劇場公開日 2020年6月12日

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その手に触れるまでのレビュー・感想・評価

全30件中、21~30件目を表示

4.0予想もつかない最後

2020年6月28日
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鑑賞方法:映画館

正直、ラストシーン時、『まだあと1時間あるからここから展開が変わるのかな』
と思って観ていた(私が上映時間を勘違いしていた事もあるが)。

しかし、予想もできなかったラストシーン。
『え、これで終わり?』と同時に何とも重い気分に。

そしてなるほど、邦題に納得。

この映画の予告編やイントロダクションを観ると、
少年がイスラム原理主義のイマームに感化され、と言う内容があったので、
もう少し社会的な要素が強いかと思ったが、
この映画はどちらかと言うと、少年の心理を探るようにして見てみると面白かった。

観た人によって感じ方が分かれそうで、興味深い。

淡々と演技をするアメッド役のイディル・ベン・アッディという少年の役者も素晴らしい。

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じーたら

4.0いい映画

2020年6月28日
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鑑賞方法:映画館

リアリティがあって良かった。本当にこんな感じなんだろうね。
主人公の弱い、柔らかい感じがいい。
あからさまな強い悪ガキだと全然違う話になったんだろうね。

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khapphom

4.0そこに救世主はいない

2020年6月25日
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鑑賞方法:映画館

ナイーブな思春期の少年の青春ドラマと、過激で拝外的な思想に洗脳された若者は救えるのかというヘビーなテーマが併走して、それがスリリングなサスペンスとしても成立しているという凄い映画だった。安易に明快な救世主や救いを登場させないところも良かったと思う。

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ピンボール

3.5厨二病がイスラム過激派に洗脳されたら

2020年6月22日
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ビターズエンド配給で、
「少年と自転車」の監督となれば、そうですよね、作風も見せ方もこうだし、うん、納得の作品でした。

幼児的万能感に反抗期と思春期、成長過程にある自己中心性の強い子供のフラストレーションが混ざってる少年時代にイスラム過激派の洗脳なんて受けたらこうなりますよね、本当に。

神様への信仰という差別化、自分の特別感なんて与えられたら、危険極まりない。
それには、映画の中だけでは拾えない要因ももっと沢山あるでしょうが、
実際にイスラム過激派に傾倒した青少年の事件が沢山起きていて、日本だってこれから人口減少で、イスラム教の方も増えてくるだろうし、そうしたら過激派思想も一定数は流入してくるでしょう。
観ておいた方が良いと思います。

少しだけ光の挿し込むラストで、ハッピーエンド好きな私の溜飲は下がりました。

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まゆさん

3.5なぜ過激な思想に傾倒していったのか…

2020年6月21日
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鑑賞方法:映画館

が描かれていないけどこういう危険な教えにはまってしまうのが全く理解できない。神はどれほど偉大なのやら。
他者とのつながりで少しずつでもこころが開けていったらよいけど。
ラストも判断が難しい。触れることで気持ちに変化があったかどうか。だけど見応えありました。

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peanuts

3.5狂気という語は使いたくない

2020年6月19日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

主人公の少年アメッドがどうしてこういうふうになってしまったのかは描かれていませんが、きっとすごく孤独だったのではないかな、と私は感じました。
父親が家を出ていったせいでしょうか?
多感な年ごろのせいもあるでしょう。
アメッドを愛してくれているお母さんがいても、きょうだいがいても、イネス先生がいても、彼はすごく孤独だった、おそらく。
そして導師の教えに傾倒していく。
汚れを浄めるためにしっかりと手を洗い、礼拝することで、自分の世界を懸命に保とうとしている様子がよく伝わってきます。
そこから、極端な行動に走ってしまう。

宗教に限らず、何かに深くとらわれている人とコミュニケーションをとることの難しさを痛感しました。

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マリエル

4.0現実の問題

2020年6月19日
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実話ではないが、今ヨーロッパで実際に起きている、宗教が子どもへ与える悪影響、移民によって多民族が共存する世界の問題を、リアリティたっぷりに描写。

ゲーム好きの少年(中学生くらい?)が、死んだ従兄や、導師の過激な思想に感化され、イスラム原理主義者として洗脳されていく。
挙句、学校の先生をイスラムの敵だと考えはじめて、抹殺するためにナイフを持って学校へ向かう……

