「軽い気持ちで観るといいです」ブリット=マリーの幸せなひとりだち CBさんの映画レビュー(感想・評価)
軽い気持ちで観るといいです
きちんと家事をこなしてきた妻が、夫の不倫を知って家出して、片田舎のユースクラブ(学童保育みたいなものかな)の管理人に就職し、やったこともないのに、少年たちのサッカーコーチになるという話。
本作のよい点は、イヤミがないこと。ほんとに素直に観られる。ただ、肝心な部分はけっこうあっさりしていて、「あ、その程度で、課題は一件落着しちゃうのね」というご都合主義的な部分も見受けられる。それでも、スポーツ映画好きの自分には、「最後に試合があればオッケー」なのだ。さらに観終わった感じがよいのは、子供たちがとにかく素直だから、というのもあるかな。(比較するモノじゃないけど、同じ仏映画の「レ・ミゼラブル(2020)」の子供たちとは大違いだ。(笑))
オープニングからの「きちんと家事をこなしている妻」の描写が、テキパキと、テキパキしすぎてカクカクした感じに描けていて、導入がうまいなあという感じ。
この「きちんと家事をこなす」の背景は、10歳の時に事故で姉が亡くなり、すっかりふさぎ込んでしまった母に、自分の存在をなんとか見つけてもらおうと、一所懸命に家事をしてきたこと。この「ねえ、気付いてよ、お母さん」という思いが、ユースクラブの少年たちの「私たちは、ずっと1点もとれていない。でも私たちにはサッカーしかない。1点とって、私たちがサッカーをしていることを証明したいんだ」という思いと、徐々にいつのまにかシンクロしていく。その流れが心地よい。
軽い気持ちで観るのがよい、小品だと思います。
おまけ:家事に、重曹は万能ってことを覚えとこっと。
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