キーパー ある兵士の奇跡のレビュー・感想・評価
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スポーツは愛だ!力だ!
こんなに心地良い余韻が残る作品とは…
「キーパーも観てぇ〜」と、鬼滅の◯で賑わうロビーで叫びたいっ!!
敵国で罵倒に中傷…煽られながらもキーパーとして自身の務めを貫き通す主人公バート
彼が居るべき場所を見つける事が出来た家族愛の深さに我々が1つに成るべき今のコロナ時代にこその光を見た気がした
正直、東京オリンピック開催にも冷めた考えでありましたがサッカーをはじめスポーツこそ平和と力をくれる完璧な物であると…
今は開催を心から望みます!!
デビッド・クロスの過去の暗き罪との葛藤とキーパーとして光を放つ心情表現…完璧でした!
…美しい妻マーガレット役のフレイア・メイバーの品性ある力強い演技も素晴らしかった!
個人的見解ですが実際にもキーパーさんは比較的イケメンが多いですよね〜♬
苦境で戦う心
戦争で苦しんだ方は多くいる。
親族、友人を亡くした人
戦った人
どちらが被害者かなんて、戦争を経験してない私には言えない。
収容されたイギリスでキーパーを引き受けたのは、
最初はちよっとしたキッカケだったと思う。
憎まれていても、何も言えないトラウマ。
トラウマがあったからこそ、彼はイギリスに残れたのかもしれない。
イギリスに残ってキーパーをしなくても、
彼はドイツでも出来たと思う。
人は巡り合わせ
きっと彼は多くの批判の声ではなく、
そばにいる必要としてくれる人の声に耳を傾けたから
頑張れたのでないか。
心が苦しく、優しくなれる映画でした。
ドイツから来たマスオさんは 男は黙って○○○○を○○し続けるのであった
実話。見る前にWiki参照しました。バート・トラウトマンのYouTube見ました。史実にほぼ忠実でした。でも映画の作り手はちょっと変化球をいくつか入れて来ました。そして、それは大筋を壊さずに、泣ける味付けで、大変評価できるものだと思いました。
戦争シーンから始まります。
野生のシカが出て来ます。
捕虜になります。
たばこをかけて、PKやります。
フレイア・メーバーはスコットランド・グラスゴー出身の若手女優ですが、一昨年「モダンライフ・イズ・ラビッシュ ロンドンの泣き虫ギタリスト」を観て、個性的で素敵だなぁと思いました。そのあと、コメディ映画の「契約破棄していいですか?」でも、癖のあるヒロイン役ですっかり魅了されてしまいました。今回は、旧東ドイツから気球で西ドイツに家族で亡命する実話の映画「バルーン 軌跡の脱出飛行」で、古いミシンで気球を連日の徹夜で縫う地味な役だったデヴィッド・クロス(ドイツ出身)との共演で、とても楽しみにしていました。彼はあんまり大柄ではないのですが、とても良かったです。日本代表ですと、川口タイプでしょうか?身長があり、大きいキーパーはFWに与える心理的なプレッシャーが大きな武器になるのですが、ファインセーブの映像は彼ぐらいがちょうどいいですね。そして、これは史実ですが、バート・トラウトマンはハンドボールの経験もあり、スローイングがすごい。相手のシュートをキャッチしたあとのキーパーからの素早い縦攻撃場面が多かったです。
「フィッシャーマンズソング コーンウールから愛をこめて」で長老のおじいちゃん役のデイヴ・ジョーンズも出ていて、期待を裏切らないいい映画でした。
私はフレイア・メーバーの表情、一挙手一投足を見逃さないように集中していましたが、実にみごとだと思いました。成長著しいです。勝ち気な性格ながら恋する乙女心が仕草から滲み出ていて、それでいて、彼女の持ち味でもあるバリバリ男勝りな面。カッコいいと一言で言ってしまうのはちょっと陳腐。そばかすがすごいですし、目も大きい訳ではないし、ちょっとやさぐれ顔なんですが、それがいいんです。すみません。個人的感想ばかりで。青田買いしておいてよかった~
