隣の影のレビュー・感想・評価
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アイスランドには生活笑百科みたいな番組ないのかな?
誰かに感情移入してしまうと、そこでアウト。誰にも共感できないし、そこで止めておけば・・・とブラックな展開を楽しむ作品。日本で言えば、ちゃんと民法を勉強しておけばいいって感じなんだろうけど、そういう教育なんてなされていない現状。
自分のセックスビデオを楽しんでるところを妻アグネスに目撃され追い出された男アトリ。倫理上の問題もあるかもしれないけど、問題になるのはその後。幼稚園に預けられている娘を半ば強制的に連れ出しキャンプを楽しむ。だが、寝てしまったため4時までに戻るところが大幅に遅れてしまったのだ。アトリの場合、ちょっと謝り方が足りない。
警察沙汰にしなくてもいいことと、しなければならないこと。自分たちだけで解決できない問題もあるんだから、人に相談するなり弁護士に相談するなり色々あるのに・・・幼稚園での器物損壊って、おもちゃを蹴とばしただけなのに・・・。
そんな中、やっぱり剥製はやばい。犬好きの人が見たら、やっぱり頭にくる。隣人同士のトラブルなんて、結局どこかで妥協点を見つけなければいけないのに、それが出来なかったための悲劇。教訓サスペンスとしてはいい作品なのでしょうけど、伏線が猫だけというのも寂しい気がします。
信じられないほどのアホ達の話
まずオープニングから笑わせてくれる。
夫がなにを見てるかと思えば、AVそして、元カノとのハメ撮りです笑
マスはかいてない!と夫は言うがそこじゃないよ問題は笑笑
勝手に娘を保育園から連れ去り、寝ちゃうのもどうかと、、
その前に仕事してるのかの描写もない。終いには元カノとの問題のハメ撮りを元カノと一緒にみててついついムラムラとするどうしようもなさ。
その親もちょっと気が変なお母さん、父親もなんだかしっかりしてるようでどうにも役に立たない。隣人トラブルが発展し最悪な結末を迎える。
ラストのオチの皮肉さ。
こんなに誰にも感情移入できない映画も珍しい。
人のもつ性質が、最悪の状態に至るパターン
人間の持つ
三毒=貪欲、怒り、妄想。
とは、よく言ったものです。
この作品では、ほとんど三毒が
フルに絡み合い、
みな、不幸になる。
登場人物は限られています。
しかし、このシンプルな状況で
ここまで状況は悪化しうる。
人の心も、道具も、使い方次第。
これを反面教師に、笑
豊かな人間関係を築いて、
良き人生をおくりたいものですね。
壊れた心が最悪の事態を招く悲劇の傑作
初のアイスランド映画。最後まで観るか迷ったが、これは何というクオリティー。観始めてすぐ秀逸な映像と音使いに襟を正した。
隣人トラブルを描いたブラックコメディかと思いきや、重い悲劇があった。甘さなど微塵もない。
とにかく母親が怖かった。「長男の失踪」に対する罪の意識から疑心暗鬼になったのか、悪いことがあるとすべて隣人のせいにする。可愛がっていた「猫の失踪」により、夫や次男を巻き込み暴走した。
こんなに集中して観れたのは久しぶり。壊れてしまった人間の狂気を緊張して観続けた。そして最悪の事態と言っていいラスト。
まったく救いのない悲劇の傑作だ。
猫がいないのよ。
事件は、集合住宅という小さなコミュニティで起きた。駆り立てるような効果音がなくても、美しい旋律でさえも不穏な空気を醸す効果は抜群だ。影は、木陰のことだけでなく、長男の自殺や夫婦の不和や不妊治療などのストレスからくる心理的な影。落ち着こうとする理性は誰もが持ち合わせている。他人にはささいな問題が、当人にとっては我慢できない問題であることの不条理。例えば、庭の木が諍いの発端となった両家の家の立地が、左右逆だったら、この騒動は起きなかっただろう。
これは身近な話だが。
ある中学生が生活指導の一環で髪形を注意された。注意した先生の髪形ソフトモヒカンで、あれも校則で違反だと憤慨する中学生。それを聞いた父親は「説得力ないよな」と同調し、母親は「いいじゃない、先生は大人なんだから」と反論していた。家族でさえこの意見の相違。他人である隣人であれば、意見が異なるのは当然なのだ。まずそこから納得しておかなければ衝突は避けられないだろうなあ。
結局、そこまでいくか??の展開に発展し、一番最後のショットでスクリーンに映し出されたものを見せられた時、背筋がぞっとした。
スッキリしない
実生活でもありそうなご近所トラブルの映画だなあと思って見てはいたんだけど、たぶん一番のかなめは、大きい木がある家の長男の失踪(自殺?)なんだと思う。
それがあったから母親もちょっとおかしくなっちゃったんだろうし。でもその失踪の原因が最後まで提示されない。
母親が関係してるのかな?とも思うけど。
あと、最後の方に怒濤の展開が待っているけど、ちょっとやりすぎ感が。
Neighbourhood dispute
