「切ない恋愛ストーリー(女同士だけど)」燃ゆる女の肖像 panpan00さんの映画レビュー(感想・評価)
切ない恋愛ストーリー(女同士だけど)
賞を取ってるから、どんな映画だろうと楽しみだった。それ以上の事前情報ほ無しで鑑賞したら、主人公の女性(画家をしている)がモデルの女性とキスして愛し合ってしまった( ̄▽ ̄;)
こんな展開だと思ってなくて、私のようなおっさんが鑑賞してるのは大丈夫かなと周りの目が気になった。
ざっくり言うと、主人公(マリアンヌ)とモデルのエロイーズが恋に落ち、だが別れなければならないと言う切ない映画だった。
この映画の登場人物はかなり少ないので予算はかけて無さそうだ。主人公(マリアンヌ)と貴族の娘エロイーズ、その母、貴族の使用人ソフィの4人がメインだ。母は途中からいなくなるけれど、この4人で話が進んでいく。
恋愛と言っても、男性が好きな裸のシーンは殆ど無い。(全くない訳では無い)
主人公(マリアンヌ)を演じるノエミ・メルランの誕生日は1988年11月27日なので、30代だと思うけど、キレイだった。ちょっとカルロス・ゴーンに似てるなと思った。やっぱり、フランス人の顔立ちということなのだろう。ノエミ・メルランは脱いでいる。冒頭の濡れた衣類を乾かすため暖炉の前で暖を取るシーンと、生理になった時にベッドから起き上がるシーン。暖炉の前のシーンではほとんど影になっているから胸の形が見える位でハッキリと裸は見えない。生理の時はアンダーヘアが見えたくらい。モザイクをしないのはフランス映画って感じだ。
貴族の娘エロイーズを演じたのはアデル・エネル。1989年1月1日生まれなので、こちらも30代。これからミラノの男性とお見合い結婚することが決まっていて、恋愛経験も無いようだったからもっと若い役だと思っていた。裸になるシーンはあった。マリアンヌと一緒にベッドの上にいて寝てる時に、左胸が露出していた。あと、脇毛が生えていた。これは当時のフランスでは当たり前なのかもしれない。
あとは裸のシーンはない。
使用人のソフィ役のルアナ・バイラミは2001年3月14日うまれ。未成年であるが、映画では妊娠してしまい、堕胎している。彼女が堕胎するシーンでは、対比するように隣には赤ちゃんと小さい子供がいた。子供を堕ろす行為はソフィにとっても辛いようで、泣いていた。
なぜ、マリアンヌとエロイーズが恋に落ちたのかは私には分からなかった。エロイーズの肖像画を作る使命を与えられたマリアンヌが映画の中盤で肖像画を完成させてしまったから、あれ?これからどうするの?と思っていたら、突然エロイーズとキスして、いつの間にか愛し合っていた。もしかしたらそういう空気が出てたのかもしれないが、私は気付かなかった。
最後のシーン(マリアンヌとエロイーズが別れてから最後に再開するシーン)ではエロイーズがオーケストラの演奏を聴きながら涙を流すのだが、これは多分マリアンヌのことを思い出したからだと思う。マリアンヌが肖像画を描いていた頃にエロイーズに演奏するシーンがあって、きっと同じ音楽だと思う。だからエロイーズはマリアンヌを思い出して泣いたと解釈した。このシーンはずっとエロイーズが映るのだが、役者の実力が無いと成立しないと思った。
映画の中で、純白のドレスを着ているエロイーズがふっと消えるシーンが2度ほどあるが、それが何を意味していたかは分からなかった。
マリアンヌが屋敷から出ていくシーンは悲しいシーンだった。
以下、ストーリー
マリアンヌは学生の前でポーズを取りながら、学生に指導をしている。学生の後ろに『燃ゆる女の肖像』というタイトルの絵が飾られていることに気付く。自身の作品だ。学生に問うと奥から出てきたとのこと。
