ブリット=マリーの幸せなひとりだちのレビュー・感想・評価
全14件を表示
自己肯定感への目覚め
ブリット=マリーの存在証明が物語の核であるが、本質の部分はちょっと違う。
ブリット=マリーの存在を認めていなかったのは旦那でも周りの人々でもなくブリット=マリー本人なのだ。それは幼い頃に姉を亡くしたことによる。キラキラと輝く存在だった姉。その彼女に依存することで自分の存在証明としていたブリット=マリーにとって、よりどころを失ったことは自分を失ったことに等しい。
しかしブリット=マリー本人は生きているわけで、何か生きる糧を見つけなければならなかった。それが家事であり、家事をすることで、周りから見てもらえると考えた。
田舎の町に単身くることとなったブリット=マリーは長年受けることのなかった刺激を町の人々から受けることとなる。
町の人々、特に子どもたちは、自分で自分を信じて頑張ることで自らを証明しようとしていた。やればできるのだと。今の自分たちをほんの少しでも超えることが証明なんだと示してくれた。
ブリット=マリーに足りなかったのは自分の可能性、自分の望みを信じることだ。
どんなに活躍してもどんなに頑張っても空気人間では誰の目にもとまらないのだ。まずは自分で自分を認めここにいるとアピールすることで、今までブリット=マリーがしてきた努力は実を結ぶのである。
タイトルから想像していたものとは違った
直ぐに彼女に好意を抱く警察官、大人顔負けの考え、意見をする少女。気のいいピザ屋の主人、実はライセンスを持っていたコーチの娘等、彼女を取り巻く人々が良い人すぎてちょっと白けてしまいました。シニア女性の自立の話というより、サッカー賛歌?サッカーに興味がないので、その辺りも賛同出来ず。
全く笑顔がなかった主人公が最後の方はいろんな表情を見せるようになっ...
全く笑顔がなかった主人公が最後の方はいろんな表情を見せるようになっててよかった。
パリに行ったあとはどうするのかな〜
家を出るときに掴んだ現金とコーチのお金で足りたんかな〜
とかつい現実的なことを考えてしまう…
映画は映画として楽しむべし。
そんなうまくいくかなー
ずっと家のことをやってきて家事は完璧!な主婦が夫の浮気発覚で
それまでとは違う世界に飛び立つ…という話ですが、見つけた仕事が
それまで興味のなかったサッカーのコーチ⁉︎
なのにいつの間にか子供たちに受け入れられ、
知る人もいない街に行ったわりにはいい人ばかりだったのか
これまたすんなり受け入れられ、いきなり好意を寄せてくれる男性まで現れ…。
(失礼ですが、60過ぎたこの主人公が女性としてそんなに魅力あるとも思えず?)
なんかいろいろ簡単に上手く行きすぎじゃない?というのが正直なところ。
違う世界に飛び込むのだからもっと苦労したり、それを克服するところとか
もっと掘り下げて欲しかったな…と。
でもそこでの生活が続くわけでもなさそうで、ここから先が本当のひとりだち
ってところでしょうか。
迎えに来たダンナの身勝手なセリフ「君がいないと家がメチャクチャだ」
(だから帰ってきてほしい⁉︎) には呆れた。
もしまだ夫への気持ちが残っていればここで「やっとわかった?」
と戻る可能性もあるのでしょうか…?
