劇場公開日 2020年12月4日

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燃ゆる女の肖像のレビュー・感想・評価

全163件中、141~160件目を表示

2.5自分は繊細ではないし女性でもないのだが・・・

2020年12月7日
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鑑賞方法:映画館

「こんなにも繊細な作品は観たことがない」(グザヴィエ・ドラン)だそうだ。 「そうか、自分は繊細ではないし、LGBTでもないし、女性でもないのだから、理解できないのだ」と、何度も居眠りしながら観ていた。実に眠かった。 「きっと観る人が観れば、交わされた台詞やちょっとした仕草の背後に、微妙なニュアンスや秘めた情熱を感じ取るのだろう」と。 主人公の持ち込んだ2枚のカンバスが、イントロで強調され、その後の展開を暗示するなど、“芸が細かい”のは確かだ。 ところが、映画の終わり近くなって急展開し、話が怪しくなる。 二人の情熱は燃え上がるものの、実は互いのことはあまり理解し合っているわけではなかったようなのだ。 つまり、台詞や仕草には、別に深い意味は無かったということになる。 たかだか2週間くらいの間に、エロイーズが笑うようになり、「私も変わった」などと平然と言い放っているのを聞くと、「はぁ?」となってしまう。 少なくとも、肖像画の消された最初のバージョンの表情と、採用された最後のバージョンの表情は、逆であるべきではないだろうか? まあ、最初のバージョンはクライアントのご機嫌を取るために、定型的に仕上げたのかもしれないが・・・。 映画のキモであるはずの肖像画そのものに、意味内容が感じられなかったのは残念だ。 どうも最近は、ジェンダーや人種が絡むと、ヨーロッパでの評価は“自動的に”高くなるのではないか? 「パラサイト」同様、カンヌの“ご威光で”過大評価されているような気がする。 こんな奇妙な状況が続くと、映画界にもトランプ大統領のような人間が現れても不思議ではない。 ともかく、徹底的に“女性目線”で、ほとんど男が出てこない本作品は、自分には難しすぎた。 なお、昔のブルターニュの田舎と言えば、ゴーギャンの絵にもあるように、少しエキゾチックな土地柄のはずだ。 火祭りの女達の合唱は、現地で採取した歌かは知らないが、民俗性が反映されているのかもしれない。

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Imperator

4.0絵画のような美しい映像から見える怖さ

2020年12月7日
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鑑賞方法:映画館

とにかく全てのシーンが美しく、抒情的。 波の音、暗い部屋、ろうそくの灯り、お祭りでの合唱。 18世紀のブリュターニュの孤島が舞台とのことだが、映像の美しさに圧倒される。 この時代の女性は、結婚して子供を産む道具でしかなかったのだろう。 主人公の女性も結婚はしないのかもしれないが、画家として、自分の名前で描くことはできず、父の名前で描いていたというところも驚く。 というより、女性が仕事を持って、自分の好きな人と結婚する自由を得ることができるようになったのも、まだ100年も経っていいないんじゃないか。 もっというなら、LGBTを公言できるようになったのだって、30年も経っていないと思う。 たぶん、本当に許されない愛、だったんだと思う。 その儚さと人を好きになるのにジェンダーは関係ないという燃えるような思いが、全編から痛いほど伝わってくる。

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七星 亜李

4.5情熱熱風セレナーデ

2020年12月6日
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鑑賞方法:映画館

登場人物がほぼ四人の女性 最後のシーン、裏事情知ると感慨深い 島のお屋敷シーンはあまり18世紀感がなく現代っぽかった

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うんこたれぞう

3.5撮影や細かい絵を描く描写は良いのですが?

2020年12月6日
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鑑賞方法:映画館

もっと、わかりやすく2人の関係性を描いて欲しい。 もう少し、短くても良いと思います。

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おさむ

5.0素晴らしいエモーショナルムービー

2020年12月6日
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素晴らしい。もう『野菊の墓』(松田聖子主演)です。完全なる切ない恋愛。まあ絵描きの話くらいにしか思わず観に行ったのだが(笑)、アニエスヴァルダのような古典映画の快楽を持った現代映画。アデル、ブルー…も思い出した。 荒涼たる風景の、しかし壁の色、波の色、草木も光も絵画的な隔離された屋敷に、絵描きと嫁入り前の娘が肖像画を描くまで暮らす。その間に起こる魂の交換と原始的な恋愛のはじまり。狙いに狙ったバックショットが美しい。出会いの海辺の振り向きと、別れ間際の波打ち際の後ろ姿と。 ミニマルに攻めていって中盤ようやく音楽が加わり、ラストで一気に雪崩れ込む感情のピーク。オルフェのエピソードにもはっとさせられた。

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ONI

4.0音楽も説明も極力削ぎ落として語るモノとは。

2020年12月6日
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とにかく全てが美しい。人物も風景も絵画もそして音さえも。 場面を盛り上げようとする音楽は一切無く、だからこそキャンバスを力強くなぞる筆やゆらめく炎の音が印象的なのだろう。 とっつきにくい、わかりにくい、と感じる人もいるかもしれない。が、説明的なモノは何もなくても18世紀がどういう時代だったのかを多弁に語っている。 今ヴィヴァルディの「夏」を聴きながらラストシーンを反芻している。 エロイーズ、あなたはなんて人なんだ!

