「白人警官を演じた人が脚本も兼ねてると知って驚いた」レ・ミゼラブル kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)
白人警官を演じた人が脚本も兼ねてると知って驚いた
すんごい映画だった。
貧困、警察、大人、子供、犯罪、マフィア、裏取引、不正、ドローン、SNS、動画、証拠、暴動……これが2019年公開のフランス映画だという衝撃を受ける2020年7月。
答えのないエグいリアリティ。と同時に物語としてものめり込めるバランス。見事です。
パラサイトが地下と地上をシンボルに使い、ジョーカーがヴィランという要素を借用したような”象徴”が今作にはない。圧倒的なリアル。
それで観る物語としてここまで成立させているセンスは圧巻。
手ブレ風カメラなどドキュメンタリーっぽい撮り方をしています。監督が元そっち畑の人らしい。
役者も演技とは思えないリアルさがあります。不思議な感触。一部のエキストラは現地の人だろうか?
ゆえに導入は物語的に漠然としている。
しかし各要素が1点へ集まりだした時の怖さが……。
誰が悪いってわけじゃない。ある意味全員が悪い。
個人的には社会が環境が悪いと完結させることもできなかったなぁ。だから余計に闇を感じた。
自分は発端が子供の悪戯だから……と軽くみれないのです。
この見方は多くの人とは違うかもしれません。
終わり方はすんごいですよね。え、嘘でしょ……?っていう。
でもあの終わりしかないのかもなぁ。
違う描き方をしてしまうと根本からこの作品の意味が変わってしまう。
パンフレットを読んで、白人警官を演じた人が脚本も兼ねてると知って驚きました。
脚本を書きながらあの役を演じるか……なんちゅう演技魂とハートの強さ。
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