ネタばれレビューはあまり面白くないですが、一言言っておきたいことがいくつかあります。
まだ観てない方は以下はなるべく読まないで下さいね。
1.長男が5歳で交通事故で亡くなったのは事実。それから、夫婦仲がギクシャクして、結婚後10年で離婚しています。映画では離婚には一切触れていません。長男が死んでから、マーガレットは夫婦生活が苦痛になります。その演技もとてもリアリティーありました。アイスクリームを一人で買いに行かせたのが事実かはわかりませんが、夫婦の話しとしても苦し過ぎてつらい。それでも、あなたの息子だけじゃなくて、私の子供でもあるのよ。前に進むしかないじゃないの。と、夫の背中を押す妻役はただ綺麗なだけの女優さんじゃなかった。
2.収容所のスマイス軍曹(ハリー・メリング)とのちにお墓参りで突然取っ組み合いになるシーンはちょっと唐突でしたが、サッカー辞めないでくれとスマイスが言う場面は泣けました。スマイスがバートに返す小さな木彫りの鳥(銃殺された少年のネックレス。大事にバートが隠し持っていた)を返す。そういえば、バートとマーガレットと急に近づいたきっかけも黄色のインコ🐦でした。スマイスも本当は優しいいい人。戦争は人に全く選択の余地を与えないで、突き進ませることが最もつらく、悲しいことです。バートの誰にも言えなかったトラウマが明らかにされる大事な場面でした。自分の子供の死が、その子供を救えなかった自分のせいだと思うバートの気持ちを表す幻覚シーンが秀逸でした。さすが、映画。
3.FAカップ決勝戦(1956年)後半15分の相手のラフプレーでの頸椎多発骨折場面(事実)で、病院での妻の姿や首のレントゲン写真が挿入されますが、時間が前後して、ちょっとわかりにくかった。実際、優勝メダルをかける時にはクビが曲がっていて、ものすごく不自然だったそうです。
4.マンチェスター・シティFCの監督が偉かった。その役のゲイリー・ルイスがカッコ良かった。映画では初試合は0-1 で負けていますが、バートはマンチェスター移籍後の初試合から凄い活躍で、バッシングから一転、大絶賛されたらしいです。スポーツが国を越え、人種を越えることは確かなことだと思います。才能があることは本当に素晴らしい。
5.シーズンオフにキャンピングカーで家族旅行するシーンが良かったですよ。フレイア・メーバーのブラウスにジーンズ姿が素敵でした。当時のファッションも地味ながらセンスよく、シックでした。主役のふたりによく合っていました。
6.マーガレットの妹役がおデブさんで、可愛かったです。美人のお姉さんの気を引くには、まず、妹にオモチャ買ってあげるといいかもね。
では、また。
寛容の精神が必要な時代
スポーツものと言うより、戦時下の人間ドラマで、とても気分良く観られる作品でした。崖っぷちのサッカーチームの監督が、ドイツ人捕虜を助っ人に起用する出だしからして愉快です。周囲からの憎悪や偏見に対する主人公の誠実なスタンスは好感が持てるし、イギリス人妻のフォローも定石と分かっていても清々しい気持ちになります。また、戦時中のトラウマと自身に起きた悲劇に苦悩する主人公の暗部も、ドラマをより深いものにしています。世界中で他国への非寛容化が強くなる中、本作品のテーマは普遍的です。主役のデビッド・クロスや妻役のフレイア・メーバーも、役柄にはまって好演でした。
実話ベースと言うことで。
ある程度淡々と進んでいくのはまあ仕方ない。
戦争のシーンもほとんどありません。
逆に矢継ぎ早にイベントが起こるので退屈はしないかな?
