スウィング・キッズのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
言語も出身も違う5人がタップダンスで会話し絆を深めていく、そんな温かみとは反対に、戦争によって夢を追いかけることも大切な人を守ることもできない悲痛さをより強く感じました。
人種や思想の違い、さらに戦争による圧力で自身の人生を左右される主人公たちの抵抗、そんな中でもタップダンスに夢を抱くスウィングキッズのメンバーたちの強い気持ちがとても輝かしく美しいと思いました。
ギスがどんどんタップダンスに魅了されていくシーンはとても胸が躍らされましたし、ビョンサムに褒められた時の表情はとても可愛らしかったです。
演者の皆様のダンスパフォーマンスは常に全力で見ていてワクワクしました。
終盤、ギスの足に銃を乱射するシーンは、命を奪われたときとは違う、才能を奪われる喪失感と絶望感二度と踊ることが不可能なことを死に際に悟るギスの感情をダイレクトに感じ涙がどばどばあふれて止まりませんでした。
ですが、ラストのギスとジャクソンが2人で踊っているシーンには救われました。
さらに、エンディングのあとタップダンスを踊る音が聞こえてきたことで、あの体育館にはギスやスウィングキッズたちがまだ踊っている気がする、そう思えるエンディングにしてくださったことには感謝しかないです。
ギョンスの演技はすごいですね。ギョンスではなくギスとして最初から最後まで見てしまいました。北朝鮮訛りも数か月特訓されただけあってとてもスムーズで素晴らしかったです。
生優しいコメディではない
僕はあまり好みではなかった。
と言うのもてっきり「フラガール」のような
急造の国も性別も違う者同士が一つの目的のために
タップと言う手法を使って、ハッピーエンドに向かって
行くものだと思ってたけど、
そうじゃなくて、戦争によって分断され、
戦争が無ければ掴めてた夢を戦争によって奪われた人たち
の話だった。
中盤まで収容所でも楽しくやってます。
みたいな軽いノリだったのに、段々重くなって来ての
ラストなのであまりにも酷くてついていけなかった。
好みだとは思うけど、戦争の悲惨さ
アメリカとロシアによって分断された悲劇を描くなら
もっとリアルな作りにしてほしかった。
序盤のアメリカ兵に倉庫に連れてかれて、
ボコボコにされるのかと思ったらダンスバトルを仕掛けられ
どう言う事?良い人なのか?と思ったら
足を折ろうとするとか、ちょっと意味が分からなかった。
言いたい事は分かるし伝わったけど、
監督の伝えたかった事と僕が期待して観たかった事との
解離があって感動と言うよりは唖然と言う感じでした。
fuck war.
「フリー・アズ・ア・バード」
朝鮮戦争中、北朝鮮兵や中国兵の捕虜収容所で、タップダンスチームを作ろうと言う話になる。
米軍の黒人将校がリーダーとなり、練習を始めるが前途多難で・・・。
ビートルズの「フリー・アズ・ア・バード」が流れたのには驚いた。
あの頃に比べて、いまはなんて自由だ
映画に乗れなかった私がいた。
朝鮮戦争(1950年〜53年)韓国側捕虜収容所内にて、世界的イデオロギー対立や人種差別の中、国籍や身分が異なる人間達がタップダンスチームを作る物語。
率直に言うと個人的に「その時代の割には作品に少し先の未来感出し過ぎやしませんかね。」と。
悪くは無いんすよ。ジャズ演奏やタップダンス面白いし。
それ以外の演出が舞台とズレている様な。
映画に未来のポップス感が出ていると言うか。
(未来からの贈り物の様な劇中歌デビッド・ボウイのモダン・ラブによるダンスシーンなども含め)