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ごーるどとまと

4.5期待したほどの濃厚なレズビアン場面もなくて個人的にはがっかりだが・・・

2020年12月6日
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鑑賞方法:映画館

知的

萌える

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カールⅢ世

2.5女優も映像も美しいが

2020年12月6日
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予備知識も全くなく予告編も見ず、映画賞とレビューの評価だけで見ました。 主役の女優二人はとても美しく、女性監督作品らしくきめ細かで全てのシーンが絵画的な美しさはありました。しかしストーリーはかなり地味で上映時間が長く感じました。 女性向けの映画なのかも。とにかく美しい映像は印象に残りましたがお勧めはしにくい。

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Yoji

4.0美しい

2020年12月5日
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静かで上品でうっとりする作品。 BGMがほぼないので、火が燃える音、足音、床がきしむ音、服が擦れる音などの 生活音が凄く心地良かった。

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I am R.

4.0切ない恋愛ストーリー(女同士だけど)

2020年12月5日
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泣ける

悲しい

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パナソニック

3.0なんか観いってる

2020年12月5日
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170本目。 観たい作品が多く公開され、選択に悩む。 で取り敢えず今日はこれかなと。 カンヌとか出てきた時点で、ハードルアップで、俺向きじゃないかなって。 実際そんな感じはあるんだけど、でもなんか観いってる。 それは多分、ほぼ女性しか出てないだけなのかも知れないけど。

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ひで

4.0視線と表情で描く究極の恋愛表現!!

2020年12月5日
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まだ限られた職業でしか、女性は社会に居場所を見出すことができなかった時代の中で、多くの女性が社会進出のきっかけとなったのが画家という職業でもあったことから、マリアンヌは18世紀のフェミニストでもあるのだ。 しかし、固定され、限られた概念の中では、まだまだその先に進むということは、未知の領域であり、人間として、女性として許される行為なのかということも判断が難しい環境だった。 時代を通してみれば、同性愛というものは、18世紀以前から存在していたものではあるのだが、芸術や歴史の中で知っていることと、自分の身に起きることでは、全く違ってくるだろう。 マリアンヌはフェミニストではあっても、少なくともエロイーズと出会うまでは、異性を愛し結婚をすることへの反発はあったものの、レズビアンではなかったように思えるし、そもそもその概念自体がマリアンヌの中には存在してなかった。 それがエロイーズと出会い、肖像画を完成させようと、表情や仕草のひとつひとつを観察するうちに、マリアンヌの中に何かが芽生えてくることが伝わってくる。その伝え方というのが、映画的でわかりやすい表現などによるものではなく、マリアンヌとエロイーズの視線や表情からなのだ。 そこには、女性同意の恋愛を描いているという表面上的なものではなく、人間が人間を愛する瞬間を絵画のように、詩のように、美しい景色をキャンバスにみたてて描いていくのである。 手が触れるかもしれない、唇が触れるかもしれないという緊張と恐怖、愛を交わす喜びが自然と口元に現れる。 細かい視線や表情だけで、どうしてここまで人を愛すること、愛の誕生の表現が可能なのかというと、勿論、今までにも女性同士の恋の芽生えを描き、自身がレズビアンでもある監督のセリーヌ・シアマや撮影のクレール・マトンの力、そして俳優達の演技力もそうなのだが、監督とエロイーズ役のアデル・エネルは、かつて実生活において、恋愛関係にあった間柄なのである。 本編でみせるマリアンヌの眼差しは、正に監督自身の眼差しでもあるのと同時に、アデルの目線も監督を見る眼差しなのである。 結果的に別々の道を歩むことになり、別れてしまった2人にとって、肖像画を描き終えることは、愛に終わりがくるという、マリアンヌとエロイーズの心情に重なるというメタファーともなっているのだ。 美しい景色と、優しい波や風の音が凄く心地よい作品でもあることから、寝不足では観ないことをおすすめしたい。視覚、聴覚的にかなり眠気を誘われる作品である。

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バフィー吉川(Buffys Movie)

4.0美しき諍い女

2020年12月5日
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おー、エロイーズは監督と好い仲(別れた後らしく)なんですね。マリアンヌは'不実な'時から好きなんですが、この人は眼力が凄いですね。メイドちゃんが何気に可愛かったです。 お祭りで皆が歌っている歌詞はなんですか?Fugere Non Possum 囲われ者… 兎に角、画面が綺麗で全部がカレンダーになるくらい凄いです。