面白かったシーンとしてはチームメイトのジェイクギレンホール似の彼氏、後に奥さんとなるマーガレットを取られそうになると、喧嘩するかと思いきや、pkで勝負だ!笑
さすがスポーツマンです笑
あとは2人が結ばれるシーンですが妹さんの部屋で事に至らないで〜笑
とにかく後半は少しずつ重い内容がのしかかってくるのですが前半のテンポがとてもよいので後半は少し疲れてしまいました。
サッカーシーンはそんなに長くはないので詳しくなくても関係なく見れます。
しかし選手同士のいざこざなんかはあまりなくてドイツ人でも認めあっていたのはとてもよかった。
2人の監督もしっかり実力を認めていてとてもできた人間でした。
フレイヤメーバーはとても綺麗でした。
【守ったもの】
作品は、主にバートがイギリスでプレーした前半生の物語で、戦争のトラウマを抱えながらも、活躍する姿は、切なくも痛快だ。
バートが守ったものはゴールだけだろうか。
「前に進まないで止まっていては、朽ち果ててしまう」
ゴールキーパーは、ゴールポストの前に止まり、得点を防ぐのが役割だ。
だが、いくら守っても、チームが得点しないことにはゲームには勝てないし、自分が失点しても、チームがそれ以上に得点すれば勝つことができる。
独りよがりで出来るようなものではないのだ。
そして、サッカーには相手も必要だ。
戦う相手から学ぶことも多いに違いない。
元軍曹からも殴り合いのなかで教えられることがあったはずだ。
バートは、生涯を通して、前に進む意思と、こうした行動の規範も守り通したのではないのか。
彼の輝かしい成績や評価、後の世界のサッカーの普及に努めた姿勢などは、それを表している。
英独のサッカー界への貢献や、サッカーを世界に普及させようと努めたことは、ある意味、不戦の誓いのようにも感じられる。
ただ、皮肉なことに、バートは、マーガレットとは10年あまりの結婚生活の後、離婚し、その後も、もう一度、離婚している。
人生が順風満帆でないのは、誰もが同じだ。
だからこそ、止まらず、前進し、より良くあろうとする意思が必要なのだ。
前に進まないで、止まっていては、ここで朽ち果てるしかないのだから。
それはそれ、これはこれ
元ナチス兵にしてイギリスの英雄となったサッカー選手バート・トラウトマンの話。
サッカーにほぼ興味はなく主人公についての知識は皆無で観賞。
1945年イギリスはランカシャー収容所に入り、サッカーに興じる集団にタバコを賭けてPK勝負!を挑むという始まりで、いきなり超絶セービング!!
地元サッカーチームの監督に才能を買われると共に、その娘との関係を築いていく前半はしっかり葛藤や心情の変化が描かれており、とても面白かった。
ただねえ…後半、記者会見での非難の嵐や、バスを降りれば襲われそうな程の人だかり。
スタジアムでもブーイングの嵐な流れからの上り調子。
舞台裏での嫁の件こそあったものの、それに繫がる主人公の演説や活動みたいなものもなく、だだ、有名人に流されるアホな民衆の掌返しという、「人間の気持ち悪さ」を強く感じてしまったし、生々しさが無い中でのフラッシュバックは、取って付けた様な演出にしか感じられず。
それを狙ってつくられていたり、結果としてでもそれが自然な流れだったら良かったんだけどなぁ。
皆様に見て頂きたい映画 Love and forgiveness
是非見て下さい。この歴史をこの史実を。辛いですが、現実に向きあい、あの時何がおきていたのかを感じで下さい。
以下、映画COMより抜粋.......
