。
…それって、もはや「リアル」なんじゃないか。
実際にAIの開発が進んでいる昨今、この映画のテーマはとても現実的であり、将来AIとの関係がどうなっていくのかを想像させる素晴らしいものだった。
ガイの内面的成長は凄まじく、それは最後のラスボスとの闘いシーンに現れていたと思う。
攻撃でやっつけるのではなく、自分と同じように新しい世界を見せて目覚めさせるという革新的な解決法。
プログラミングされて動いているキャラクター達は、誰も悪くない。
みんなが幸せになるディズニー的なハッピーエンドは、やはり素敵だと思う。
そして、ガイがミリーに恋をした理由までもきちんとしている。歌いながら歩く美女だとしても、ガイは誰でも好きになる訳ではなかった。
予想通りといえばそうかもしれないが、しっかりとした伏線回収にもとてもスッキリした。
映像のクオリティ、規模にも驚いた。
2Dなのに飛び出て見える不思議。
時折、ゲーム「龍が如く」を思い出した。笑
ゲーム世界では、ミリーの顔がちゃんと加工されていて、その逆で、ガイや他モブキャラの顔はゲームの中でほぼ無加工になっているのも面白かった。
ガイ達にとってはゲームの中こそが現実だから、あえてリアルにしたのだろうか。
細部まで作り込まれていたので、もう一度観ても楽しめると思う。
エンドロールに書かれていたスタントマンの数の多さにも納得だ。
観終わった時の清々しさと考えさせられるテーマは、ここ最近観た映画の中でトップだった。
素晴らしい作品に出逢えて良かった。
にしても残念だ……日本でももっと宣伝すれば絶対興行収入上がったのに!!!勿体ない!!
偶然にも駆け込みで劇場で観れた私は、とてもラッキーでした!!!