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michi

5.0遂に、、、

2020年12月5日
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タイトルロールが始まり冒頭の3分間で私は、この映画に恋をした。 ブルターニュの空をターナーのように切取り、睦みのシーンではルノワールのように肌を彩る その撮影力に惑わされるが、黒いマントを羽織り女達が佇む姿はカスパー・フリードリヒのように悲劇へと暗示する 音楽にいざなわれる対話劇は三島の『サド侯爵夫人』のようにエロスの園へと変容して行く そして、訪れる結末 その死から34年目にして私達はトリュフォーの後継者に出逢った。

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イコン

5.0「燃ゆる女の肖像」に萌ゆる私

2020年12月5日
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知的

萌える

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ねもちゃん

5.0【オルフェとユリディス】

2020年12月5日
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18世紀のフランスは、絶対主義が揺らぎ、ブルジョアジーが台頭し、革命が起きた時代だ。 ただ、この時代、まだ、カトリックの教えは支配的で、男性は女性に対して優位な地位にあった。 それは、ソフィの妊娠、そして、カトリックでは神の意思に背くおして禁止されている堕胎を人知れず行わなくてはならなかったことからも推測される通りだ。 また、禁じられていると云うところでは、同性愛も同様だ。 この作品は、プロローグからエピローグまで独特なピンと張り詰めたような緊張感が続く。 おそらく、現代とは異なり、この時代にはより厳しく禁じられていた同性愛が物語のテーマになっているからだろう。 マリアンヌとエロイーズの互いに抗えない気持ち。 エロイーズが抗うことの出来ない自身の運命。 この対比も独特な緊張感に繋がる。 こうしたなか、マリアンヌとエロイーズが画家と肖像画のモデルという関係を超えて接近し、気持ちが変化する様は、切なくも美しい。 作中で、引用されるオルフェとユリディス。 オルフェは振り返り、ユリディスは息絶える。 ユリディスは、オルフェに振り返って欲しかったのではないのか。 エロイーズは、ユリディスを自分に重ねたのではないのか。 抗うことの出来ない運命からは逃れられないと知っているから。 しかし、オルフェとユリディスの物語には続きがある。 息絶えたユリディスの後を追い、オルフェも自ら命を絶とうとするが、神はユリディスを生き返らせ、オルフェの元に返すのだ。 マリアンヌは、オルフェとユリディスの物語のように、エロイーズと再会できるのだと信じていたのではないのか。 だが、エロイーズはマリアンヌがそこにいると気付いていながら、涙を流し目を合わせようしない。 オルフェとユリディスの物語は男と女の物語だ。 神はこれを許しても、マリアンヌとエロイーズの愛を許さなかったのかもしれない。 燃ゆる女の肖像は、内面に燃えたぎる愛情を秘めた女性を表したものなのだろうか。 僕は、もしかしたら、この時代にあって、同性愛という禁忌を犯したものは焼かれるのだということを示唆しているのかもしれないとも思った。 時代背景、心の揺らぎ、運命、対比、引用された物語と似た展開と異なる結末が相乗効果と独特な緊張感をもたらす秀逸な作品だと思った。

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ワンコ

4.0色の意味、本能の音

2020年12月5日
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音の使い方が上手いなぁ…と感心した。

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しげ

4.0圧倒的怒りと、束の間の(貴女にしか見せない)笑顔

2020年12月4日
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《怒り》と(貴女にしか見せない)笑顔 --- 別れの瞬間、当人にしか分かり得ぬものを表現する。カンヌ国際映画祭脚本賞は伊達じゃない、流石のキャラクタースタディと構成力に唸る。けどそれを可能にしたのは、紛れもなく目が離せない主役二人の演技と演出による所が大きい。予定調和でなく二人の行く末が気になって仕方がない。日本語で言うところのシュールに変な緊張感が漂う。時にスリリングで、時に不思議とユーモラスですらあるという独特な空気感、作品を包む雰囲気が素晴らしい。何層にもなっていて考えさせられる。 《波》が高い ---- 主人公が自画像を描くシーンとラストカットは圧巻の一言で、本当に見入ってしまった。ポスタービジュアルにもなっている、火を囲むまさしく燃えるシーンもすごい。心をじっくりと時間をかけて開いていき、束の間の幸せの後に、性別/時代(= 女性であることの窮屈・不自由さ)や身分によって葛藤する様もリアル。安易な表現になってしまうが、もう出会うことのないと思っていた所から遂に見つけた情熱や命の炎。例えば本作が何年と明確に明示されていないのもと邪推したり、刹那、かくも魔力の虜になる。そうした普遍性故かも。どうしたら出来上がり?その時が来たら --- 28ページ P.S. 主人公二人はデイジー・リドリーとグレタ・ガーウィグに似ている 勝手に関連作『美しき諍い女』『キャロル』『君の名前で僕を呼んで』『モーリス』『マディソン郡の橋』

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とぽとぽ

5.0静物画、ヴィヴァルディ、オルフェ

2020年12月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

萌える

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talisman

3.5傑作、、になり損ねた作品って感じ

2020年12月4日
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トミジュン