収容所の限られた束縛世界での話としては悪くは無いんですけど、「ライフ・イズ・ビューティフル」や「戦場のメリークリスマス」の様に収容所が舞台の映画は昔から沢山あるから新鮮味は無かったし。
その舞台の中で、描かれる内容が朝鮮戦争時の現地としてはハイカラに見える訳で、いやハイカラ過ぎてポップス過ぎて。
これがもう少し後の時代であるのならば納得なのですが、私的に乗れませんでした。
時代を意識しすぎて映画を観る私の様なタイプの人には向かないかも知れないです。
最後に「南北朝鮮の歴史を語る」様な韓国映画飽きてきました。北朝鮮が絡まない韓国映画お願いします。
幾重にも重ねられた物語の多重構造に唸らされる
毎年、年始に仲間うちに公表している「マイベスト映画」の2020年版にこの作品を選びました。
封切りから時間が経過していますが、あらためてレビューします。
『スウィング・キッズ』は、宣伝のビジュアルに完全に騙された「スゴい」作品でした。
タップダンスも大好きで、予告編で紹介された劇中曲(sing! sing! sing!やデビッド・ボウイのmodern love)に魅かれ、ワクワクしながら途中まで観ていました。
舞台は朝鮮戦争下の捕虜収容所。タップダンスを通じてアメリカ軍と韓国の捕虜が敵味方を越える話…さぞ、音楽やダンスが架け橋になるいい話なのかと思いきや、そこからのすごい展開が待っています。
何度も「えっ」と思わされ、いい意味で裏切られます。最後には作り手からの強烈な反戦メッセージが込められています。
この、幾重にも重ねられた物語の多重構造に本当に唸らされ、圧倒的なストーリーテリングの巧さを感じました。
さすが、『サニー』を監督したカン・ヒョンチョル。次回の作品も楽しみです。
言葉は通じずとも心は繋げる!
とりあえず一番びっくりしたところから。この主役の方アイドルだったんだね!演技上手くて全然気付かなかった。それにアイドルでも丸坊主にできるんだ。ジャニーズの丸坊主とか見てみたいな。無理かなー。カッコいいと思うんだけど。
ストーリーも良いんです。
凄く明るい序盤からどんどん暗くなっていく様子には目を奪われました。なんか「ジョジョラビット」と似通ったものを感じたりもしました。また女性解放映画、成長映画、ミュージカル映画、反戦映画としても良い線を行っている盛り沢山の映画なので是非見て欲しいです。先生を全く言葉の通じない存在として描いているのもダンスでの繋がりがみれて良かったです。
そしてタップダンスをテーマとしていることもありそこは文句の付け所が無いくらい素晴らしいです。いやー劇場で見たかった!爆音上映で見た人はすごく羨ましいです。爆音上映って凄まじいですからね。まあこのすばの劇場版でのしか知らないんですけど。
見終わった後タップダンスをしたくなる映画でした。実際上靴でやっちゃいましたからね。放送室は良いよ。防音だし。部員少ないし。
いやー実に良い映画でした。是非ご覧ください。
Free as a bird
テーマと演出の解離
映画館で観て正解でした
爆音映画祭で上映するとのことで観に行ってきました。
いや〜行って良かったです。
最初は爆音だけにタップの音がうるさいな…と思ったのですが笑、終盤の舞台のシーンは圧巻でした。
ダンスチームとオーケストラとの掛け合いが楽しく見ていて胸が躍りました。
エンディングでFree as a birdが流れるのですが、この優しい音楽とともに映し出される写真に泣かされました。
D.O.は大丈夫、愛だの頃に比べめちゃくちゃ成長していてびっくり。
ラストのジョンソンとのタップもすごかったです。
オ・ジョンセさんもよく頑張っていたなぁ。
テンポがいい 涙が流れたシーンが何度か 不条理の中での信念と衝動、...
