「未来を嘱望されるヨーロッパ映画監督の一人」隣の影 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
未来を嘱望されるヨーロッパ映画監督の一人
日本でも外国でも隣家の木の枝が、もし境界線となる塀を超えて、自分の家に伸びてきたらどうするのか、切るのか切れないのか?そんなことはよくあることとしてたまにニュースなんかに取り上げられたりすることがある。しかし、この作品の場合、少し、それよりも微妙な設定となっている。
アイスランドで最近話題になったのが、日本でも知られる経済危機があるが、この国の公用語が英語でなくて、アイスランド語であるということや人口が34万人ばかししかいない国だとは知らなかった。この映画はそんなアイスランドの首都レイキャビックで生まれた監督が制作したものである。
This isn't just about that fucking video.
We haven't been happy for awhile.
I've felt like he's just.......numb.
As if he wasn't there.
I tried to get him to do something about it.
But nothing happened.
物語のはじめ、隣の老夫婦の息子夫婦の折り合いが悪くなり、息子が、彼らの家に居候するところからはじまる。
隣人同士が、極端にいがみ合うというようなシナリオではなく、どちらかというとお互いの嫁さん同士が疑心暗鬼から不仲になっていくありきたりで展開の遅いものとなっているが、あることがきっかけで一気になだれ込むようにとは、少し大げさだけれども、意外な結末に進んでいく。多少、この展開では、そこまではしないと思っていると、この監督は案外、冷徹な部分も持ち合わせていることがわかる。そして最後に話のオチも用意してある。
一説には今から190年前に創刊された夕刊紙、London Evening Standardによるコメント「 アイスランドの観光局の善良な人々が頭を抱えているかもしれませんが、これは物事をだめにする映画です。」