過去に遡り、マリアンヌは小型の船に乗って島の貴族の屋敷へ向かう。船での移動中に絵画道具を海に落としてしまったのでマリアンヌは海に入って取りに行く。上陸し屋敷まで行くと、マリアンヌは部屋の暖炉の前で衣類を乾かしながらタバコを窘める。
屋敷では屋敷の主(主人の妻でエロイーズの母。主人の姿は無い。)から娘のエロイーズの肖像画を描いて欲しいと依頼される。肖像画をお見合いで使用するためだ。エロイーズの肖像画を描こうとしたことは過去にあるが、エロイーズが拒否して描かせて貰えないそう。このため、マリアンヌは自身が画家であることと、エロイーズの肖像画を描こうとしていることを隠しながらエロイーズの肖像画を描くことになる。
マリアンヌはエロイーズと散歩することにする。しかしエロイーズはマリアンヌの前を歩いたりして、なかなか顔を見せてもらえない。また、マリアンヌがエロイーズに視線を送ることも、気付かれてしまいそうで危うい。
エロイーズには姉がいたが、崖から落ちて死んでいる。転落時に叫ばなかったこと、エロイーズ宛の手紙に『許して』と書いてあったので、自殺と考えられている。
マリアンヌはエロイーズの目を盗みながら、エロイーズの肖像画を書き上げるが、エロイーズの母にエロイーズに肖像画を描いていたことを打ち明けたいと言う。
マリアンヌはエロイーズに肖像画を描いていたことを打ち明け、肖像画をエロイーズに見せる。エロイーズは肖像画の出来に否定的だ。マリアンヌも納得していなかったようで、肖像画の顔のところを削除してしまう。エロイーズの母はマリアンヌに怒るが、エロイーズがモデルになることを承諾し、母は5日間の外出から帰ってきた時には肖像画を完成させているように再び依頼をする。
マリアンヌはエロイーズを描きながら?、突如エロイーズとキスをする。(正確には覚えていない)。これから母が戻ってくるまで二人は愛し合うことになる。
ある夜、集会(何の集会か分からないが、何人かの女性が集まって歌を歌う)で、火を挟んでマリアンヌとエロイーズは見つめ合う。するとエロイーズのスカートに火がついた。エロイーズは慌てる様子もなく、マリアンヌを見つめているが、他の女性がすぐ様、消化した。
一方で使用人ソフィは自身が妊娠したことをマリアンヌとエロイーズに告白する。子供をどうするか尋ねられると、エロイーズの母がいない間に堕胎すると応える。
ソフィは堕胎する時にベッドの上で寝転ぶが、同じベッドの上には、赤子と小さな子がいた。堕胎中はマリアンヌとエロイーズはその様子を見ていた。医師?が堕胎を終えたことを告げると、ソフィは涙を流した。
夜、エロイーズは堕胎中の絵を描くようにマリアンヌに提案する。暖炉の前にマットを引き、ソフィを横にしエロイーズは堕胎のポーズを取る。その姿をマリアンヌは絵に描いた。
ソフィから明朝の朝、エロイーズの母が戻ってくると聞かされたマリアンヌは最後の夜もエロイーズと過ごす。母は肖像画を見て報酬をマリアンヌに手渡す。
マリアンヌは二人と別れて屋敷を後にする。
再び、教室に場面転換する。マリアンヌは学生の絵を見る。
マリアンヌは父の名前で展覧会に作品を出品する。当時のフランスでは女性画家には例えば男性の裸体が描けないと言った制約があるため、父の名前を使用している。
展覧会にはエロイーズがモデルとなった絵が飾られている。エロイーズの傍には小さい子供が描かれている。
マリアンヌはオーケストラの会場に入ると遠くにエロイーズが会場に入ってきたことを視認するが、エロイーズは気付かなかった。(または、気付いていたが、顔を向けなかった。)オーケストラの演奏が始まると、エロイーズは涙を流した。