鳥のように自由だ、が主題曲に聞こえた
たぶんD.O.を他の韓国映画で見たことがあると思う。
EXOのことは知らない。
強い眉。キッとした眼力。みなぎる躍動。アジア枠を超える俳優だと思う。
オジョンセはドラマ/映画でひんぱんに見かける愉快な中年俳優。
ジャクソンとぽっちゃりの青年は初めて見た。
パクヘスは韓流ドラマで見たことがある。
ぷくっとした頬が特徴。
上背がなく小粒。
映画女優というよりアイドルの印象だった。
踊れるとは想像もできなかった彼女を、映画はしっかり輝かせていた。
リンダ姉さん役の女優も楽しかった。
悲劇を描写したかとおもえば、コミカルなタッチを挿入する。
イデオロギーや非情が、観る者の気分を覆ってしまう前に、さっと転換する。
──映画は押すばかりでなく、しっかり引いてくれた。
演出をわかっている人がつくっている。
過酷な宿命だがギラギラにはしない。
お涙へ振らない。
被害者自慢をしない。
結末に反して後味はすがすがしい。
Free as a birdがまるで主題曲のように染み入った。
このエネルギー。
キャスティング。
サウンドプロダクション。
自在に走るカメラ。
めまぐるしい編集。
見終えて、落ち着くと、なんていうか、その情熱を思う。
世界をあっと言わせてやろう。
映画もビジネスだが、それをまだ魔法だと信じている人たちがつくっている。
技術も出来もさることながら、その意識がうらやましかった。
比較するつもりは毛頭ないが・・・(以下割愛)。
タップ・ダンスとファッキン・イデオロギー
タップ・ダンスの足ってアレどう動いているのでしょうか?メッチャ目を凝らして足元の動き観ていたのですが、さっぱりわかりませんでした。足を打ち鳴らすだけで、アレだけの音出せるって単純にスゴいなっと思います。帰り道は足を無駄に踏み込んだり、持ってた傘を振り回したくなりました(←危険)。
タップ・ダンスを始める前半、目標があって段々と仲間が揃っていくっていう話好きなんですよね~。皆さんそこそこポンコツ。ロ・ギスがアメリカ兵にボコボコにされるかと思いきや、そこから始まるダンス・バトルには思わず笑ってしまいました。で、そこに仲間が駆けつけてきての熱い展開。ダンス・バトルって観てて楽しいですよね‼️「モダン・ラブ」のシーンも秀逸!
でも、やっぱり本作で伝えたい事は後半にあると思います。今となっては韓国と北朝鮮はもう別な国なイメージも強いですが、本作って時代が1951年ならまだまだ朝鮮戦争の真っ只中な頃のお話なんですね。第二次大戦後、朝鮮半島で北はソ連に、南はアメリカに統治されるようになって、同じ民族だったのに分断されて。どちらの国も大国のイデオロギーに支配され、民族同士での血で血を洗う戦争。劇中の「共産主義だろうが、資本主義だろうがどうでもいい。ファッキン・イデオロギー」って台詞は正に心の叫びのように聴こえました。
実際に暮らしている市民にとっては国や政治のイデオロギーなんてけっこうどうでも良かったりするもんなんじゃないでしょうか?私は日本に住んでいるから民主主義が良いと思ってますが、例えばもし社会主義の国に生まれていたら今度はその状況が当たり前になるので社会主義の方が良いと思うかも知れませんし。個人的には主義主張の違いで戦争するのが一番馬鹿らしいと思います。
後半戦もう不幸にしかならないようなラストに向かって行っているのが観てて辛くって。最後のダンスは圧巻・・・からの急転直下⤵️いや、ハッピーエンドはないかなって薄々気が付いていたのですが、まさか皆殺されるとは。あんなん所長の気分1つやん💢でも、戦時中だし、実際にはもっと悲惨な事もあったのかなぁ。
1つの作品の中でタップ・ダンスの楽しさと戦争の重さと色んな感情に揺れる作品でした。フと昔韓国人の友達が「北朝鮮と一緒になるのは難しいけど、それでも同じ民族なのでどうにかしていつか一緒になれるといい」と言っていた言葉を思い出しました。
リアル感なのかもしれないけど
ちょっと無理あるコザックダンス
色んな映画で使われているベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」ですが、ついつい思い出してしまうのが『スウィング・ガールズ』です。ラストの一番盛り上がる場面でバンド演奏とともに5人がタップダンスを踊りまくるのですが、ガールズだったらここで絶頂感を味わい、あースッキリ♪という気分にさせてくれるのに、まだ続きがあった・・・
