「劇場の大画面で圧倒されましょう」燃ゆる女の肖像 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場の大画面で圧倒されましょう
TIFF2020にて鑑賞。前評判が良いので、早く観たかったんです。
まず、この作品は劇場の大画面と音響で観て頂きたいですね。
演技、映像の迫力は素晴らしいです。
大画面に負けてません。熱量。眼力。すげーです。女優さん、メインの3人。凄く良いです。
相手をより深く知るという画家とモデルの関係性が恋愛に昇華していくお話ですが、18世紀という時代性、舞台の土地の風景、音楽、演技、そしてそこに絵画の力が重なり、恋愛の進行がドラマティックに描かれるます。静かに熱く。
中盤、女子お泊まり会モードのようなパートが大好きです。
身分を感じることなく、イチ女性として絆と力強さを感じられるから。その空間で描き出されるのは「自由」「現実」「正直」「強さ」「意思」「愛」かな?
まさに、生きたいように生活している、満たされてる時間に見えます。
18世紀は女性にとってはそれらを容易に手に入れられない時代だったのでは?と勝手に推測する故、本作は女性自身の自由を謳う作品だと思います。
後日エピソードも見事。たまらんですよ!
ラストは、まー、画面に釘付けでした。
瞬きできませんでした、いや、するのが惜しいラストカット。
切ない、切なーい。
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グレシャムの法則さんのコメント
2021年1月4日
不自由な中の『自由』という観点。
何気なく書いていらっしゃるけれども鋭いですね。
もしかしたら、同時代の男性は、比較優位なだけで、たぶん生涯にわたり、体制に縛られていることを思えば、この女性たちの人生の中の一瞬の〝自由〟のほうが輝きは強いような気がしてきました。