「油絵」燃ゆる女の肖像 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
油絵
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スルメのような作品とでも言うのだろうか?噛めば噛む程味が出る的な。
ただ、キャラクターの内面に寄り添うような構成なのかカットが長い…と言うか深い。なのでその辺に惹きつけられなければ「緩やか」だとの印象が拭えない。
俺は若干、寝た。
なかなかに手厳しい話なのだ。
女性が自らの意思で生き方を選べなかった時代の話で…そこに同性愛の話も乗っかってくる。
結ばれる未来などないのだ。
別離しかない恋情なのだ。
けれども惹かれ合う気持ちは止められない。相手に惹かれれば惹かれる程、悲劇の度合が増すのだ。
それを最後の最後まで秘めていたのは、その刹那を濁したくないとの想いからなのだろうか?
ラストの交わらない視線…アレは偶然の産物なのだろうか?機会は偶然だったとしても「被写体に戻る」って意思が痛烈に伝わってくる絵だった。
鑑賞途中に思うのは「色彩」だった。
衣装やメークは世界観なので当時が反映されてて当たり前なのだけど、動く油絵を目指したと言わんばかりの質感だった。
それに伴い表現されるものは勿論あって…色々と小難しい事を考える。
美術品以外の側面から見た時の油絵とでも言うのだろうか…固定とか、非干渉とか、普遍の価値観とか、色褪せないとか。ノスタルジーな事だけではないのだろうなと思う。そして登場人物達が絶妙に18世紀。油絵の被写体が抜け出てきたのかと思う。
さすがはフランス。
相変わらずのお家芸は健在だった。
■追記
talismanさんのレビューが素敵!
ラストの考察に至極納得。
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