「ヒトラーが嫌いな男の話」名もなき生涯 masamiさんの映画レビュー(感想・評価)
ヒトラーが嫌いな男の話
さて「名もなき生涯」です。久々のテレンス・マリック監督です。待てよ?おい!今年はオリンピックイヤーだ、と言うことは・・・
こち亀の日暮か❗️
違いますね。すみません。もっと間が空いていますね。
7年に一度くらいですか?
長野の御柱祭りか❗️
それも違うわ!分かりづらいわ!
この映画は2月21日公開ですので皆様がこの文章を目にするのは、かなり先でしょう。でも安心して下さい。ネタバレはいたしません。何故この映画を観たかと言うと、試写会の券を頂いたからです。その方はちゃんと仕事をして海外旅行も行ってるのに年に300本以上劇場で映画を観ています。
まじリスペクトっす!(EXIT風)
いや無理だろ!なんでも休みの日は1日4本はしごをするらしい。映画を観るのも体力だ。私は去年は1日2本観たのが一回のみ。(悪の華と見えない目撃者) 虚弱体質か!
実はこの試写会の前に「ジョジョ・ラビット」を観ようかなと・・・思ったんですけど、この映画上映時間が約3時間!諦めました。とほほだよ。体力ないもん。
試写会の場所はニッショーホールです。虎ノ門に有ります。
吊り橋にひと晩ぶら下げられたりするのかなあ
?
虎の穴じゃねえよ❗️
さて毎度ですが枕が終わりました。今回は短めにしました。すいません。この先は読まないでもいいですよ。
舞台は第一次大戦に負けてナチス・ドイツに併合されたオーストリアです。
カンガルーやコアラがいるのかなあ?
いねえよ❗️オースト【ラ】リアじゃねえ、オーストリアだよ!
ただね・・・ナチスに占領された悲しさや以前は欧州の五大列強国と言われたオーストリアの没落。そんな悲しさは感じました。
三時間近い上映時間を危惧しましたが、飽きずにまた眠くならず、興味深く鑑賞しました。
簡単に物語を説明します。オーストリアの山村で暮らす農夫と妻の話です。第二次世界大戦が勃発して夫に招集令状が届きます。罪の無い人を殺したくない!愛する妻と別れたくない!そもそもヒトラーなんて大嫌いだ!
近所の人、司祭、村長、説得されますが忌避しようとします。が、とうとう兵役に・・・
そして・・・
物語は夫婦の書簡によるモノローグで淡々と進みます。そしてそこにインサートされるアルプスの景色の美しさ。この世の【楽園】です。但し妻も村人から嫌われて辛い目に合います。
基本は全編英語です。(オーストリアの公用語はドイツ語)時々ドイツ語も入ります。
英語字幕も日本語字幕もついていないので何を言っているのか分かりません。でも伝わっちゃうんですね。
罵詈雑言、誹謗中傷、悪罵、面罵、
ドイツ語は破裂音が多く、きつい言語のイメージそのものです。
ますますヒトラーが嫌いになりました。あと個人的に思う事はテレンス・マリック監督はアーチストと言うよりアルチザン(職人)です。それも生粋の。スタンリー・キューブリック監督と同じカテゴリーです。あくまで私見ですが。
さて話しは少し変わります。私が中学生の時に
読んだ本。映画評論家の佐藤忠男氏の「映画をどう見るか」と言う本です。
内容を簡単に要約すると、映画は娯楽ではあるものの時代を写すものであり、プロパガンダであり、民俗にとっての自惚れ鏡である。この考え方は14歳の私に多大な影響を与えました。
この映画で言うと観た人は必ず農夫とその妻の視点になりナチスを憎むようになる。
ユダヤ人のルサンチマン。(恨み)
20世紀初頭に設立された五大メジャー(パラマウントやワーナー、ユニバーサル、MGM、FOX)創設したのは全てユダヤ系の人達です。
今でもスティーブン・スピルバーグを筆頭に沢山います。
ナチス、ヒトラーは絶対悪。娯楽映画でもあってもそれは金科玉条。ユダヤ系映画人にとってのエネミー。
だが映画でこの方法を最初に行ったのはナチスです。民族の祭典などです。ゲッペルスも狡猾です。
そして娯楽に見せかけたプロパガンダ。これって今も有りませんか?いや、具体的には言いませんが・・・この映画にはそこまでプロバガンダは感じませんが・・・
本当にユダヤ人の怨念は凄まじい。
倍返しどころじゃない!
またチラシには全キリスト教関係者必見‼︎と書いてありますが、そこまで宗教的な印象は受けませんでした。彼は自分の信念を貫き通す事が
一番大切だったのでしょう。
戦争で悲しい思いをするのは市井の人々。「この世界の片隅に」の制作者の考え方に近いです。
少しでも戦争につながる可能性を少なくする。
それが今を生きる私達に出来る事ではないでしょうか。
たまには真面目な事を言ってみました。
読んで頂きありがとうございました。
ユダヤ人の怨念は凄まじい。と言われますが。ドイツ兵の日々のご機嫌如何で虫けらのごとく殺されたり生かされたり窓の無い貨車にすし詰めで3日三晩立ったまま収容所まで運ばれたあげくガス室送り。の700万人。じゃ怨念も残るでしょうよ。信じられないホロコーストよ。
ドイツの人たちは、ナチの出てくる映画をどう感じながら見てるのだろう、とどこかに書いたのですが、masamiさんのおっしゃるようなユダヤ系の方々のルサンチマンについての受け止め方はさぞかし複雑なのでしょうね。
贖罪的に受け止める世代が高齢化し、ネオナチ寄りの人が増えているのだとするとちょっと怖いです。