「頭で愛する 心で愛する」ラ・ポワント・クールト masakingさんの映画レビュー(感想・評価)
頭で愛する 心で愛する
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ヌーヴェルバーグの走りと言われる本作だが、ヌーヴェルバーグにそもそも関心がないため、単純に市井の恋愛事情を描いた映画として鑑賞した。
環境破壊も行政の監査もなんのその、したたかに生きる漁村の人々の暮らしにおける喜怒哀楽に、二組の恋愛模様が絡まる。
一方は漁村に暮らす純朴な男と同じ村に暮らす若い娘。もう一方は、都会で結婚し、帰省した倦怠気味の夫婦。
前者は心で、後者は頭で互いの愛情を確かめ合っているようだった。
あの若い二人が、もう一組の夫婦のように、延々と愛とは何かを語り合いながら心がすれ違っていく関係に、いずれは陥るのだろうか。
どうしてもそうは思えなかった。
漁村に生きる者と、都会で生きる者との、交わり難い生き方の違いが対照的に描かれている。村人たちの祭りの夜、人々をかき分けて都会へ帰っていく二人の夫婦の姿は、希望への再出発なのか、故郷からの哀しい離別なのか、観ていて迷ってしまった。
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