「期待通りの一本」鵞鳥湖の夜 またぞうさんの映画レビュー(感想・評価)
期待通りの一本
ストーリーもシンプルでダレ場がなく、映画として単純に好きだ。団地や露店での空間演出なども上手く、決して美しくない湖畔や主人公の妻の職場などのディテールが「薄氷の殺人」同様きちんと描かれていて、満足感がある。泥棒団と警察が同じように地図上で担当割をしているところも良かった。
減点ポイントとしては、女性主役のグイ・ルンメイが生活感もなく魅力的に描かれているのは必須として、主役の男とその妻が造形も美男美女でかつ清潔感があり過ぎ、映画のたたずまいとは合っていないような気がする。ここは昭和の日本映画のようだった。
2001年から2019年の間、香港と中国南部で約10年生活した。ある時期の地方都市は本当にこんな感じだったし、今でもちょっと田舎にはこういうところもある。映像について、色鮮やかなネオンなどが狙いすぎと思われるかもしれないが、あれも間違いない事実。汚れた団地や路地裏、麵屋の汚さも実景の再現で、懐かしい。
こんばんは、
「マンチェスターバイザシー」への共感ありがとうございました。
またぞうさん、中国映画へのレビューが多い方だなと思っていました。長く赴任されていたのですね。
ソウル→NYの機内での体験ですが、香港からNYの親戚を頼って渡航するという英語まったくダメ+広東語しか出来ないご老人と筆談を楽しんだ(彼のイミグレーションフォームを僕が代筆した)ことがありました。
地球上の5人に1人は漢字を使う民族。共有するこの文字のおかげで思いがけずコミュニケーションが取れた嬉しい体験でしたよ。
昨今の簡書体は大嫌いですし、やっちゃった感のある「文字文化破壊」の愚行には愕然とします。