「余韻を楽しむ映画 マリサ・トメイは・・・ イザベル・ユペールの目が・・・」ポルトガル、夏の終わり カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
余韻を楽しむ映画 マリサ・トメイは・・・ イザベル・ユペールの目が・・・
なんだかよくわからないけど、マリサ・トメイが懐かしくて見なきゃと思っていましたが、
コロナウイルスのおかげで、公開が遅れて、夏にぎりぎり間に合いました。
マリサ・トメイは「いとこのビ二ー」「忘れられない人」がきっかけです。
ポルトガルのシントラという海辺のきれいな世界遺産の避暑地の町が舞台。
予告編ではキャンベルのスープ缶のような塗装のきれいなチンチン電車と海岸線が目を引きます。
主演のイザベル・ユペールはそのまま映画女優の役。原題の Frankie (フランキー)はその女優のあだなみたいです。
マリサ・トメイはヘアメイクアップアーチストのアイリーン役ですが、イザベルとは長い付き合いで、女優とスタッフという関係を超えて、お互いに信頼している無二の仲という設定でした。
ずいぶん、しわが増えちゃったけど、やっぱりすてきでした。
登場人物の役やそれぞれの関係は会話や表情から読み取り、自分で想像しながら見てゆくなかで、見た人それぞれが余韻の中で思いを馳せることで、遊ばせてくれます。
でも予告編を見て、主要な登場人物はおさえておいた方がいいですね。
あのプールの場面で始まりますが、肌の浅黒いまだ幼い中学1年ぐらいの女の子はフランキーの二度目の旦那の連れ子の娘の子で、孫ですが、血のつながりはありません。
人生を終える準備をわがままな女優が始めると・・・・
遺産相続が絡んでいることは動機としてはあきらかなようですが、それを具体的に話にすると
全くおしゃれじゃなくなるので・・・・
イザベル・ユペールの表情とくに目がみんなを観察しながら、何かを企んでいるようで、グレタみたいに気持ち悪くはありませんが、なんともいえません。年のせいか、一瞬、丹波哲郎の目つきにも似て見えました。
熱帯夜が続くので、映画館はまさに避暑地です
星の数は関係ない映画ですね。
カールⅢ世さん。
昨日観たばかりだというのに、覚えているのはラストショットのみ!
海の見える小高い丘にフランキーを中心にみんなが集まってくる・・・色んな意味が考えられたのですが、日がしずみ皆が帰ることで彼女自身の死を表していたんじゃないかと・・・そんな気がしてきました。