劇場公開日 2020年12月4日

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「自分は繊細ではないし女性でもないのだが・・・」燃ゆる女の肖像 Imperatorさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5自分は繊細ではないし女性でもないのだが・・・

2020年12月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「こんなにも繊細な作品は観たことがない」(グザヴィエ・ドラン)だそうだ。
「そうか、自分は繊細ではないし、LGBTでもないし、女性でもないのだから、理解できないのだ」と、何度も居眠りしながら観ていた。実に眠かった。
「きっと観る人が観れば、交わされた台詞やちょっとした仕草の背後に、微妙なニュアンスや秘めた情熱を感じ取るのだろう」と。
主人公の持ち込んだ2枚のカンバスが、イントロで強調され、その後の展開を暗示するなど、“芸が細かい”のは確かだ。

ところが、映画の終わり近くなって急展開し、話が怪しくなる。
二人の情熱は燃え上がるものの、実は互いのことはあまり理解し合っているわけではなかったようなのだ。
つまり、台詞や仕草には、別に深い意味は無かったということになる。
たかだか2週間くらいの間に、エロイーズが笑うようになり、「私も変わった」などと平然と言い放っているのを聞くと、「はぁ?」となってしまう。

少なくとも、肖像画の消された最初のバージョンの表情と、採用された最後のバージョンの表情は、逆であるべきではないだろうか?
まあ、最初のバージョンはクライアントのご機嫌を取るために、定型的に仕上げたのかもしれないが・・・。
映画のキモであるはずの肖像画そのものに、意味内容が感じられなかったのは残念だ。

どうも最近は、ジェンダーや人種が絡むと、ヨーロッパでの評価は“自動的に”高くなるのではないか?
「パラサイト」同様、カンヌの“ご威光で”過大評価されているような気がする。
こんな奇妙な状況が続くと、映画界にもトランプ大統領のような人間が現れても不思議ではない。
ともかく、徹底的に“女性目線”で、ほとんど男が出てこない本作品は、自分には難しすぎた。

なお、昔のブルターニュの田舎と言えば、ゴーギャンの絵にもあるように、少しエキゾチックな土地柄のはずだ。
火祭りの女達の合唱は、現地で採取した歌かは知らないが、民俗性が反映されているのかもしれない。

Imperator
さんのコメント
2020年12月17日

予備知識ゼロで見たら同じく眠くて仕方なかったです。

賢