各国の映画祭で観客賞を受賞=観客に支持された作品
ながら、本作は「まだ日本ではマイナーだけど、素晴らしい作品」のカテゴリーである。ゆくゆく「必見の名作」として映画ファンに語り継がれる、そんな一作。さらに、辛口で知られる映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では批評家スコア95%支持、観客スコア100%支持(ともに2019年8月2日時点)を獲得した。それはつまり批評家だけではなく、観客の心にもまっすぐ届いた映画ということの証左だ。
今週の埋もれた名作その2。実話ベースのとってもお勧め。
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※ 10/24 15時15分 誤字脱字修正
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※ ナチス政権がもたらした悲劇からできたものであるため、どうしても内容をそれにふれざるを得ませんが、ここで政治的なお話をするつもりはない点を断っておきます。
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今年42本目。実話をベースにしたもので、最後にその後の余生などが語られます。一部は誇張したり省略したりしているのでしょうが(110分)、おおむねは実話ベースなのでしょう。
この手の映画は、グループ分けすると、
1. ナチス政権そのものを「肯定的に」取り上げる
→ 本国でもタブー。日本でも表現の自由はあるが事実上タブー扱い。
2a. ナチス政権を否定的にとらえ、かつ、主にユダヤ人と結びつけて取り上げる(いわゆる、「ホロコースト」問題など)
2b. ナチス政権を否定的にとらえ、かつそれ以外の捉え方で取り上げる
…の3グループ(1の類型は日本でも考えにくいので実質2グループ)ですが、2bをテーマにしつつ、2aの要素も入っている、複雑なお話です。
しかもテーマはタイトルからわかる通り「キーパー」がいるスポーツ。そんなにたくさんありませんよね?サッカーです。
サッカーというと華々しい雰囲気を受けますが、得点王だの何だのでよく取り上げられるFW選手と違い、「守護神」として取り上げられることはあっても、得点と直接結びつくことがほとんどない(例えば、比較対象として、野球)、GKは扱いがどうしても薄く、こうした実話があることに驚きました。
サッカーに関する知識(リーグの降格昇格、ルールなど)は不要です。ただ「サッカーの超基本ルール」と「ゴールキーパーの例外ルール」(=特定のエリアだけで手を使える)だけは知っておくとよいです。
戦争が終わってドイツ(ここでは東西ドイツを一括して扱う。以下も同じ)も少しずつ仲直りしていきますが、今でもわだかまりのあるユダヤの方々との激しいやり取りが繰り広げられます。
その中で「ヒトラーやその側近がやったことならともかく、何も知らないほとんど強制的に(いわゆる)赤紙招集で従事したただの一般元兵士を責めるのはフェアではない」と仲裁に入るシーンがあります。これは賛否両論ありますが、確かに一理ありますが、一方で特にユダヤの方が受けたダメージは非常に大きいことは周知の事実で、理論とは別に感情論として「一般兵士であってもドイツ人は許せない」と思う人が当時も今もいるのももっともであり、その両方の側面から描かれており、非常に色々な意味でフェアだな、と思いました。
そして今でもドイツはそうした問題を戦争が終わって何十年が終わっても抱えている一方で、「政治と文化」を切り離して各国、特に隣国と交流しているように、同じ敗戦国である日本も一層そうなってほしい(日本も、他国もそうなってほしい)と強く思いました。
※ 日本も、主張するところは主張しても(例えば、領土問題)、例えば台湾は国としては承認しないが(外務省)、「事実上」国扱いされている、というように「本音と建前」があったり、ギスギスはしても民間交流は盛んだったり(もっとも、今年はコロナ問題…)、そこは程度の差はあっても同じでしょう。
