「悪くないけど」初恋 うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
悪くないけど
与えられた環境で、予算の範囲でベストの映像を提供するのが監督の仕事じゃないのか?ネタバレになるので詳しくは書かないけど、逃走劇の派手なカーチェイスシーンで、ものすごくがっかりするシーンがあった。
もっと他に方法があったと思うのに、「あえて」あの手法を採ったとしか思えない。急に現実に引き戻されて、役者たちが作り上げてきた世界観が、一気に絵空事の世界に見えてしまった。
昔『エアフォースワン』という映画で、大統領専用機が墜落するシーンがあったが、あれもひどいものだった。『ヴァン・ヘルシング』で、馬と客車が崖をジャンプするシーンもひどかった。ウソくさい映像を通り越して、もはやファンタジーの領域に誘導しようとしているのかと思うが、もしそうなら、ボクサーや薬物中毒の少女の初々しい演技が白々しく映る。
本当は実機でジャンプして、それをバッチリ映像に収めたかったけど、技術的な壁とか、予算の限界とか色々あって、これが精いっぱい。みたく、言い訳がましく感じる。それを最大の山場でやっちゃったから「できないなら、最初からやんなきゃいいじゃん」って思った。
それぞれのキャラクターが絶妙に生き生きとして、セリフも面白いし、ストーリーもシンプル。迫力も出ている。
あの「処理」が無けりゃ、本当にお気に入りになったと思うのに。
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