「守護神が守れなかったもの」キーパー ある兵士の奇跡 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
守護神が守れなかったもの
元ナチス兵でありながら、イギリスサッカー界で英雄となったキーパー、バート・トラウトマンの人生を描いたドラマ。
実力はあれど、元ナチス兵ということで激しい差別を受ける…が、純粋なサッカーへの想いがチームメイトに、そしてイギリス国民に彼を受け入れさせる、涙なしでは観れないヒューマンドラマ。
…かと思っていたが、前半は意外にもコメディタッチな場面がちらほら。
監督とのタバコの応酬や、オ○○婆ちゃん、妹のバーバラも良い味出しまくり。
両親が同じ家にいるってのにあんな普通に部屋に行こうとするかねw
個人的には、お義父さんチームでプレイしたり、家族の一員になっていく前半パートの方が面白かった。
後半も良かったけど、メインストーリーと思っていた、イギリスでの差別からのサクセスストーリーは、思いのほか少々あっさりしていた印象。
その後の展開に関しては、さすがに映画の脚色かと思っていたが、調べたらこれも実際にあった出来事だったとは。トラウトマン選手の人生、本当に波乱万丈すぎる。
そこからの奥さんとのシーンや戦時中の因縁の相手とのやり取りは良かったけど、
予告編でも見れる円陣にクイッとされるシーンや、サッカー場で大喝采を浴びるところなんかがもうちょっとクローズアップされていたら泣けたかも。
そういう意味ではちょっと期待とは違ったし、もう一つこれといった盛り上がるシーンが欲しかった。
とは言え、本当に体感1時間くらいにしか感じないテンポの良さと、ちょくちょく挟まれる笑い、そして守護神の彼が守れなかったものに心を締め付けられる良作だった。
…話はまったく変わりますが、格闘技大好きなワタクシ、サッカーボールキックの危険性を改めて痛感!命にまで関わっていたとは…
世界標準のMMA団体で解禁されないのも、やっぱり危険すぎるからか。。
とは言え、シューズ有無の違いって大きいだろうけど。
そう考えると、藤田vsサップとかヤバすぎでしょ。。
はい、自分でもひくくらい関係ない話をしてしまいました。
強引に戻すわけではありませんが、戦争の敵対国だったイギリスで認められようとする覚悟、そしてそれを受け入れていくチームにもきっと強い気持ちが必要だったでしょう。
こんなご時世ですが、これからもスポーツは各国をつなぐ大切なツールであり続けて欲しいですね☆