劇場公開日 2020年10月23日

  • 予告編を見る

「戦争中、戦後もイギリスで活躍したドイツ人ゴールキーパーの実話」キーパー ある兵士の奇跡 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

戦争中、戦後もイギリスで活躍したドイツ人ゴールキーパーの実話

2022年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2018年(イギリス/ドイツ)監督はドイツ人のマルクス・H・ローゼン
とても良作だと思います。
第二次世界大戦後のイギリスで活躍したドイツ人ゴールキーパーの実話です。
《スポーツに国境はない》
《スポーツはかつて敵国だっ人々も、絆で結ぶ》
そんなことを改めて感じる作品でした。
勝利の美味を味あったら、パート・トラウトマン(デビッド・クロス)が、イギリスの敵国ドイツの兵隊で、捕虜としてイギリスに来たことなんて、ちっぽけなこと!!
(いえいえちっぽけと思えない人も沢山居たのです)
スカウトされた一部リーグのマンチェスター・シティFCでは、大々的な反対運動が起こります。
「ナチスにゴールを任せるのか!!」とか
「ドイツ野郎、国へ帰れ!!」とか、10万人のデモが起こるほどでした。
しかしパートはゴールを死守する守護神として、反対派の心をほぐして行きます。
ユダヤ人のラビ協会からも、彼を認める声明が出されます。

後に妻となったマーガレット(ブライア・メイバー)も勇敢でした。
結婚することじたいが多くの障害があった筈です。
けれどマーガレットの父親はバートを一番に見出した地元サッカーチームの監督だったのです。
マーガレットとバートは惹かれあい愛し合うことに。
パートを演じたデビッド・クロスは2009年作の「愛を読む人」の主役の少年でした。
30歳になった今、昔の面影そのままに残す彼は素敵です。
戦時中のトラウマに悩むバート。
そして突然襲う不幸。
しかし、ゴールを守り続けたバートは国民的英雄となり大英帝国勲章を授与されます。
イギリスとドイツの架け橋となったサッカー選手の彼は、
イギリスとドイツのサッカー殿堂入りの選手にもなりました。

チームメイトは彼を「真の紳士だった」と称えています。

琥珀糖