減点は下記の0.3ですが、0.1のプラス要素を加味して4.8とし、切り上げで5.0としました。
0.3 … どうしても、GKを扱うという「サッカーとはいえマイナーなポジション」であるが故に、こう、「サッカー映画か?」というと明らかに違う一方、「サッカーも半数以上占める割に地味」という点は否めません。ただ、史実を着眼点にしている以上、GKをFWに書き換えたりすると支離滅裂でありやむを得ませんよね。
こうした「地味さ」はどうしても出てしまうので、他で補うところはあっても良いのかな、と思いました(ただ、積極的減点要素ではない)。
+0.1(特別扱い) … 主に、ドイツとイギリス人が多く登場しますが、ユダヤの方や、一部には他国の方も出ます。イギリス人が立派な英語を話すのは当然ですが、他国の方も、実は「その国の出身としての英語」として話している、換言すれば「第二外国語としての英語で話している」ように演出されており、たどたどしい部分があります(イギリス人は言葉がすらすらと出てくるが、そうでない人物の場合、言い間違いや語彙ミスが見られる)。こうした点も気を配ったのかな、と思い、特別に加味しました。
※ これは、日本人が英検1級、準1級を持っていても、「ネイティブには一歩及ばないが話すことはできる。でも、ネイティブとは対等には話せない」というのと同じですね。
守護神が守れなかったもの
元ナチス兵でありながら、イギリスサッカー界で英雄となったキーパー、バート・トラウトマンの人生を描いたドラマ。
実力はあれど、元ナチス兵ということで激しい差別を受ける…が、純粋なサッカーへの想いがチームメイトに、そしてイギリス国民に彼を受け入れさせる、涙なしでは観れないヒューマンドラマ。
…かと思っていたが、前半は意外にもコメディタッチな場面がちらほら。
監督とのタバコの応酬や、オ○○婆ちゃん、妹のバーバラも良い味出しまくり。
両親が同じ家にいるってのにあんな普通に部屋に行こうとするかねw
個人的には、お義父さんチームでプレイしたり、家族の一員になっていく前半パートの方が面白かった。
後半も良かったけど、メインストーリーと思っていた、イギリスでの差別からのサクセスストーリーは、思いのほか少々あっさりしていた印象。
その後の展開に関しては、さすがに映画の脚色かと思っていたが、調べたらこれも実際にあった出来事だったとは。トラウトマン選手の人生、本当に波乱万丈すぎる。
そこからの奥さんとのシーンや戦時中の因縁の相手とのやり取りは良かったけど、
予告編でも見れる円陣にクイッとされるシーンや、サッカー場で大喝采を浴びるところなんかがもうちょっとクローズアップされていたら泣けたかも。
そういう意味ではちょっと期待とは違ったし、もう一つこれといった盛り上がるシーンが欲しかった。
とは言え、本当に体感1時間くらいにしか感じないテンポの良さと、ちょくちょく挟まれる笑い、そして守護神の彼が守れなかったものに心を締め付けられる良作だった。
…話はまったく変わりますが、格闘技大好きなワタクシ、サッカーボールキックの危険性を改めて痛感!命にまで関わっていたとは…
世界標準のMMA団体で解禁されないのも、やっぱり危険すぎるからか。。
とは言え、シューズ有無の違いって大きいだろうけど。
そう考えると、藤田vsサップとかヤバすぎでしょ。。
はい、自分でもひくくらい関係ない話をしてしまいました。
強引に戻すわけではありませんが、戦争の敵対国だったイギリスで認められようとする覚悟、そしてそれを受け入れていくチームにもきっと強い気持ちが必要だったでしょう。
こんなご時世ですが、これからもスポーツは各国をつなぐ大切なツールであり続けて欲しいですね☆
【戦禍で生まれた恩讐を、サッカーを通じて描き出した作品。ナチス・ドイツ兵だった男の数奇な人生に魅了された作品でもある。】