この主人公はそうはならなそうでしたが。
粗があると思うのに感情移入するのはなんでだ
40年つくしてきた旦那が浮気してて離婚を決意し、仕事を探したら超田舎の村で子供のサッカーのコーチすることになって、サッカーなんて知らないのに!って話だから、だいたい筋は予想がつくのね。それでだいたい予想通りなの。
ブリット=マリーのキャラ起てがすごいんだよね。何事もキチンとしてて、そりゃ旦那さんもちょっと息苦しかったのかなと思ったり。
サッカー知らないから、子供とは対立するよね、でもどこかで解りあうんでしょって思ってると、なんか大した理由なく解りあうんだよ。「ん?」っていう。それで醒めた目で見てた村の人も協力的になって、これまた「なんで?」と思うの。
前の監督の娘さんも、最初は気を許してくれないんだけど、最後は協力してくれんのね。ここ理由は全くないの。
ブリット=マリーが一生懸命やってるから、それでみんな協力する気になったのかなって気はするんだけど、ちょっと都合いいんだよね。それでも観て「良かったね」と思うのは、主演女優の演技力かなって気はすんのね。「このおばさんが一生懸命やってたら応援しちゃう」って。
ラストの「どっちを選ぶんだろう」と思わせておいて……ってのは良かった。
ラーションだからサッカーなのか。
でも観てるのはプレミアですか。
一生懸命に何かに打ち込む姿は素敵です。都合よく上手く行きすぎないところもいいです。
グイグイくる警官も美男美女というわけではないですが、普通っぽくてラブシーンが中々です。全然いけます。
そして、ラストのひねり方好きです。
人生にもハッパが必要!。
フットボール好きなら、より深く、この作品を理解が出来ると思う。
役者達の輝きは素晴らしいし、セリフもロマンティックだし、イブラと敵対するグアルディオラ監督のそっくりさんもいるし、それなのに、リヴァプール推しだし…もう、何もかもが愛くるしい世界だった!!。
おばさま向けの【童話】か【お伽噺】
スウェーデン映画なので、いろいろ考えさせられるところがあり、見ごたえがありました。
表層的事項のみで鑑賞すると、「偶然うまくいった」「なりゆきのままで、ご都合主義な」「平板でありがちな」つまらない話に見えなくもないです。
サッカーのくだりは、私も「素人にはいくらなんでも無理じゃないの?」というツッコミをしたくもなりました。
しかし、スウェーデンって専業主婦率2%で、基本的にほとんどの女性が結婚後も仕事をしている国なんですよね。
1960年代から政府が積極的に女性の就労を促し、福祉を担う保育所や介護施設などを整備し、無料(ないしは少額で)で利用できるようサービスの拡充に多くの予算が配分され、法律や制度も仕事と家庭を両立しやすいように変えてきた国。
そこで主人公のおばさま・ブリット=マリーが専業主婦をやってるということは、(子供もおらず、介護する親もおらず、旦那は相当稼いでいるってことはありつつも、それ以上に)「働かない理由」があるということかと。
そう思いながら観ていると、彼女がなにがしかの「心の傷」を抱えて、「主婦業」になにがしのこだわりがあり、「変わらない日常」を欲していることが見えてくる。
この主人公は63歳だが、10歳前後で心を閉ざし、成長をやめてしまった人ではないのか? それが、今の10歳前後の子供たちと触れ合うことで、再び時計の針を進めることを決意するという物語なのではないか、と途中で気付きました。
歳をとっていても、いくつになっても、諦めさえしなければ変わることはできるし、どんなことでも挑戦できる。
挑戦を忘れないその心の持ちようが、真の意味でのひとりだちではないかと、本作は提起していたように思いました。
それが、本作中で語られる、「UEFAチャンピオンズリーグ 2004-05 決勝」のエピソードに絡んで、説得力を増していました。
ところどころ都合よく進んでしまうのも「体は老人、心は少女の人」向けの【童話】や【お伽噺】だと思えば納得。
そんな視点だと、すがすがしく楽しめる作品に仕上がっていたと思えます。
悪くないけど、他力本願。
ブリット=マリーは、ライセンスなし問題も人がフォローして解決してしまってて、本人特に何もしてないですよね。
周りの素敵な仲間が花を持たせてくれただけですよね。
面白かったし、うるっときたけど、ブリットのマリーの幸せな他力本願という言葉がずっと頭に浮かんでた。
お姉さん無くして両親が落ち込んで、ちっさい頃のブリット=マリーが不憫だったのはわかる。
夫の裏切りに傷ついていたのもわかる。
でもさー。
コーチしてる子どもに、コーチしてもらって、そのお返しがハーフタイムのリバプールを思い出せだけでは。ねぇ。
重曹をすごーくあがめているの、面白かったです。
まくらに重曹振って粉々したままねるのかな?
匂いとり?
すげーでっかいネズミもウケました。
子どもたちがみんなでテレビ見てソファーでわちゃーってなってるのかわいかった。
悪くないんだけどねぇ、プロットは雑だしねぇ。
悪くないんだけどねぇ…
缶ジュースはグラスに注いで!!
