「少し脚色強めの実話に基づいたヒューマンドラマ」キーパー ある兵士の奇跡 スクラさんの映画レビュー(感想・評価)
少し脚色強めの実話に基づいたヒューマンドラマ
実在の人物バート・トラウトマンを基に作られたストーリー。ドイツ軍出身の彼は、終戦後に戦時中の敵国であった英国のサッカーチームでゴールキーパーとしてプレーすることになる。
終戦間もない英国でドイツ人が選手として参加する、それだけで話の流れは容易に予測できる。
サッカーを観戦する人の中には当然、戦地に赴いた者、戦争で家族を失った者がいる。そのような人たちから向けられる敵意の描写が凄まじかった。
もちろん映画にするにあたっての誇張や脚色はあるだろうけど、この映画をきっかけに実在した人物であるバート・トラウトマンに興味を持ったり、大戦後の英独関係に興味を持ったりと観る人に何かしらのきっかけを与えてくれる映画だと思う。
敵国でキーパーとしてプレーし、英国民に受け入れられるまでの前半パートよりも後半のトラウトマンの内面に着目したパートの方が私は気に入った。
後半パートは実話にどれほど基づいているのか分からないけど、戦争に兵士として参加した一人の人間の苦悩や後悔が鮮明に表現されていて、スポーツものとして観ていたら、突如としてヒューマンドラマに変わったような印象だった。
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