「自己の履歴の講義とコラージュ」アニエスによるヴァルダ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
自己の履歴の講義とコラージュ
自身の履歴を講義のように淡々と語る序盤はかなり退屈だったけれど、徐々に内容が入り組んで来るにつれて、アニエス・ヴァルダという芸術家のクリエーティビティがよく理解できてきて、映画監督とか映像作家というような狭い枠に収まりきらないアーティスト像に驚きの連続。
ヴァルダ作品は、「~クレオ」「落穂拾い」「顔たち~」の3本しか詳細に覚えていなかったけれど、それでもかなり参考になったし、より一層作品を理解できた気がする。彼女の作品を知っていればいるほどに、このセルフドキュメンタリーともいうべき作品は意味をなすような気がした。
アクティブで感動的、時にチャーミングで時にファニー、年齢を重ねるとともにその創造物が力強さを増しているように思えた。まさしく燃えに燃えて燃え尽きた印象、いやこれからも作品の中でヴァルダは輝き続けていくのだろう、あの猫のズググのように─
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