ー連合軍の捕虜になったナチス・ドイツ兵のバート(デヴィッド・クロス)は、英国のランカシャー収容所に送られる。収容所所長は、厳しい態度でドイツ兵捕虜たちに接し、バートにも目を付け、トイレ掃除を命じる。
が、休憩時間中にサッカーをしていたドイツ兵たちの姿を見た地元弱小サッカーチームの監督ジャックはキーパーをしていたバートの素質を見抜き、収容所関係者と話を付け、自分のサッカーチームのキーパーに抜擢する。
ジャックは、当初は収容所から試合に連れて行っていたが、バートの要望で、自分が営む雑貨屋の手伝いをさせながら、キーパーをさせる・・。-
■印象的なシーン
1.バートがジャックに”喉を怪我したことにして喋るな”と言っていたのに、バートが自らチームメイトに話すシーン。反発する選手たち。
だが、バートのファインセーブ連発により、久しぶりに3-0で勝利し、下部への陥落を免れた辺りから、彼らの溝は埋められていく・・。
ーバートがドイツ人としての誇りを持つ男、誠の心を持つ男である事が良く分かる。ー
2.バートを警戒していたジャックの娘マーガレット(フレイア・メーバー)だが、彼の優しさ ー逃げた小鳥をそっと手で包み込むように捕まえる姿や、妹バーバラに竹馬(英国でもあるんだなあ・・)を作ってあげる姿ーを見て・・。そして、矢張り試合でのキーパーとしての格好良さに惹かれていく。
ーマーガレットに恋するチームメイトとの雨中のPK対決シーン。ー
マーガレットの家族もバートに優しい。皆で夕食を囲むシーン。バーバラは特に嬉しそう・・。バーバラの部屋を与えられ、久しぶりに少し小さいベッドで嬉しそうに寝るバートの姿。
そして、バートとバーバラの電光石火の結婚・・。
ーえ、もう結婚しちゃったの? 早いなあ・・。-
3.バートの力量を見ていた、マンチェスター・シティの監督ジャック・トンプソンは彼を入団させるが・・。記者たちの鋭き質問の雨霰。マンチェスター・シティの有力な支援者だったラビ・アルトマンはシティへの援助打ち切りを申し出る・・。
初戦の、アーセナル戦での観衆からの激しきブーイング・・。
ー■鉄十字勲章:ドイツで戦功の有った者に与えられる勲章。バートが言うように功労章的な位置づけであったようである。だが、バートの責任を問う鋭き声は止むことがない・・。バーバラの懸命に夫を擁護する言葉が心に響く・・。-
4.劇中に度々出てくる、戦時中にボール遊びをしていたのに、ドイツ兵にボールを取られてしまった貧しき格好の男の子の姿。そして、序盤での男の子をバートが助けるシーンが頭をよぎり始める・・。
ーもしかして、バートがマーガレットに激しい口調で語った”君は自分の恥を語れるのか・・”と言う言葉は・・。-
そして、試合で大怪我をしたバートが自分の過去をマーガレットに話そうとした時に愛息子ジョニーに訪れてしまったあの悲しきシーン。ー
5.悲しみの中、バートはマンチェスター・シティの守護神として活躍を続け、とうとうFAカップを掛けたバーミンガムとの一戦に臨むバート達。
バートの真摯に試合に臨み、懸命にプレーする姿を見て、支援再開を発表するラビ・アルトマン・・。
6.愛息子ジョニーの墓参りをしている所に現れた男。それは、且つての収容所所長のスマイス軍曹だった・・。
ー彼が、戦時中、ドイツ兵たちにキツク接していた理由が判明する。取っ組み合いになる二人だが、スマイス軍曹がバートに”渡したモノ”・・。それは、彼が”自らの恥を忘れないように”大事にしていたモノだった・・。-
<この作品が心に響くのは、バートを単なる英雄として描くのではなく、彼が心に抱える”罪悪感”を引きずりながら生きている事、ドイツ兵として“贖罪”の意識を持ちながら、真摯にプレーしている姿がキチンと描かれている所だと、私は思う。
多少、ストーリー展開に粗い部分もあるが、見応えがある作品である。
ナチス兵から、英国民の英雄にまでなったバート・トラウトマンさんの激動の人生に驚くとともに、敬服の気持ちが鑑賞後に湧き上がって来た作品でもある。>
自分好みで良い作品でした!
