「責任なき世界」家族を想うとき ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
責任なき世界
最近良く耳にする『ギグエコノミー』のシステムの本質が、今作を鑑賞して良く理解できました。単純に企業が社会的責任を負わず、個人に全ての責任やリスクを負わせる働き方なんですね。
Amazon、Uber、セブンイレブン、便利です。コロナが流行していると、特にそう思います。しかし、この便利さが安価で提供されるのは『何か』がおかしいのではないか?その『何か』を今作は分かりやすくリッキー一家で表現しているのだと思います。
労働で疲れている人が増えれば、事故や病気、暴力が増えます。賃金が少ない人が増えれば、娯楽が減ります。食べる物がなくなれば、泥棒や犯罪が増えます。この様な人達が増えれば、安全にお金がかかり、医療費が上がり、映画館やレストランが潰れます。自分自身も失業や貧困とは無縁でいられません。つまり新自由主義は、倫理的に考えても経済的に考えても99%の人にとっては、非常にリスキーなシステムではないでしょうか。
労働者の象徴であるリッキー一家の結末は、一体どうなるのか。この状態でまともに子供達を育て上げて老後を安心して過ごせるのか。新自由主義社会の答えはもう既に出ていると思います。自己責任?馬鹿言うなと言いたいです。
今晩は
ロジカルなレビューですね。
私は、コロナ禍から(地方都市在住者には厳しいモノがありますが)Ama・・の利用は止めました。、Ub・・は私の居住区にはありません。セブ・・始め、コンビニは必要最小限(手紙を書く時の切手を買う)にしました。
この映画に触発されたわけではないですが、安価で便利なツールの裏には懸命に働く人々がいると知ったからです。只、自己矛盾になるのですが利用しない事で(特に物流関係)の人々の賃金に影響するという事です。
未だ、答えは私にはありません。
では、又。