最後まで救いも答えも見つからないが、それが現実ではある。

カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した作品とのことだが、実に納得。

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コージィ日本犬

4.0素地

2020年6月17日
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鑑賞方法:映画館

2019年カンヌ国際映画祭監督賞受賞作。
ダルデンヌ兄弟はカンヌのコンペに実に8回選出され、パルムドール2回、グランプリ1回、脚本賞1回、そして今回の監督賞である。驚異だ。
原題は "Le Jeune Ahmed"、即ち「若いアメッド」。若さ故の純真さと狂気を示す簡潔なタイトルである。邦題も物語の芯を捉えてはいるのだが、若干ハードフル感がある。しかしこの物語にハートフル要素はない。
ダルデンヌ兄弟は、「若いアメッド」を執拗に追いつつ、肩入れするでもなく、かといって否定するでもなく、ある意味平坦に映し出す。子どもの純真さは、ときに手に負えないものだ。そして大人が思うよりずっとずっと強固だ。恐らくその考えを与えた大人より。
大人から見るとアメッドは「宗教という名の迷信に縛られた少年」に見える。宗教に全てを委ね一切の弛緩を許さない。他の宗教は敵、融和は背教。大変分かりやすい。
要するにこの世の複雑さを受け入れられないのである。彼が特別なのではなく、恐らくこうなる可能性は誰でも秘めている。
そしてその強固な信念は、誰が何を差し出しても変わらないという現実。対話も、仕事も、運動も、交流も全て彼を変えない。いや、少し揺らしはするのだが、結局そこから自分の「現実」に戻ってしまう。
それだからこそ、あのラストは考えこんでしまう。完全な無力に直面したときに思考が変わるのか...そもそも、恐らく「若いアメッド」は自身が「聖戦」を為したあとにどうなるかの発想が徹底的に薄いのである。最初からそうだ。それが恐らく彼の幼さでもある。そして、ラストは彼を否応なく「聖戦の先」のある可能性に直面させている。彼は気づけたのだろうか?それは映画では完全に示されない。全ては観た者に委ねられる。
彼がなぜここまで強固な信念を得るに至ったかは描かれない。描かれるのは全て狂信的になったあとのアメッドであり、彼の過去や周囲は断片的にしか示されない。そこがまた考えさせられるところでもある。その背景を描かずに「若いアメッド」の動きをひたすらに捉えることがダルデンヌ兄弟のメッセージのようにも思える。考える素地。遠くない問題。

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andhyphen

3.5宗教とは

2020年6月16日
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鑑賞方法:映画館

イスラム教に全くなじみが無い、この国でも、この映画を楽しむことは可能である。ともすれば、一見、危ない宗教にとらわれがちだが、そこを焦点にすると、この映画の訴えたいこととはかけ離れてしまう。
にしても、ダルデンヌ兄弟の映画は、いつも興味深い作品を我々に提供してくれる。

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オクやん

3.5無力感

2020年6月13日
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鑑賞方法:映画館

宗教的な葛藤とはほぼ無縁で過ごすことのできる大半の日本人にはどうしても理解が及ばない世界がやはりあると思います。
せめて映画を通じて少しでも理解が深まれば、と臨んだのですが、残ったのは無力感だけでした。
移民やテロの問題と否応なく向き合わざるを得ないヨーロッパ(この映画はベルギーが舞台)の人たちにとっても、この映画はひとつの現実的な諦観のようにも感じられました。
せめて、善良で融和的な多くのムスリムの方々の無念さや悔しさやいたたまれなさだけは忘れないように努力します。

この映画で新たに分かった興味深いこと。
それは、なにか新たな概念を子供たちに教えようという時に、現代アラビア語を取り入れるか、コーランの言葉のみを通じて教えるか、ということが、ムスリム社会では教師と保護者の間で、真剣に語るべき論点になり得るということ。

わがニッポンの会社では、近年、なし崩し的に外来語やその略称が一般常識のように使われるので、私はついていくのが大変です。時には、言ってることの半分もわからないまま、会議が終わったりしています。

『先日のサマリーはよく出来てたけど、まだスキームに課題があるな。A社とのアライアンスやインバウンド効果の向上策なんかちょっとデフォルト感が強くて、新味が足らないと思う。プロジェクト自体は専務からオーソライズとれてるし、ウチの部へのインセンティブもコミットしてくれた。
ところで、コロナ対策のBCPの擦り合わせはどうなってる?』

やっと、7割くらい分かるようになりました。

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グレシャムの法則