サッカー好きなので観賞したんだけど、人間ドラマの比重が高めなのでサッカーをあまり知らない人でも楽しめる感じ。
戦後、ナチ兵だったトラウトマンがイギリスのサッカー名門クラブのキーパーとして活躍するストーリー。
これに加えイギリス人の女性と結婚するんだけど戦時中のトラウマに悩まされながら、親子で人生を歩む姿を表現していた感じ。
出だしからマジで途中をぶっ飛ばした終始目まぐるしい展開。
倍速で映画を観ている様な感じ(笑)
全ての出来事があっという間に過ぎるので「えっ?もうそうなるの!」的な感じはもはや笑うしかありません(笑)
ただラストの10分位から通常再生に戻った感じで、このラストの展開を際立たせたかったのかと思われました。
自分だけかもだけど、メッチャ鳥肌が立ったシーンがあって、映画みてそうなったのは初めてかも。
ハーフタイムに選手がロッカーで煙草を吸ってるのには驚き(-.-)y-~
奥さんのマーガレットのヘアスタイルがメッチャ素敵だったのが印象的( ´∀`)
必死に生きる姿は人の心を動かす
非常に心温まるそして勇気をもらえる作品であった。
前半は主に戦争捕虜として生きるバードが描かれる。そして後半はマンシティのキーパーとしてイギリスで活躍するバードの姿が描かれている。
戦争を題材とした作品のため当初は重い内容なのかなと思ったが比較的優しい作品のため子供が見ても理解できるのではないか。
その為少し淡白に感じる場面も時折あるようにも感じた。
スポーツ作品が自分にとっては後半のマンシティで活躍するバードの姿は非常に興奮させられた。
戦争捕虜の過去やドイツ人という事もあって当初は批判の的となった。この辺りが良くも悪くもすごくマイルドにこの作品では描かれていたが、現実はもっと過酷な批判下の中でのプレーだったと思われる。
そんな中でも信じて共にプレーする仲間、監督、チームスタッフ。そして何より愛する妻マーガレットとその家族の存在があってこそ乗り越えられた事であろう。
そんな批判も黙々とプレーをし同時に最高の結果を残し続ける事で観衆を最後は味方にするわけだ。
これこそ真なるスポーツマンの姿でありとても興奮したシーンであった。
その後も長男を事故で失うなど困難が続いたバードとマーガレット。
それでも互いを信じ、そして許し合う事で前を進みづけた。
この許し合う事はバード夫婦に限らず、最初にバードを受け入れたマーガレットの父、そしてバードの必死なプレーを見守り続けた観衆もそうだろう。この許し合う姿もまたこの作品ではとても自然にそして美しく描かれている。
人は誰しもが過ちを犯す。もちろん過ちを犯したものは反省はしなくてはいけない。同時に周囲もまたその姿を見て時には許し、受け入れ共に生きていくことの大切さをこの作品では感じさせてくれる。
重ねていうが人は過ちを犯すものだ。そして同時に反省しなくてはいけない。ではその後はどうするのか。ひたすら前を向き今できる自分の力を精一杯発揮して一生懸命に生きる事ではないか。必死な姿、一生懸命に生きる姿は人の心を動かす。そんな事を改めて感じさせてくれる作品であった。
ゴールをキープする夫と夫婦の絆をキープする妻
サッカーには疎いので、バート・トラウトマンについては全く知らなかったが、元ナチス兵というだけで、彼がいかにドラマチックな人生を送ってきたかが容易に想像できる。
観る前は、華麗かつ迫力あるサッカープレイを盛り込んだサクセスストーリーかと思っていたが、ハッキリ言ってサッカーシーンは地味。トラウトマンのポジションがゴールキーパーゆえに、技術的な見せ場は皆無な上に、なぜ彼が優れたキーパーなのかという描写も一切ない。そのため、ガチガチのサッカーファンの方は肩透かしを食らうのでは。
というわけで本作は、トラウトマンと妻となるマーガレットの夫婦愛を主軸に置いている。トラウトマンが戦争時に負ったトラウマが何なのか、そしてそれをどう克服するのかが大きな見どころ。というかマーガレットが、夫よりも気丈で力強い存在なのも印象深い。ゴールネットをキープするのは夫だが、夫婦間をキープするのは妻だった。
ただ本作もかなりフィクション要素が濃いようなので、「人間は過ちを許せるのか」という現代にも通じるテーマを噛みしめて観た方がベター。
#86 普通に面白かった
妙に戦争色を出さずに淡々と当時の人々の実際の暮らしを描いているところが好感が持てた。
自分が犯した罪に囚われながらも、かつての敵国で懸命にプレイするトラウトマン。
本当はどんな気持ちでプレイしていたんだろう。
かつて犯した罪をサッカーで返して行くのが彼の使命だったんだ。
それを受け入れる英国市民も偉い。
地味だけど結構朝から人が入っていたし、沢山の人に見て欲しい映画。
全84件中、61~80件目を表示