「タイトルはファッ〇・アイディオロジー!」の言葉に集約された北と南の思想問題。しかし、朝鮮戦争そのものは次第にソ連とアメリカの代理戦争の様相を示しており、北の人たちにも思想が浸透していなかったからこそ、こういう言葉が出たのでしょう。『ブラザーフッド』(2004)を観たときにもそれを感じました。いきなり分断された国家。家族さえも分断されるほど38度線は冷徹で、市民には何の関係もないところで起こったこと・・・
巨済島収容所はアメリカ人の所長によってかなり自由な雰囲気の収容所だったけど、今にも暴動を起こしそうな北朝鮮人もいた。主人公ロ・ギスの兄も英雄扱いされていて、突如現れたときは怖かったです。身長差もすげー。
ピアノも弾けるタップダンスの名手M・ジャクソン軍曹。え、マイケル・ジャクソンの伝記?などとも一瞬勘違いしてしまいましたが、彼がまた上手い!フレッド・アステア並みというか、スピード感では彼を超えていますね。クライマックスではもう1曲くらい欲しかったところです。
ギョンスも役者もいいけど脚本良くない…
ギョンスのダンスすごい。
役者さんも良い感じ。
しかし、脚本が色々詰め込みすぎでは…
兄さんと悪役が漫画キャラみたいだし、
登場人物たちの背景の描きこみが浅くて、
色々な出来事も雑な展開に見えてしまう。
ラストの出来事自体については良いと思うんだけど、
それまでが浅く感じられたため、
その力が弱まってしまった気が。
色々ともったいない気がしてしまいました。
捕虜収容所で、彼らは懸命に生き、そして踊った。 心を揺さぶられる作品。
予告編を観た時から気になっていた作品。
予備知識無しで鑑賞。
主人公ロ・ギスとダンスチームのリーダー
ジャクソンとの心の交流が涙を誘う。
心を解き放って踊る主人公と少女のシーンが
切なく、涙が溢れました。
捕虜収容所での友人や米兵との壮絶な関わり、
終盤からの抗えない流れに覚悟を決める
主人公の姿が切なく悲しい。
カン・ヒョンチョル監督の作品を観たのは、
初めてでしたが、素晴らしい映画てした。
POPなイメージのポスターですが、
痛烈な反戦メッセージが込められた作品です。
韓国映画ならではの楽しいシーンも有りますが、
色々な思いが交錯し、切ない気持ちになります。
臨場感が体感出来る映画館での鑑賞を
お薦めします。
映画館で、この作品を観る事が出来た事に
感謝しています。
新型コロナ終息の日が、早く訪れますように。
ダンスの曲名に込めた強烈な意志。
本作では、朝鮮戦争当時の、しかも捕虜収容所という、政治的に極めて錯綜した状況を舞台としています。その複雑な舞台設定とは裏腹に、少しレトロなデザインのポスターは非常に明快で、主演の二人の笑顔と躍動感に溢れた姿が、強い印象を与えています。
もちろん複雑な時代の複雑な舞台設定のため、ポスターが与える印象のように物語は直線的には進んでいきません。何かの技芸がバラバラだった人々を一つにまとめていく、という定型化した物語を踏襲するようで、次の場面ではその期待をあっさりと裏切ってくれます。本作のもうひとりの主人公と言っても過言ではないタップダンスは、まさに彼ら夢と生きがいを体現しており、そのリズミカルな振動を体感することで、登場人物と観客は文字通り一体化し、彼らの幸福感、熱意をまさにわがこととして体験することを可能としています。
見所の多い作品ですが、とりわけみごとなのは主人公、ロ・ギスが、ある事情で心ここにあらず、という状態でタップダンスを披露する場面で、技法的には素晴らしいダンスなのに、そこに全く心がこもっていないことを感覚的に理解させていたことです。この場面があるからこそ、稚拙でも心のこもったダンスと、そうではないダンスとの違いが際立っています。演技、演出の見事さにはひたすら感心するばかりでした。
意外な結末と、その後エンドロールに挿入される写真の対比がひたすら胸を打つ一作です。
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