劇場公開日 2020年7月17日

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「ベラの愛犬ベロ・・・父親はベムか?」リトル・ジョー kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ベラの愛犬ベロ・・・父親はベムか?

2020年8月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 色と音楽が全て。予告編を見たときから赤で統一された毒々しさが感じられたのですが、意外にも白衣ならぬ緑衣の研究員たちと食堂の淡い緑により、独特の雰囲気が確立されていました。そして音楽。和太鼓、尺八、笙など純日本風雅楽によって異様なまでの能世界を堪能できるのです。そーいや、寿司も食ってたなぁ。

 感染モノだと予想していたのに、遺伝子操作による植物リトル・ジョーから人間への感染のみでした。人から人へは移りません。Rウイルスから品種改良を行ったとか説明されてましたが、遺伝子組替えそのものに疑問を呈したテーマがあるのでしょう。さらに不稔性(植物の受精不可能)にしたため、花粉は自己保全のために人間の脳に保護するよう命令をくだす・・・と言ってた気がする。

 離婚した夫婦という設定も、自然を愛する夫と人工的植物を研究する妻とじゃ意見も違っていたためだろう。親子の溺愛という性質も植物に受け継がれたかのように、花粉が飛び交い、表面上の愛によって幸福感を得られるものだった。

 ベラの愛犬がおかしくなったこと以外、それほど大事件も起きなかったが、こうやって人間の心さえ変化させる植物にも興味津々となった。もしかして、平和で従順な人間を作るのに効果的なのか?エンドロールの「ハピネス、ビジネス♪」という気持ち悪い歌がぐさりと突き刺さる。また、どことなく日本愛を感じ、黒沢清みたいな作風によって印象に残る映画となるのでしょう。数年前に流行った青いバラをもう一度見てみたかったり・・・

kossy
カールⅢ世さんのコメント
2020年8月27日

雅楽や尺八はおかしくて、集中の妨げにしかならなかった点が残念です。インテリアも派手な中国風で、デパ地下のお寿司もなんだかな~でしたね。

カールⅢ世