「美しい情景と、主人公の成長に感動」ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形 しばもんたさんの映画レビュー(感想・評価)
美しい情景と、主人公の成長に感動
地上波アニメをリアルタイムで視聴していた人間です。
映画で心を動かされたのは、以下の2点でした。
①映像の美しさ
②主人公ヴァイオレットの成長
①映像の美しさについて
地上派アニメで印象に残っている映像は、
主人公が池に向かって、傘を携えて飛びあがるところでした。
背景の自然、足元の湖面、少し興奮しているような表情のアップ…
その色彩と躍動的な絵の美しさに感動したのです。
映画では、全体的に引きの絵が多くて物足りない気持ちになっていたのですが、
物語の最後に、妹の手紙をもらった姉と、物陰に隠れている妹とがともに泣きじゃくる場面で心を震えさせられたのは、
声優さんの演技だけでなく、映像としてのクオリティが非常に高かったからだと思います。
②主人公の成長について
主人公バイオレットは、
映画のスタートの時点で、すでに人間性を欠落させた「お人形」ではなく、
優雅だけど融通の利かない堅苦しい「姫騎士」と見られるようになっていて、その成長に感動しました。
地上波アニメでは、周囲の人が先生・大人で、ヴァイオレットが無垢な子供 みたいな構図だったのが、少し年下の似たような境遇の子供に対して、ヴァイオレットがしっかり教育を施しています。なんだこれ…ほんとに成長したな…(親の目線)
ただ「友達」という関係性は、生徒のイザベラから教えてもらうことに。
たぶん、孤児からいきなり大人の社会(戦場・会社)に放り出されたバイオレットには、これまでなかった関係性であり、初めての友達であるイザベラは特別な存在としてとらえていた。だからこそ、初めての友達の妹テイラーが現れた時に、ヴァイオレットはこれまで見せたことのない積極性と面倒見の良さを示したのだと考えます。本当に健気な子です…(親の目線)
もっとも、イザベラとの出会いから4年たっても、ヴァイオレットがいまだに仏頂面なのには、笑いました。表情筋が死んでいるのか?(笑)
一方で、ベネディクトの服装や髪形が落ち着いていくのに、安心した次第です。落ち着いてきた彼になら、ヴァイオレットを任せてやってもよいかな~と(親の目線)
【今後の展開について】
さて、この映画の中では、電波塔の建設や街灯の設置など、技術の進歩が強調されていました。そのうえで、新作映画については、「手紙に代わって電話が…」という時代背景の紹介が。
果たして、新時代にヴァイオレットの居場所はあるんでしょうか。
他人の心をくみ取って、手紙を書くという「自動書記人形」の仕事と、現代社会とをどのように今後つなげてくるのか、興味があります。
ただ正直、おばちゃん・おばーちゃんになったヴァイオレットを見たくないのです。きっと、近所によくいる「昔はめっちゃきれいだった普通のおばちゃん」って感じになるのかな…。そこらへんの表現は、ぜひマイルドにお願いしますね!!!