毎日完璧なルーティーンで家事をこなし
消しゴム付きの鉛筆でチェック
まさに、主婦の鑑・・
「63歳、主婦歴40年の笑わないおばさん」ブリッド・マリー
そんな彼女が夫のしでかした「お悪戯」に憤慨・・家出を決行
知らない村、全く興味も知識も無いサッカーのコーチの職に・・
そこで村人や社会に触れ、絡まり、初めてだらけの経験を積んで行く・・
ビザハウスの主人やそこで働く青年
彼女に好意を寄せる警官・・
最初は彼女に悪態をついてた子供達も心を開き
しまいには妻を血眼で捜し出した元凶の夫・・
意外にもブリッド・マリーが「愛されタイプ?」かとも思えてきた(笑)
もう少し波乱万丈、一騒動アリな流れになるかと想像していたのでその辺りは肩透かし感もありましたが
そのシンプルで温かみのあるストーリーこそが心沈している今に効く優しいビタミン剤の様な清々する作品でしたね🍀
夢のパリでエッフェル塔を満足気に眺める
「63歳のチャーミングなマダム」ブリッド・マリーがとても微笑ましく見えました❗
・・原題・ブリッド・マリーはここに居る
に「なるほど!」
【"一日一日遣るべき事を行い、存在感を示す事の大切さ"を描いた作品。自立心を持つ事の大切さも併せて描いた作品でもある。】
ブリット=マリーの家事は、規則正しく行われていく。けれども、彼女の表情は暗い・・。ある日、長年連れ添ったケントの浮気が分かり・・。
-浮気相手の名前が、"カミラ"って・・-
流石に頭に来て、漸く見つけた仕事が、田舎町ボリのユースセンターの管理人、だけではなくサッカーのコーチも任されるが彼女はサッカーを良く知らない・・。
■印象的なシーン
・田舎町のボリの人々が警察官のスヴェンを始め、態度は微妙に違うが、マリーに徐々に優しくなって行く過程。
-マリーが一生懸命遣るべき事をやっているからだろうなあ。-
・サッカーチームのエースの女の子が、マリーに掛ける鋭い言葉の数々。
-人生経験が豊富なのかと思ったら、君も苦労していたんだね・・。-
・人々の協力で、漸くサッカー大会に出場し、因縁の相手から最後に得点を取るシーン。
〈相手の行いに対して、きちんと礼を述べる事の大切さ。でないと、大切な人を失ってしまうんだよなあ。マリーの表情がどんどん明るくなって行く過程と、ラスト一人で念願の場所に着き、微笑みを浮かべるマリーの姿が素敵でした。〉
外にある可能性
過去にお姉さんを失った経験をはじめ、堅実な毎日を送る事で日々の幸せを掴むブリット=マリー。
これはこれで素晴らしい事であり、同時にとても難しい事でもある。継続は力なりではないけど、継続する難しさを当たり前のように送れる事は決してつまらないものでもなく簡単なものではない。ブリット=マリーのような主婦の方は家庭に欠かせない、素晴らしい存在だと改めて感じる。
そんな生活を送ってるブリット=マリーが予告でもあるように冒頭で旦那の不倫を知り家を出て田舎村で生活を送ることになる。
40年近く必要以上に外に出る事なく家事だけをやってきたブリット=マリーにはいろんなトラブルが待ち受けている。そして仕事の一環として子供たちのサッカーコーチを請け負うことにもなる。
子供を持たなかった、そしてこれまでの生い立ちを考えるにこの子供たちとサッカーを通じで心通わせるストーリーが始まるわけだが、この辺が僕的にはあまり心打たれるシーンがなく、ストーリーが淡白に感じて惹かれることができなかった。
かならずチームが一つになるにはトラブルがつきものなんだが、ライセンスの問題やらクラブの存在の問題やらあまりブリット=マリーに非があるようにも思えず、またブリット=マリーと子供達、そして村に住む人達の距離が縮まる描写にあまり深みを感じなかった。
40年主婦しかやってこず、人間関係を築いてこなかったわりには変な頑固さや面倒さもなく、普通に人の気持ちがわかるブリット=マリーに感じてしまう。
個人的にはその辺りが引っかかってしまったが、作品のメッセージ性はとても好きである。
外に出る事には無限の可能性が秘めている。それは時として自分が傷つくことも、挫けることもあるだろうけどそれ以上に大切なものに出会える可能性も秘めている。
冒頭にも書いたとおり同じことを続け、当たり前にある幸せな環境を保つ事もまた大切でありとても難しいことである。
そのバランスこそが大切なのだろう。だからこそブリット=マリーは村に居続ける事を最後は決断しなかったとも個人的には捉えて楽しませてもらった。
サレ妻(専業主婦)の立場柄
不倫された妻は、自尊心破壊が破壊され、自分の向かうべき方向をふらふらとあてどもなく探すものです。そんな折、藁をも掴む気持ちで勇気を出して観ました。1人で映画館に入ったのは初めてです。
すごいと思ったのは、ブリッド=マリーがすぐに「自分のこれからの人生」に目を向けたこと(通常「愛され妻」を頑張ったり、とラリる)。このままの自分でいい、と思えているところで、もともと自己肯定感はとても高いのだと思いました。
全14件を表示