「テーマを盛り込みすぎたかな?」キーパー ある兵士の奇跡 dottezさんの映画レビュー(感想・評価)
テーマを盛り込みすぎたかな?
前半はサッカーを通してに「敵を受け入れ、許し、認める、認められる」ことをストレートに表現していて涙ぐむところも多いのですが、後半(優勝後)一気にパワーダウンして行き、テロップで後年を説明しておしまい。的に尻窄みに終わるのは残念。
家族で失意から立ち上がって復帰していく姿とかも前半の勢いで描き込んで欲しかったな。
伝えたいことがいっぱいあるんだろうけど、エンターテインメントとして完成させるなら、社会を伝えるなら社会、ヒューマンを描くならヒューマン、スポーツならスポーツ、伝記なら伝記と、終始一本筋を通した上で他のプロットを絡めてくれたらもっと楽しめたと思う。
そのせいか「サッカーで恩返ししろ」などという台詞も上滑りしてるように感じましたし、宣伝文句にあった<秘密の過去>も、(エンターテインメントとしては)思いの外インパクトに欠けていたような気も。
結局作品を見終わった頃には、何を見たか、感じたかがぼんやりと薄れてしまっていました。
途中で実際の映像も出るけど、誰かがテレビで観戦しているシーンを差し込んで、そのテレビ画面だとかひと工夫すれば唐突な違和感もなかったのではないかなど、細かいツッコミどころは満載。
GKのプレーとしては、勝利への脱出のSスタローンのようなお粗末なプレーではなかったので、そこは安心して観られますが、サッカー映画かと思って見ると失敗すると思います。
ただしキーパーというポジションの魅力を伝えるには十分です(前半ね)。
また、今のサッカー環境とは全く異なった時代ですので(GKが素手だとか、選手が控え室でふつーにタバコ吸ってるとか!)子供と見るときには補足が必要かもしれませんね^^;;;
役者さんは派手さもなくジェントルで、非常に日本人が好みそうな美男美女♪
個人的に前半で☆5、後半でマイナスさせてもらいました。