「好きだよと言えずに殺〜し合い〜♪ 今世紀最大のタイトル詐欺!」初恋 たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
好きだよと言えずに殺〜し合い〜♪ 今世紀最大のタイトル詐欺!
ヤクザとチャイニーズマフィアの抗争に巻き込まれてしまったボクサーの葛城レオが、彼らに狙われる少女モニカを守るために奮闘する姿を描いたバイオレンス・クライム・ラブストーリー。
監督は『悪の教典』『土竜の唄』シリーズの三池崇史。
主人公である死の病に冒されたボクサー、葛城レオを演じるのは『エイプリルフールズ』『64 -ロクヨン-』(前後編)の窪田正孝。
不良刑事の大伴を演じるのは『コクリコ坂から』『ヘルタースケルター』の大森南朋。
組織を裏切り覚醒剤を横取りしたヤクザ、加瀬を演じるのは『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』の染谷将太。
レオを診察した脳外科医の境を演じるのは『悪の教典』『るろうに剣心』シリーズの滝藤賢一。
な・ん・だ・こ・の・映・画・!・?
ポスターやタイトルに釣られて映画館に入ったカップルを捕食する、食虫植物のような映画。
いや、確かに「初恋」がキーワードではあるのだが、はっきり言ってそんなことどうでも良くなるほどのカオスっぷり…😅
一言でいえば、アンジャッシュのコントの映画化。
様々な人間の誤解がとぐろのように渦巻いて、どんどんわけわからん方向に進んでいき、もう後戻りが出来ない領域までフルスロットルで突っ込んでゆく!!
大好きですこういう映画っ💕
ポン中のヒロイン、片腕のチャイニーズマフィア、ラリる染谷将太、日本刀を振り回す内野聖陽(『きのう何食べた?』を観終わった後だったのでそのギャップにビックリ!)、あの騒動の憂さを晴らすかの如く暴れ回るベッキー(これを観た川谷絵音は何を思うのか?)、何から何までぶっ飛んでいる💥サイコー!!
予算や撮影許可的な問題で実現出来ないアクションを、あえてのアニメーションで表現するなど、ただただ馬鹿をやっているだけでなくアイディアにも優れている点でも高評価。
ただ、ヤクザとチャイニーズマフィアとの前面抗争勃発か!?となってから実際にドンパチやり始めるまでに結構間が空いてしまっており、そこが中弛みしているのはちょっと残念。
はっきり言って主人公とヒロインのやり取りとかどうでも良いので、もっとヤクザやマフィアに大暴れして欲しかった。
中国の美人お姉さんとか、片腕マフィアとか、キャラが立っていた分出番が少な目だったのは勿体ない。
露悪的なギャグはもう少し抑えめでも良かったかも。
ブリーフ親父の狂気には確かに笑ったのだが、踊りまで踊らせる必要は無かったかも…。
犬のおもちゃの件とかもちょっとやり過ぎで滑り気味だったような。
ベッキーとか染谷将太とか、ただいるだけで笑ってしまうようなエキセントリックなキャラが大勢いるのだから、取ってつけたようなギャグは逆効果だと思った。
クソほど惨虐でバイオレンスでアンモラルなのだが、何故か観賞後の印象は爽やか✨
三池崇史ってゴミ映画ばっかり撮っている商業主義の化身のような監督だと思っていたのだが、今作を観て印象変わりました。いやこの人凄いわ。
誰にでもおすすめ出来る作品ではないけど、個人的にはとても楽しめました!
今度殺し合いに参加するときには「ユニディ狛江店」で装備を揃えたいと思います♪(よく撮影OKしたな…💦)