ご近所トラブルを描いた作品。黒沢清監督作品群、又は映画“葛城事件”を彷彿とさせるプロットと思う。
主人公の男の夫婦問題、そしてその男の母親の隣人トラブルのエスカレートが過ぎてゆく荒筋である。
そもそもが大人として成熟してない、ダメ男というキャラ設定は、北欧映画に於いては珍しく感じた。それは登場人物である男の父親、隣の主人、男のマンションの住民会議のまとめ役、その全員が揃って男としてどこか未成熟で、女性の尻に敷かれているようなイメージを与え続ける。そしてストーリーが進むにつれ、徐々にそのフラストレーションが溜まってゆく恐怖を感じ取れることができる。母親の異常な行動は男の兄(母からだと上の息子)の失踪で、警察は死亡確定をしたいところを停止されているというそんな現実直視できない理由があるとはいえ、平常心をとっくに失っている言動に周りが振り回され続ける事が原因であり、その長男の代替である、庭に植えている大木やネコに思い入れが強すぎる余りの行動は常にエッジが立っているのである。そして思い込みの激しさはもう誰の耳も貸さない状況だ。ネコを殺された(と思い込んだ)腹いせに、隣家の飼い犬を剥製に変えてしまう件は、そのホラー度は正に白眉であり、恐怖の絶頂である。アイスランドでは生きた動物を剥製にしてしまう事が当然なのだろうか?
そもそものメインストーリーは男のしでかした情けない行為(隣の夫婦の営みに伴する喘ぎ声に触発されての結婚前の恋人との性行為動画を視聴での自慰)が引き金での離婚トラブルだったのだが、そちらが段々と色彩が変化するように両親の隣人トラブルにグラティエーションしていく構成はどういう意味合いを持たせたのだろうか理解が難しい。余りその必然性を感じられなかったのだ。クライマックスである、木を切り落とそうともみ合う最中で倒れた木の下敷きになってしまう男の切なさと憐れさは充分汲み取れたが、そもそも庭のテントで見張らせる為に無理に男のトラブルを作ったのではと穿った見方をしてしまうのだが…ラストのオチは、まぁ万国共通なのだろう。ネコが戻ってくるというベタは分かり易い反面、喜劇を強調しすぎていて、ウケ狙いを感じてしまった。一人残された母親のヤサグレ感も同様である。
既に民事じゃありません
若い家族は自業自得なところがあるバカな旦那とヒステリックな嫁のトラブルで、音のせいというよりも…。
隣人トラブルの話はどこかで観たことのあるコントの様な展開。
一応二つの話に絡みはあって、結構シリアスに見せているけど、ところどころでニヤリとさせられる。
中盤辺りで最後はこれだろ!?とベタなネタが頭を過ぎり、正にその通りの「ですよね~w」で締めてくれる親切さ。
面白かったけど、まあこんなものじゃないですか。
未来を嘱望されるヨーロッパ映画監督の一人
日本でも外国でも隣家の木の枝が、もし境界線となる塀を超えて、自分の家に伸びてきたらどうするのか、切るのか切れないのか?そんなことはよくあることとしてたまにニュースなんかに取り上げられたりすることがある。しかし、この作品の場合、少し、それよりも微妙な設定となっている。
アイスランドで最近話題になったのが、日本でも知られる経済危機があるが、この国の公用語が英語でなくて、アイスランド語であるということや人口が34万人ばかししかいない国だとは知らなかった。この映画はそんなアイスランドの首都レイキャビックで生まれた監督が制作したものである。
This isn't just about that fucking video.
We haven't been happy for awhile.
I've felt like he's just.......numb.
As if he wasn't there.
I tried to get him to do something about it.
But nothing happened.
物語のはじめ、隣の老夫婦の息子夫婦の折り合いが悪くなり、息子が、彼らの家に居候するところからはじまる。
隣人同士が、極端にいがみ合うというようなシナリオではなく、どちらかというとお互いの嫁さん同士が疑心暗鬼から不仲になっていくありきたりで展開の遅いものとなっているが、あることがきっかけで一気になだれ込むようにとは、少し大げさだけれども、意外な結末に進んでいく。多少、この展開では、そこまではしないと思っていると、この監督は案外、冷徹な部分も持ち合わせていることがわかる。そして最後に話のオチも用意してある。
一説には今から190年前に創刊された夕刊紙、London Evening Standardによるコメント「 アイスランドの観光局の善良な人々が頭を抱えているかもしれませんが、これは物事をだめにする映画です。」
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