「どこにでもある日常」隣の影 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
どこにでもある日常
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何となく結末は分かっていたが、後味は悪い。この映画は小さな歪みがやがて大きな不幸へ変貌していく様を描いている。長男失踪で心に闇を抱える母親、不妊治療でストレスを抱える隣家の妻。互いのストレスが隣家に向かい、次第にエスカレートしていく。最初は隣家から庭の大木のせいで日光浴ができないから切ってくれと依頼されたことが切っ掛け。片や、庭に隣家の犬が糞するのが気に食わない。どこにでもある些細なことだけど、隣の家にされたら困ることだ。初めは妻同士がいがみ合うが、次第に夫同士もいがみ合う。しかしながら、飼い猫の失踪を隣家の仕業と勘違いし、隣家の犬を剥製にしてしまうって、この母親かなり怖い。これが引き金だろう。結果殺し合いまで発展してしまう。全く映画だけの世界とは思えない。また、昔の恋人とのいちゃつくビデオを見られ、追い出された夫=次男はかなり情けない。しかも、妻に謝らない。まぁ今リアルに浮気されたわけではないから、そこまでしなくてもとわからんではないが、積もり積もったのだろう。この夫婦も些細な事の積み重ねが不幸を招いている。
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