「等身大のバカンス」7月の物語 シネフィリ屋さんの映画レビュー(感想・評価)
等身大のバカンス
エリック・ロメールの「緑の光線」や「海辺のポリーヌ」を気に入った人ならこの映画は見逃せない。フランスの若者の等身大のバカンスを描いた作品。もちろん、ロメールの時代と異なり、今や長期に南仏に滞在するなんて贅沢は彼らに許されていない。でも、それがたとえ路線バスでいける近郊のレジャーランドでも、彼女たちの手にかかればバカンスの場に早変わり。そして、もちろんバカンスといえば出会いと恋。ささいなことから男の子に出会い、ときめき、そして物語は生き生きと動き始める。。。。
ただし、ギヨーム・ブラックの映画は単純なロマンスでは終わらない。そこには少しほろ苦い挫折や、静かに忍び寄る現代の不安が映し出されていく。それが映画に深みを与えていく。愛すべき小品。
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