「いくつになっても人生を楽しむ」チア・アップ! 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
いくつになっても人生を楽しむ
ダイアン・キートンがチアリーディングやるという発想の時点で勝利しているというか、それだけでもう見たいと思わせる企画だ。
シニアタウンで新たにリアリーディングのクラブを結成したものの、持病持ちのメンバーは満足に動けないし、周囲の嘲笑にさらされる。それでもやりたことに邁進したほうが、人生は輝く。いくつになっても夢を追うことに限界なない、というシンプルなメッセージをこれ以上ないくらい明快に、前向きに描いている。
本作は実話、というわけではない(人生の後半になってチアリーディングを始めた女性たちの写真から着想は得ているらしい)。けれど、「どこかでありそうだな」という気がする物語だ。そういえば、ニュージーランドのシニアグループがヒップホップグループを結成してラスベガスの大会に出場するドキュメンタリー映画「はじまりはヒップホップ」に似ているんだなと思った。ダンスの練習で身体のふしぶしを痛めたり、周囲の理解の問題だったり、途中で怪我してしまう人が出たり、そして大きな大会で喝采を浴びるところもよく似ている。こんな風に晩年まで人生を謳歌したいなと思わせてくれる作品だ。
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