「日本版の予告がよくないんだろうか…」バクラウ 地図から消された村 nazionaleさんの映画レビュー(感想・評価)
日本版の予告がよくないんだろうか…
予告で抱く印象と本編を見た印象とでは異なる点も多い。
ミステリアスで謎の多いストーリーと期待して見ると肩透かしを食らう部分も少なくない。
ただし見方を変えれば、身勝手な侵略者に対して反撃の狼煙を上げる原住民という構図に素直にのめり込んでいくことが出来る。
シーンの繋ぎがフェードアウトであったり少し技術的に稚拙に感じられる所もあり、もう少しテンポ良くストーリーを展開できるのでは と感じる面もあったものの、構成は巧み。
序盤は地図からの消失や謎のバイカー、ドローン、死者といった要素をバクラウの住民の視点から描きだし、謎と同時に不吉な予感を味合わせる。
一方終盤ではそれまで恐怖を与えていた側の犯人達の視点に移り、村に訪れ犯行に及ぼうとするも姿の見えない住民に恐れを抱く様が描かれている。
視点の軸を入れ替えることで、構図に変化を生み出し緊張感を演出すると共に、何が起こるのか という期待感を与えてくる。
ただオチは正直弱いかなと思ってしまった。
市長と繋がっている もまあ大方予想はつく。
バクラウの歴史をさり気なく示し、そこへ結びつく反乱の形をなぞり、狂ったとも言える手法で逆襲を成し遂げる様は痛快だったものの、ちょっとアッサリしてたかなという気も。
まあ劇中では犯人達の犯行もそれほどガッツリ描かれていないし、バランスを取ったのかもしれませんが。
全体としては粗さなんかも感じられはするけど、作品としてのテーマや描きたいものは強く感じられ、全体の構成といった映画的側面でも楽しめた。
期待していたものとは違った とはいえ、見方を誤らなければ面白い作品。
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