「ネオ・リアリズムとヌーベルバーグの合体」ラ・ポワント・クールト ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)
ネオ・リアリズムとヌーベルバーグの合体
夏季のフランス南部。
湖と地中海のあるセート漁港の雰囲気が、結構な見所。
質素な漁港の村を、覗く様な移動撮影で、説明する中々いい感じの冒頭から始まり、漁村の人々の生活が、フランス的な感じより、イタリアのネオ・リアリズム調で、そこに、パリから来る妻を、待つ男とその妻の描写が、この後に多く作られるヌーベルバーグ調の雰囲気を漂わせる映画に変貌する。
ここら辺は、ほんとに芸術的なショットが多くて当時の観客は戸惑ったのでは?
反する感じの二つの物語を上手く同居させている。
修道士の様な髪型のスマートな若きフィリップ・ノアレが、新鮮。
この後に観た「アニエスによるヴァルダ」にある解説で更に驚嘆。やはり才人は凄い。デビュー作品でこれとは。
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